植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

無慈悲と憐憫の情、痛みと欲望の狭間で

2021年03月18日 | 植物
ようやく冬越しの植物を屋外へ出し終わりました。ヘリオトロープ一鉢がもしかしたらダメかもしれません。葉っぱが枯れ、枝の切り口は茶色になっていました。うちにきてもう4,5年経つ古株ですが、昨年もあまり花をつけず枯れこんでいましたから、病気だったかもしれません。未練がましいのですが、地上部全部を刈り取って、新芽が出るか見守りたいと思います。

 そういえば、やはり同じくらいに植えたハマナスが、ほとんど葉を落としたままでした。昨年はヘリオトロープ同様、ほとんど開花しませんでした。もしや、と思って、剪定ばさみであちこち切ってみるとほとんどが枯れ枝になっていました。数本新梢が出てはきておりますが、これはダメとしたものです。ハマナスは、他のバラと比べて棘が細く鋭いのです。樹形は横はり性のシュラブ(半つる性)なので、低く横に広がってブッシュになります。株元の雑草を抜くにもごみを拾うにも、ほぼ全体に密集する棘がワタシの手や指に容赦なく刺さるのです。

 もう一つ、レモン。これはいつものカナちゃんの花屋さんにあったもので「レモン」とだけ書かれた鉢になっていました。植えた年から実が付き、今年も10個ばかりの収穫をいたしました。丸く赤みが強いレモンで、スーパーで売っているサンキストとかリスボンレモンと明らかに別物です。柑橘検品担当の家内の表情がいまいちなんです。あんまりおいしくない、香りがしないという宣告でした。これは、どうやら「マイヤーレモン」だったようです。酸味が少なくレモンの香りも少ない、オレンジとの交雑種です。


 ワタシの果樹コーナーは、通常の果樹栽培から比べるとほぼ3倍くらいの密集になっています。土地が狭いのに欲張って沢山の果樹を植えたので、すでに過密なのです。何か新たに植えるスペースはなく、どうしても必要な場合は「スクラップアンドビルド」一本抜いて一本植える、しかありません。ですから、実をつけない果樹、美味しくない果物類は無慈悲に処分して入れ替えることにしております。「まぁいいやー」などと言ってる場合ではないのです。

 これで、ハマナスとレモンの運命が決まりました。ハマナスは即座に掘り起こしましたが、細かく裁断するのが一苦労、枯れ木で固くなり棘が刺さるのです。おかげでワタシの手首は痛みで悲鳴を上げております。
 レモンちゃん、、、こんなに小さな苗で健気に実を生らしたのに「どうして?(´;ω;`)・・・」と語りかけてくるのです。あんなに尽くしたのにひどい仕打ちね、と泣かれたような気持になりました。

 これは、このまま抜いて始末するには忍びないのです。出来るだけ根を切らないように堀上げて、果樹用のポットに移すことにしました。鉢植えでこのまま枯れなければ、収量が減っても水やりの手間が増えても育ててやろうと思います。

 そうして、二本分の果樹用スペースが確保できました。当地で、今の場所では柑橘がやはり一番育てやすく美味しいのです。
 人気ランキングの上位品種、かんぺい(甘平)と紅マドンナは苗木の入手が出来ません。品種を開発した愛媛県が徹底した県外流出防止策をしているために、愛媛県以外の農家さんや園芸家が栽培できないようにしています。それはそれで、農業の新品種保護のモデルとしては注目に値します。一方で、一県だけの利益に縋るあまり、人気品種の門戸を開かず、ブランドの普及が限定されることになります。日本の農業にとって有益か否か、あるいはめったに店頭に並ばない高価な果物を買わされる消費者に沿っていないのでは、というもやもやとした疑問も払しょくできません。

 無いものねだりしてもしかたありません。いらんわそんなもの。結果、この二品種の栽培は諦め、クレメンティナドヌーレスという欧州品種と麗紅をネットで買いました。前者はアフリカ原産で、欧米では最もポピュラーな小ぶりのオレンジだそうです。麗紅はせとかと同じ品種の交配によって出来た長崎産のオレンジです。

 今日にも苗が届く予定です。大急ぎで植え付けのための穴を掘ります。もともとはガラと砕石が埋まっていて砂礫質で園芸には向かない土壌なのです。土を篩って小石を除き、黒土・赤玉土などと腐葉土など有機たい肥などをたっぷり混ぜ込みます。例によって欲先行、泥縄式ガーデニングであります。

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