「コネと賄賂」の政治が横行していたのは、江戸時代徳川家治将軍の老中であった田沼意次の時代だ。
意次は小姓から昇進を遂げ側用人、老中となった。
この時代には飢饉や浅間山の大噴火などで世相は荒れていたため、意次は財政再建や商業資本の活用を政策の柱に掲げたのだが、結局賄賂政治に汚染されたものになった。
このところの自民党は上から下まで「コネと賄賂」に汚れたどぶ水のような政党になってしまった。
「コネ」と言えば、安倍前首相はアッキー絡みの森友問題、刎頸の友と言われた加計孝太郎絡みの加計学園問題があり、菅首相は長男に絡む総務省を巻き込んだ利益誘導問題だ。
賄賂と言えば、カジノに絡む秋元議員事件、さらには吉川元農水相事件がある。
さらには河井夫婦による選挙買収事件があり、さまざまな汚染水は自浄作用がないので溜まる一方だ。
菅官房長官に左遷された元総務官僚平嶋彰英さんは次のように語る、
「菅さんは、自分に徹頭徹尾従った人には人一倍の恩義を感じ、恩義に報いようとする。逆にもし抵抗すれば、干すという方だと思います。これでは公正であるべき人事がネポティズム(縁故主義)になりかねません」
「競争を重視しすぎるあまり、弱者へのまなざしが感じられないのです。ふるさと納税には、特産品の無い自治体もある事、一律控除で高額所得者が潤う弊害の問題もありました」
きわめて鋭い指摘である。
左遷されたという感情論に溺れずに、理性的に問題点を指摘している。そして役人としての「矜持」を深く心に秘めている。
自民党がここまで堕落してしまった以上、このまま自民党政権が続くことはこの国にとって不幸をもたらすであろう。
一度自民党は野に下り原点に立ち返るべきであろう。