九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

ウクライナ戦争の終結が見えてきた   文科系

2025年02月20日 10時50分05秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
 トランプが、ウクライナ抜きで対ロ停戦交渉を始めた。日本人でも当然、この態度には怒り心頭の投書などが続いている。ただし、その理由をトランプはこう叫んでいる。
「ゼレンスキーは、大統領選挙をどんどん延ばして居座りを図っている独裁者である」
 居座りを図るだけでなく、独裁者らしく軍部とも数々の確執を生み出して、司令官などの「首のすげかえ」を数々引き起こしてきた。

 さて、2022年にこの戦争が始まった時にここに載せた二つのエントリーを今改めて再掲したい。ロシア侵入が突如始まったときに書いた物だ。この戦争の人類史的重要さから、どうしても総括が必要と考えるからである。なお、トランプの停戦条件は、ナト加盟なし、東部一部地域にはウクライナは手を出さない(暫定的な独立を認める)の二つになるようだ。この大昔の2014年から続いて無数の死者を出し続けてきたウクライナ東部の内戦もきちんと終わると良いのだが、あの地区のウクライナ側に多かったネオ・ナチ(と戦前に、日本外務省も呼んでいたアゾフ連隊らのこと)の一群も静かにしていると良いということだ。


『 歴史的戦争犯罪と一つの謎  文科系  2022年3月1日

ウクライナ問題見通しでは、僕がここに書いてきたことは完全に誤りとなった。ロシアがウクライナに侵攻することはないとずっと述べてきたからだ。ロシアは、今後長きに渡って取り返しがつかぬと思い知らされることになる重大な国際戦争犯罪を犯した。そもそも、このロシアの戦争は、その原因であるとロシアが述べてきたはずのウクライナのNATO加盟を正しいものであったと事後に証明したことにしかならないではないか。それほどに、ロシアという国が国際的無法戦争国家だという証明を、この戦争がしたことになる。また、今時こんな無法戦争ができるほどに、ロシアがプーチン独裁国家だとも証明したことになる。
 ただ、この戦争勃発にはサッカー選手本田圭佑もネット論議を呼んでいたように、ロシアにも長く居た彼は、事前にこう述べていた。
 『 プーチン大統領の記者会見を見たけど、もうウクライナがNATOへの参加拒否するしかないなという感想。僕が知ってるロシアのリーダーってのはここからの交渉は一切通用しない。「解決のために窓口は開いてる」というのはウクライナがNATOへ参加しないという1択しか受け付けない窓口やと思ってる』
 この同じ事を、元外務省国際情報局長・孫崎享もそのネット記事でこのような歴史的解説をしていたのである。
 『ウクライナ問題の根幹は①ウクライナのNATO加盟問題と②「ドネツク」と「ルガンスク」の独立問題。西側が真に沈静化を望むなら、かつて米独が約束した通りにNATOを東方に一段と拡大しない、ウクライナへの加盟は露の理解得られるまで棚上げと約束することだ。』
 さて、今回ウクライナは、本田の言うように、どうして対ロ約束を破って加盟しようとしたのか。さらには、ゼレンスキー大統領は、開戦前夜の最後までこのふたつのことをどういう根拠で述べていたのか。
「NATOには加盟する」
 「ロシアの侵攻は絶対にない。あるという人はその証拠を見せて欲しい」
 今となっては、元俳優であった政治素人のゼレンスキーが、誰かに「侵攻はない」と信じ込まされていたとしか思えないのである。僕もまた、このゼレンスキーの見方に賛成だったことになるのだが。
 そして「東部でいくらいざこざを起こしても、ロシアは攻めてこない」と、盲信していた
 
  戦争を起こしたロシアが歴史的な戦争犯罪を犯した。が、それは前提として、ウクライナはどうして、国際的約束通りにNATO加盟棚上げを継続すると改めて表明し直さなかったのか。今となっては、これだけが明確に戦争を避ける道だったのだけれど。』


