植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

ヤフオク そうは問屋が卸さない

2021年03月19日 | 篆刻
 昨年の昨日のブログには、彼岸の入りと篆刻印のお話を載せていました。なので当たり前ですが今年もお彼岸です(笑)。
 昨年の今頃はヤフオクで印材を落札するのが必死で、篆刻まで手が回らなかったのでした。一年前には、中国三宝といわれる芙蓉石と田黄石のような印材を割に安く(一万円以下)落札できたのですね。

 このところ、ヤフオクはほぼ篆刻印に特化しておりますが、掘り出し物・大当たりが出ておりません。先日ここでも取り上げた「節子さん」のハンコ多数は楽しめましたが、それ以降は落札できても思ったほどの品物ではない、期待外れも多くなりました。世の中そんなに甘くはありません。そもそもだいたい1万円以下の入札ですごいお宝が入手できると思う方が間違いです。

 ここ数日の傾向は、一点もの、年代物とおぼしき貴重な印材の出品が目につきました。精密な紐や薄意(印材の模様に合わせて側面に浅く彫られた模様や景色)が施されている田黄石や古印が多く、一目で欲しくなるものが多かったのです。この1年でだいぶ私の目も肥えてきたのか、これ、と思って入札(だいたい5千円前後 笑)したものは、数十人が入札してきて瞬く間に高値更新が続き、7,8万円となることも珍しくないのです。

 ワタシのようなにわか目利きと違って、専門的な知識をもったコレクター、海千山千の業者・猛者が高価な時代物の古印材を狙っておりますから、本当に希少価値があるものは何万円出しても入手したくなるのでしょう。

 先日は、以前から欲しかった、まぁまぁ高級品の「四川産雅安緑」という種類の印材を思い切って落札しました。何百年も前の古印材ではなく、今も中国四川省で産出されていますし、超高級印材とは違うので、ワタシの手の届く範囲でした。一個4500円相当です。印箱はだいたい6~7百円のものなので実質4千円になりますか。


 左の二つは合わせると模様が合うので、隣同士で切り出した石でしょう。金属ぽいキラキラした結晶がありますが、自然石かどうかは判別できません。右のは、典型的な雅安石のようで平均的な材質の自然石と思えますが、印面の一部が欠けておりました。(´;ω;`) いずれにせよ、本物を見たことが無いので、本物だと思っていればいいのです。

 一昨日は、ちょっと人気薄の石(薄い灰色の素地に黒い亀裂が多数模様のように入った氷裂という種類)に5千円弱で入札して後続なく、やっと落札できたと思って床についたら「取り消し」となりました。出品者がその値段では満足しなかったのです。今朝「即決価格7千円」となっておりました。はぁーっ。どうしようかな・・2千円余計に払うのか・・・

 これに限らず、最終落札価格が3,4万円に届いたものでも取り消しになって、翌日最低落札価格が引き上げられて再出品されることがこのところ目につきます。目利きの業者さんが、もっと高値で売れると踏んだ高級品なのでしょう。「素人には、この価値がわからないのか」などと舌打ちしてるかもしれませんね。そのうち誰かがポンと即決で買うのを待っているのです。

 出す方も落とす方も、金銭欲・収集欲にかられた真剣勝負なので、本気で参戦するのは無謀というものです。一点物は基本的に諦めました。ひとまとめに出てくる中古印(使用済み)の中に紛れているちょっとしたお宝が目当てになります。

 コツはつかめております。出品者が、他にも値打ちがあるような一点物や高級品を中心に出していること、「印材まとめて」出品に含まれた刻印のある石の彫(印影)が一目で上手で趣や品格があること(出来れば古いもの)、従って側款があり「篆刻家」の作と思しきもの、紐も手彫りの本物感を醸しだしているというものを探すのです。こういう場合は、印の元の所有者が書画等でもかなりの上級者、相当お金をかけているので、ほぼ間違いなく高級な印材を使用しています。
 また、篆刻家さんなどの遺品整理・廃業などで大量に出品されるのも意味は同じで、狙いどころです。

 一件一万円以下、安いもの限定で入札するという「安物買いの銭失い」路線であります。他方で高値をつけて、まがい物や価値の低いものを掴むリスクを回避し、なおかつ安物の中に埋もれた価値のあるお品を入手できる可能性を秘めているとも言えますな。難しく言えばリスクヘッジと射幸心の両立を具現化する、とでもいいましょうか。

 焦らず、これ、といったものが出てくるのを気長にこまめにチェックして探す、というのが良かろうと思います。
 

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