植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

石を彫って4年経過 まだ始まったばかりであります。

2023年11月02日 | 篆刻
昨夜、ワタシのブログを遡って見ていたら、篆刻は、少なくとも4年以上前から真面目に取り組んでいたことが判明しました。ざっくりと3年とか3年半とか適当に書いていましたが、2019年11月時点で、少なくとも自分の姓名印と雅号印が「どこかにいって見つからないので、彫りなおすか」との記述がありました。ということはその前に一度は自分で彫った、ということになります。

以来、人様の何倍も時間を作っては、ほぼ毎日彫り続けています。篆刻の面白さにとりつかれたというのもありますが、始めた時期が、もうあと何十年も生きられない60歳を過ぎていたからであります。若い人のようにたっぷりと修行する年月があればのんびりやってもいいのですが、せいぜいあと10年かそこらしか、石を彫ることができないだろう、だとしたら篆刻を最優先して3倍も4倍も毎日練習せねば追いつくわけがないと思ったのです。

仮に人の3倍の時間を毎日費やしたとしても、まだ12年しか篆刻をやっていないという計算になります。しかも、先生なしの独学独習であります。篆刻家になるにはその道は容易ではありませんね。

さて、そこで篆刻、毎日何を彫るかでありました。
最初の頃は、自分用のはんこを彫って、書道作品の落款に用いるのが目的でありました。「姓名印」「雅号印」「引首印(関防印)」の三つ=三顆 でワンセットになりますが、そうそう沢山あっても仕方ない、せいぜい2,3組もあれば間に合います。そもそも篆刻に夢中になって、肝心の書道の稽古や作品作りはおろそかになっているので落款印を使う機会はほとんどありません。

その次に考えたのが、身内や知り合い友人の印を片っ端から彫って差し上げるという事でした。相手のニーズなどは無視して、彫っては送り付けるという暴挙を繰り返しました。それとて限界があります。3,40人も彫ればもうそれ以上親しい友人など居ません。

で、今度は全く気持ちを切り替え、「摸刻」に徹することにしたのです。「芸術新聞社」が発行する季刊誌「墨スペシャル」の篆刻入門古本を入手しました。1991年7月発行(定価2600円)、これがバイブルになりました。ヤフオクで10冊くらいで5千円ほどで落札した中に入っていたのです。
印石の魅力からその銘石の種類の紹介、著名な篆刻家さんのインタビューなどを通じて、その素晴らしさを知っただけでなく、彫り方からなにから非常に細かな説明が続きました。

そして古今の名彫印・印譜などが100以上紹介されていたのです。これを順番にどんどん摸刻しました。酒井子遠さん、中島藍川さん、中村淳さんなど日本の名人のみならず、本場中国の古印・官印はじめ、丁敬・文彭先生などの印影がこれでもかと掲載され、その名前から印の特徴なども、彫っていくうちにずいぶん学びました。ワタシがこの本に出合わなかったら恐らく、今の自分はありません。

摸刻の大切さを覚えたワタシは、 趙之謙 ・呉昌碩・徐三庚先生の印譜集を次々に買いそろえ摸刻しました。「上海書画出版社」が発行したシリーズです。全部「中文」ですがそんなことは関係ありません。印譜をひたすら真似て彫るだけですから。

そして今年後半になって、公募展に作品を出品することにいたしました。ついにオリジナルで篆刻作品を制作し、応募するという段階に突入いたしました。5~7㎝角の大きな石に4文字から9文字までいろいろ彫って、都合20個ほど制作し、そのうち3本を仕上げ、半紙代の書道紙に彫った文字と落款を書き入れるという作業を経てついに応募することが出来ました。
結果は「全国書道展」→特選。「日展」→落選。
「日本書道美術院展」→未定。

現在
ちょっと手が空いたのです。さすがに次の展覧会用の印を彫る気にはなれません。この4か月間、作品作りで消耗し体調不良も起こしました。家内も「具合が悪い、眠れない」などと嫌味を言う始末なのです。
とはいえここで手を緩めるわけにはまいりません。なにせ先が無い身の上であります。以前から「書道チャット」にタダで彫らせて、と呼び掛けてきました。通算では25人くらいに提供したはずです。中には教室をやっていてそのお弟子さん用にと注文を頂いたものもありますから、実際は30人以上でしょうか。
ここにきて、また募集してお一人彫って欲しいと依頼がありました。書道部の高校生のお嬢さんから「槐松亭さんの篆刻に一目惚れしました。」こんなメールを頂いたら、もう何をさておいても彫るしかありません(笑)
今朝は5時から彫っています。まだ未完成ですが、依頼されてもいない姓名印を彫ったりしています。


先日彫ったのはこちら

これは埼玉の先生の印稿を拝借して彫ってみたものであります。
印稿がしっかり完成したプロのものなので、ワタシレベルでも彫ってみると素敵な印になりますね。


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