『 騙されたウクライナ大統領  文科系  2022年3月13日

 3月1日のエントリー「歴史的戦争犯罪と一つの謎」にも標記のことを書いたのだが、この内容は今一層確かなものとなった。ウクライナ大統領は今になってロシアの交渉条件を呑むと言いだしたのだから。NATO加盟を延ばし、ドンパス地方の一定の独立性を認めようというように。今これだけの譲歩をするというのなら、ロシア侵攻以前にどうしてこんな言葉、方針を表明し続けていたのか。1日エントリーに書いた問題部分を改めて抜粋する。
『 さらには、ゼレンスキー大統領は、どうして最後までこのふたつのことを述べていたのか。
「NATOには加盟する」
「ロシアの侵攻は絶対にない。あるという人はその証拠を見せて欲しい」
 今となっては、元俳優であった政治素人のゼレンスキーが、誰かにこう信じ込まされていたとしか思えないのである。僕もまた、このゼレンスキーの見方に賛成だったことになるのだが。「ウクライナがNATO加盟を図っても、ロシアは攻めてこない」 
  戦争を起こしたロシアが歴史的な戦争犯罪を犯した。が、それは前提として、ウクライナはどうして、従来の国際的約束通りにNATO加盟棚上げを継続すると改めて表明し直さなかったのか。今となっては、これだけが明確に戦争を避ける道だったのだけれど。』

 これと同類の歴史的事件って、日本も起こしたと記憶している。太平洋戦争前夜に日本が中国南下から仏領インドシナ進出に打って出た時、アメリカの出方を見誤ったという事件があった。これが、アメリカの対日石油禁輸措置を呼び、そこから「じり貧を避けた乾坤一擲・真珠湾へとまっしぐら」になっていったという事件である。』
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「安倍晋三元首相の暗殺問題」  文科系

2025年02月17日 17時18分26秒 | 国内政治・経済・社会問題
 以下は孫崎享著「私とスパイの物語」から、抜粋した疑惑内容である。なおこの本は、著者の英国陸軍学校(へ外務省から派遣された)時代から外務省国際情報局長などを経て防衛大学校教授時代までの各時期に出会ったスパイのことを描いているが、表題のことは最終章の防衛大学校教授時代の章に記されたもので、銃撃当日の治療に従事した奈良県立大附属病院での福島英賢教授の記者に対する説明によって生まれた疑惑を書いている。

『(教授は、)「頸部前の付け根付近で真ん中より少し右に2つの銃創があり、一つは左の方から貫通して出たとみられる」と説明していた。』
 以下、教授と記者の質疑応答では、こんなことが明らかにされている。
『背後から銃撃を受けたという話があるが、傷は前側に付いていた?
「はい、前頸部です。後ろに傷はありませんでした」

『2発とも前から入って、片方は左肩にというのは、左側の後ろということですか?
 「前というのは場所が前であって、どういう方向で入ったのかは、横からかも知れません。ただ、傷は前にあった」 
 射出口とみられる傷は、後ろ側なんですか? 「左肩の前の方です」(中略)
 今のところは、入ってきた部分が頸部のどちらかの傷で、最終的にはおそらく心臓と肩口から1個ずつ出ていったように見られるということでよろしい? 「今のところはそう考えていますが、また専門家が見られると違うかもしれません」』 

 なお、犯人とされた山上は元首相を後ろから撃っているのである。国民殆どが「テレビ画面の射撃映像」を見て、知っているように。だからこそ、記者らの質問が厳しく出されたということだ。ちなみに、死因はもう一つの弾丸が心室を突き抜けて起こった失血死と説明されていた。

 ちなみに、この本についての大きな書評になるが、孫崎の今の政治的立場は、アメリカ外交と、これに従属した日本政治とに反発して確立されたものであるようだ。イラク戦争など、アメリカの謀略工作などを知り抜いているからこそ、確立された態度なのだろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「日本プロ野球は興業」  文科系

2025年02月12日 15時15分15秒 | スポーツ
 横浜とソフトバンクの日本シリーズ? 日本プロ野球も苦労しているねー。なんせわずか12チームが二つに分かれて毎日試合してるんだから、一つでも人気の無いチームが出たら、リーグ全部が沈没だ。そこで、こんなことが起こる。ずっと弱く人気の無いチームも時々脚光を当てなきゃ、全体が全部沈滞していくから、クライマックス・シリーズとかも使って、持ち上げる。福岡はともかく、横浜と日本ハムね。そして、「横浜の日本一」??? 横浜の後半四連勝の福岡の得点は1,0,0,2?? これらは全部、スポーツゲームというよりも、興業行事なのだという証明になると思う。

 なんせ、日本プロ野球史上有数の名監督・落合をどこも監督にするところがなかった日本野球界だ。あれは明確に、中日が先頭に立って興行的理由でやられてきたこと。落合が強くした選手達の給料が払えなくなったからだ。落合はまた、親会社の中日新聞社も含めて、マスコミ嫌いが徹底していたし。日本プロ野球がスポーツと言うよりも興業であることが示されている。
 サッカー界であれば、落合のような監督は大人気の引っ張り合いになったはずである。ペップやクロップを日本代表監督にしようとしたら、何十億かかるだろう? つまり、日本プロ野球がスポーツ界であるならば、落合にはそんな値段が付いたはずだ。そんな監督を、どこも呼ぶチームがなかったなんて、スポーツの世界としては信じられないことである。

