植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

故郷は遠くにありても たまには帰るのが良い その3 友情編

2023年04月16日 | 雑感
昔何かの本で読んだ一節に「真の友人は大学の時ではなく、中学校の時にできる」と書いてあったのを思い出します。大学生の時は、すでに自我も確立し、人との距離をとり接する時間も限られます。中学生のころは、人格形成が進行し、他人からの影響も受けやすく相互に感化しあうのでしょうか。何よりまだ純粋な精神・心を持っている年頃なので友達が大切に思えるのかもしれません。

ワタシは、小学校6年生の夏休みに、亡父が「より良い環境で子供を育てたい」という願いから、大分市の中ではかなり辺鄙な田舎町に越していったのです。転校生であったワタシが、それから3年半同じ学び舎で過ごしたのが中学校の時の同級生ということになります。卒業後はそれぞれ別の高校に進み、ワタシは18歳で神奈川県の大学に進学したので、そんな同級生とのおつきあいは全く途絶えてしまいました。

ところが60歳、還暦を迎えるにあたって郷里に帰省し、みんなと再会したのをきっかけに、グループlineで情報交換し、たまに大分へ戻ると会ってお酒を酌み交わすようになりました。一学年90名ばかりの小さな学校でした。その時すでに9人の同級生が鬼籍に入っていました。花の写真を載せたり、家族のことを話したり、日々のよしなしごとをいまだに情報交換しているのです。

そこで、今回の帰省であります。
一日目の夜再開したのが4人、居酒屋でおいしい地酒をいただき、海鮮を炉端焼きにしたものと、同級生の幼稚園時代の白黒写真を肴に、楽しい一夜でありました。20人以上のグループlineですが、県外在住の友人も多く、みんなそれぞれ家族があり、仕事・介護・病気などの事情を抱えていて、のんきに夜の街に出かけて一杯やれる人は限られています。

それより驚いたのが、友人が、初日に実家の作業を見に駆けつけてくれたのです。バイクに乗ってA君が来て、兄の病状を聞き作業の傍ら、夜の飲み屋やら植物の話をして帰っていきました。彼の趣味であるたくさんのポップスや楽曲がたっぷりコピーされたCDをお土産にいただきました。

翌日は、一緒にお酒を飲んだT君が、「暇じゃけん、なんか手伝おうか」と飲み物を手土産に来てくれたのです。石など重たいものを運び、雑草を取り除くのをかって出てくれたのです。それで作った庭のオブジェがこれでした。
彼は、最近ではお金にならない農業をやっているそうです。

更に帰る日の午前中に、お茶屋さんのケンちゃんが、自分の畑で作っているお茶をお土産に、兄の様子とワタシの作業を見に見てくれました。家内がお茶が好きなので喜ぶだろうと知っていたのです。すぐ近所に住んでいても来る用事がなくて実家に着くまで迷ったそうです。

ワタシは、最後の仕上げに畑の小石を篩でふるって汗だくでしたが、みんなの気持ちがうれしくて、涙も一緒にタオルで顔をぬぐっていたかもしれません。友達というのはなんてありがたいのだろう、ふるさとはなんて素晴らしいのだろう、としみじみ思ったのです。

夜にお付き合してくれた紅一点のR子ちゃんから貰ったシイタケのつくだ煮?が大層美味でありました。中学校のころから優しく、大学に進学したころからワタシのことを弟扱いしてなにかと相談に乗ってくれました。

今回は、兄の住む実家の庭つくりという一点で帰省したので、荷物には着替えばかり詰め込んで、実家にも仲間にも何もお土産を持っていきませんでした。それを後悔してはいますが、また次の機会にはお返しせねばと思います。
なかなかハードな三日間で、体は悲鳴をあげるようでした。しかし、来てよかった、有意義な時間だったと心底思うのであります。

この場を借りて言いましょう
「ふるさとのみんな、本当にありがとう。また会う時まで元気でね」

コメント
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