植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

園芸のススメ

2020年04月20日 | 植物
 先日の台風並みの風雨でマイガーデンの、中央に位置するバラ用の「パーゴラ」が倒壊しました。これでたしか4回目になりますかな。香りのつるバラ「エブリン」の幹の一部が根元から折れました。さすがにこれはいけません。もうちゃんと建て直さねばなりません。作った当時から、土台になっている羽根板付ブロックは、土に埋めただけのもの、このパーゴラにつるバラを固定しているので、支えとなって倒壊が少なかっただけなのです。
 庭・畑の中にコンクリートを使った工事をするのは極力避けてきました。このガーデニングは、ワタシ一代限り、それもある程度の高齢になるまでには決まりをつけるつもりでいます。すぐに解体撤去できるのがコンセプトなので、出来るだけ簡易工事にして、重たいもの・固定物を増やさないようにしました。だいたいが置くだけ、ねじで止める・結束バンドで繋ぎとめるといった按配です。

 安く、楽して、簡単、こういうことには周到な人間であります。しかし、薔薇が折れる、倒壊して他の鉢を壊すなどの被害がでるようでは困りものです。花屋のカナちゃんから貰った使いかけのインスタントセメントがあります。カナちゃんの自宅で使わなくなったからあげる、と言われて有難く頂戴したものです。何が役立つか分かりませんなぁ。

 助手も居ないし、薔薇が絡んだままのパーゴラです。柱一本づつちょいと持ち上げ(散歩から帰った室内犬の足を雑巾で拭くような感じ)、礎石の周りの土をちょっとづと取り除いては砕石で動かないようにして、緩く作ったコンクリートをどぼどぼと流し込んでおしまい。手抜き工事が一丁上がりです。かしいでねじれていますが、お構いなし。それも趣があってよろしい。

 イングリッシュガーデンというのは、自由なようでいくつかお約束があります。まず、薔薇とそれを引き立てる草花、背景には大きな樹々を配し、手前から徐々に奥に向かって高くしていくというようなことが基本です。壁やフェンスにつる性の植物を這わせるのもよろしいですね。バラを主体に考えるのですが、これにパーゴラ・アーチ・オベリスクなどを使って仕立てていきます。他にもわざと朽ちかけたように作るレンガ壁・オブジェ・噴水などがあると更に高級感が増します。

 当植物園「槐松亭」は予算もスペースも乏しく、入園無料(笑)、そもそも人様に見せるための庭でありません。店舗の裏手(緑地帯)に好き勝手に木を植えバラを育て、野菜作りしているだけなのです。従って、装飾的なものはほとんどありません。
 店舗はコンビニ店で、周囲にいくつか植え込みもあります。ワタシがガーデニングを始めたのは、この緑地部分や植え込みを放置するのがもったいないと思ったからなのです。建設許可条件で100本弱のアカメ、数十本のつつじが植わっていたのを、少しずつ抜いては、バラなどの植物に置き換えてきたのです。買い物に来た客は気にも留めないのですが、ごくたまにバラを見て写真を撮っていく人がいる程度です。
 8年越しで好き放題、ほぼ無計画なままに庭作りして、植物を育てております。隣接した、わずかな駐車場にしていた草ぼうぼうのスペースを開墾し果樹を植え、足して70坪ほどの土地に1000種類以上の植物が植わっています。土作りから始めて肥料・薬剤・苗木などに年間数十万円かかります。パチンコ・お酒に比べれば安いもの、道楽・趣味にお金がかかるのは当たりまえというものです。

 まったくの趣味ですから1円にもなりません。無農薬の有機栽培野菜や出来損ないの自家製果物がご褒美でありますな。家内曰く「ガーデニングがいいのは、人と口をきかなくて済むから」。適度に体を使い、ストレスが無いので、極めて健康的な生活と言えるでしょうね。

 喉が渇いて一休み。隣のコンビニで一杯100円のコーヒーを買い、人工ラタンのガーデンチェアーに腰かけてぼんやりすることの有難さであります。暖かな陽ざしの中、鳥のさえずりを聞き、アゲハがバラたちの間を舞うのを眺めていると、フリージアや水仙など季節の花の香りがふんわりと漂ってきます。

 アルパチーノ扮するゴッドファーザーが、長年の血みどろの抗争と愛する人を次々に失う人生を辿って引退し、故郷シチリアの広い庭園の椅子に座ったまま静かに息が絶えるラストシーンが脳裏に浮かびます。
 ワタシも、自分がそんな最期であったらよかろうに、と思いながらコーヒーをいただきます。
 
PS なんと、本日のブログは400回目になっていました。誰かが読んでくれているということを支えに、なんとか続いております。こんな拙い雑駁なものを見ていただいた方に感謝しております。

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