12月だというのに、まだ蚊が飛んでいます。白菜にはアブラムシがべっとりとたかっています。世界的な温暖化がワタシの小さな菜園にも影響が出ています。
植物も、なんとカンナの花茎が伸びてきました。バラもまだまだ蕾が上がってきています。まもなく剪定時期だというのに。ぶどう棚では「甲斐路」のツルに、新葉が出てきました。
とはいえ、安心は出来ません。ワタシの周囲には「耐寒性無し」「寒さに弱い」「熱帯性」の植物がわんさかと育っています。
耐寒性、という言葉の定義ははっきりしないのですが、気温が5℃以下になると放置すれば枯れるというのが「耐寒性無し」、2,3℃になって霜にあたると枯れるレベルが「半耐寒性」ではないかと思います。
一説には東京を基準に、屋外で越冬できるのを「耐寒性あり」と区分することもありますが、すごい寒波が来ればどこでも枯れる植物も多いでしょうし、都内でも湾岸エリアと内陸の町村地域の温度差はかなり大きいので、どこまで行っても曖昧さが付きまといますね。寒さに弱いというファジーな表現は、零度位まで下がると枯れてしまうかも、というニュアンスで、枯れなくてもダメージが大きいと考えています。逆に耐寒性ありというのは、日本ではどこでもだいたい露地で育つというのが目安となります。
実際、植物を栽培してみないとその寒さに対する抵抗力がわからないことも多く経験と観察が大事です。寒さに弱い、耐寒性が無いといっても、その弱さにはいろいろなパターンがあります。生育温度、葉の構造、地下茎・球根・根などの要素を考え、観察しておく必要がありますね。
生育温度は、その植物が活発に吸水し、葉が茂り生育できる適温です、これを下回ると徐々に、光合成、葉からの蒸散、新芽や蕾の形成などの活動が弱くなり、最後は根からの水の吸い上げも停止します。こうなると、弱い植物は致命的になります。
通常、こういう場合は「水絶ち・水を切る」という対策を取ります。これによって、植物は「冬眠・休眠」状態になり滞留水による根腐れを防ぐと同時に、植物内の水分量を落として凍らないようにするのです。
君子蘭などは、葉が厚く丈夫ですが強い霜にあたると凍ってしまい、葉が溶けてなくなります。多くの多肉植物も同様です。霜が降りないですむ軒下とかに置けばぎりぎりセーフということになりますが、念のため室内に入れます。
そこで、選択を必要とします。耐寒性が低い植物は、思い切って15℃以上に保ち冬を無いことにするか、葉を落とさない程度に日当たりが良い室内で育てるか、葉を落とさせて「仮死状態」にするかであります。胡蝶蘭などは18度以上であれば冬でも成長しますし、花芽もつきます。逆に10℃を下回ると凍えて死んでしまいます。
プルメリアやハイビスカスは、可能であれば落葉させないで冬を越すと、春の新葉が早く付き、花もたくさんつけることが出来ます。休眠・仮死状態はあくまで、死なない程度に栽培するということですね。
普通の落葉樹が概して冬の寒さに強い理由は、寒さに耐えるために葉を落として冬を迎え、冬眠状態で乗り切るということになりますかね。
但し、植物の多くに、一定の低温に一定時間さらさないと花芽が付きにくいという性質が見られます。常夏の国ではうまく育たない・花が咲かないという植物もあります。
次に注意しなければならないのが、地下茎・球根です。チューリップ・百合・水仙などは全く心配なく冬を越します。しかし、やはり熱帯性の植物は根茎や球根が凍結します。多少寒くても土中はいくらか温かですが、霜柱が生じる事態になると深刻です。ですから、地植えした耐寒性の低い植物は、根や地下茎などが凍結しないような対策が不可欠になります。ほとんどが地上部が無くなりますので、腐葉土・もみ殻・藁などをかぶせて、凍結しないようにします。数十センチの厚みで盛り土をかけるのも有効です。また、耐寒性のないものは、当然鉢植えで管理し、球根などを晩秋に掘り上げて屋内で保存するのが一般的です。ワタシは出来るだけ鉢のまま屋内で冬越しさせるようにしております。なぜなら、乾燥や害虫で掘り上げた球根をダメにするリスクがあるからです。
というわけで、ここまでが総論、本来は植物群を分けて解説、というところですが、字数も増えましたので、そのうちに、ということにいたします。
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