iPhoneのパスワードを入れろって いちいち覚えてるか

数か月前から、毎日ワタシのiPhoneに「IDにパスワードを入れろ」というメッセージが出るようになりました。アップルのIDが携帯のメールアドレスになっていて、それに既存のPWを入れる、その必然性がわかりません。今までなんの問題もなく、なんら変更もしていないのにどうしてなの。そんなPWなど覚えてるわけがないでしょう。

ワタシの想像では、iPhoneのOSがアップグレードかなんかして、確認の手続きをしろと言っているようですが、いちいちPWは覚えられません。PCが三台あり、メールのアカウントを始め、ウィルスソフトや経理ソフト、年金のID、カード会社のログイン、はたまたヤフオクや楽天・アマゾンなど数えきれないくらいのIDとPWがあります。相手の事業者は個別には「お客様の個人情報や資産を守るため」と厳密に厳格にセキュリティーを強化しようとしていますが、当方にとってはそれぞれの管理など出来ません。

　そんなものがいちいち頭に残っているわけも無いので、机の上に一覧できるようにID/PWを書いてあります。これでセキュリティーが安全な訳がありませんね。そして、アップルウォッチを買おうかどうか迷っていて近所の商業施設の中にあるアップルの代理店に出かけてきたのです。

　売り子の女性に尋ねると、ウオッチと同期させるために、やはり初期設定でPWが必要になると思う？のだそうです。確信は無いのね(笑)。こんなのはワシには理解できないと言うと、あぁ、わからんちんのお爺が来たと思ったのでしょう、察しが良く「iPhoneのサポートセンター」の連絡先を書いたメモをくれました。

　サポセンは得意ですよ。30年以上前からPCのトラブルやインターネットの不具合など数えきれないほどサポートセンターとはやり合い、お世話になってきました。問題は、相手の人間（オペレーター）に繋がるかどうかであります。往々にしてこの手のサポセンは、フリーダイヤルが話し中、それから保留音に切り替わり「只今大変混みあっております」というメッセージが流れてそのうち「かけ直して」と言ったりします。何十分か馬鹿みたいに受話器を耳に当てて待っていたワタシの時間をどうしてくれるの？と恨めしく思いますよね。

　体よく代理店を追い出されたワタシは、仕事場に戻って電話しました。幸い流石アップルは一流です。普通はシャープや米印を押せとか、ダイヤルの何番を押せと言ってくるのに、経験したことのない自動応答で、商品名を喋れと尋ねるのです。「iPhone」と言うと「認識できません、もう一度・・・」とかなんとか(笑)。こちらの活舌が悪いのか、AIがあんたの言葉「ワカリマセーーン」ですって。二度繰り返したらやっとわかってくれてオペレーターに繋がりました。ワタシがもう少し歳が行っているか、吃音だったら永久にお話しできなかったでしょう。

　さてサポセンのおねーさんが登場しました。まずワタシの電話番号から聞かれ、メアドを教えろと言うのでPCのメアドを教えましたが復唱もせず、「用件をどうぞ」、次に移ってワタシはこれこれ、と説明したところはいはい、では30分ほど時間がかかりますがよろしいですか、と軽快に進みます。そこでハイテクです、こちらの画面が共有できる、それで了解ですか？ときました。凄いですね、OKするといきなり赤い矢印がぴょこぴょこ出てきました。そこをタッチすれば次に進めるのでラクチン、間違いようがありません。

　 言われるがままに操作は進みます。その作業がなぜ必要か、どういう理由でそうするかなどは一切説明なし。アップルのシステムをいちいち説明していたらきりがないし、そもそも選りすぐりのハイテク音痴が相手なので説明自体が無駄で不毛なことを承知しているのです。それで、こちらがPWなどのワタシしか知りえないデータなどの入力の作業になると、その都度遠隔・画面共有を解除するのです。オペレーター側が知ってはならない個人情報なのでそういう決まりなんですね。

　そして20数分でめでたくパスワードの変更が成就し、目障りな設定変更の注意マークも消えました。あー－－さっぱりした。オペレーターのおねえさんには「こういうのは年寄りには困る。事業者はそれぞれ1取引のアカウントだから、セキュリティーをうるさく厳格に扱うのは理解するが、ユーザーは数多くの異なるIDやアカウントを持っているので、本人認証をID/PWにするのはいい加減止めてほしい」と文句を言うと、声のトーンが変わり「お客様の貴重なご意見は、しっかり社内で報告します」とのお答え。わかってますよ、そのセリフは何十何百回となく電話で文句を言われているんでしょ(笑)

　本来PWは、自分の頭に覚え込んでおくべきもの、簡単に忘れられずかつ他人が類推できないものとされています。様々な本人認証のID/PWを共通にしたり、長期間同じPWを使用すると、他人に盗み取られ大きな被害を生じるリスクが増すので、定期的に変更し、より難しいPWを入れろと言います。

　例えば単純に同じ数字やアルファベットを連打して4～8文字のPWなどは、コンピューターが総当たり式に試した時にヒットしやすくなるというのです。

　PCやらiPhoneで、簡単にインターネットにアクセスし、買い物・資金決済をしたり、銀行などの口座移動すら瞬時にできる世の中であります。サイバーテロ、スキミング、フィッシング詐欺や特殊な犯罪など、想像もつかない無数のリスクにさらせれていることは常に意識しております。

　しかし、決まった楽天やAmazon・ヤフオクなどの購入操作以外には、PCは使わないことにしています。モバイルバンキングとかFX・仮想通貨・株式投資などには手も出さず、iPhoneは、お金を動かすことには活用しません。もしワタシのiPhoneが他人様に渡っても、少なくともそれでクレジット決済やら現金代わりに使われる懸念は無いのです。

　そこは　君子危うきに近寄らずであります