 ちなみに、これからのスポーツマスコミは、「サッカー人気落とし」にどんどん傾いていくのではないか。ナンバーWEBなども含めて、サッカー界の醜聞がどんどんあげつらわれている。プロ野球界では上らないような細かいニュースまで(多分、もみ消されているのだけれど)が続々と出てくるのである。ちなみに、日本サッカー世界の映像が、ダゾーンに独占されて以来、日本サッカーは日本スポーツ・マスコミの敵になってしまった。以来、日本プロスポーツ(マスコミ)界の野球帝国主義の強さがさらに目に余るようになったのである。  
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1980年代からの「資本主義の変化」について   文科系

2025年02月10日 15時14分27秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 僕がこのブログなどで、「金融株主資本主義」などと批判してきたのは、資本主義一般についてではない。丁寧に読まれた方は、「需要サイド経済ではなく、サプライサイド経済批判なのだな」と受け取ってくださったはずだ。が、この内容が意外に多岐にわたっていて、理解しにくいものと考えていた。それで、以下の文章を書く次第だ。その内容は、ここでも書評紹介をしてきた「スティグリッツ教授のこれから始まる『新しい世界経済』の教科書」などから、受け取らせていただいた。

 ここの読者の方々は、こんな言葉と、語られ始めた時期をご存じだろう。
「大きな政府から小さな政府へ」
「福祉国家はもう終わりだ」
「規制緩和大歓迎」
 こういうことが大音声され始めたのが、1970,80年代から。この時にまず英米を先頭に起こったことはなんだったか。戦後世界経済を導いたケインズ経済からサプライサイド経済へと変化させてきたことだった。そこで実践され始めた理論方向は、スティグリッツによればこういうものだ。

「需要に焦点をあてるケインズ学派とは対照的な理論。サプライサイド理論は、税率の引き下げと事業に対する規制緩和でインセンティブを高めれば、労働や投資や起業の増加につながり、さらには雇用や所得や税収の上昇というトリクルダウン効果をともなって力強い成長につながると想定した。予測ははずれ、この理論は経済学者達からの信用をほぼ失うことになったが、一定の保守的な政治家や理論家のあいだでは今も好まれている」(P44)

 19,20世紀前半の世界恐慌(二つの大戦の原因にもなったものだ)を反省したケインズは、「国家が通貨を緩やかに増やすことによって、緩やかなインフレを起こせば賃金が上がり、需要が増えて恐慌が起こりにくくなる」と考えた。そして。この理論が戦後世界各国の経済を導いてきた。これが、20世紀後半に各国を悩ませたスタグフレーションを機に、サプライサイド理論が世界を席巻し始めたのである。これが世界を席巻し始めたと、上記の文章後半のようにこういう事態が起こったわけである。
「税率の引き下げと事業に対する規制緩和でインセンティブを高めれば、労働や投資や起業の増加につながり、さらには雇用や所得や税収の上昇というトリクルダウン効果をともなって力強い成長につながると想定した」
 ところが、この供給サイド経済が実際に生んだのは、低賃金や不規則労働に、数々のバブルだったのである。住宅バブル、ITバブル、アメリカと世界をいったん沈没させたサブプライムバブルなどなどで、株の空景気はあっても、麻生、安倍など政府首脳がいくら「賃金上げて」とかけ声だけは叫んでも上がることはなかったのである。株価にしても、長期に会社の力を高めるような株主よりも、短期株主が「食い逃げ」「逃げた後は空っぽ」を旨とするような時代がやってきたのだった。金融利益は課税されず、知的財産権、貿易協定、医療制度なども独占を勧めるばかりで、庶民の役には立っていないどころか、庶民から搾取する制度に堕していったのである。一例として普通の銀行と投資銀行との区別などを排するいわゆる規制緩和は、世界的大独占のためにはなっても、庶民には害にしかならなかった。典型はサブプライム住宅を2000年代中頃までに買った人々。バブル弾けで、その持ち家さえ奪われた人も多いのである
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「この国のかたちを見つめ直す」書評として、対英米開戦の決断史   文科系

2025年02月09日 13時17分52秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
 毎日文庫のこの本は、学術会議会員推薦名簿で任命が削られた日本近代史学者・加藤陽子が書いたもの。その本の開戦、および 天皇の戦争責任に関わる部分を抜粋して、書評に変えたい。

 先ず、よく言われる「英米との国力の違いは知っていたろうに、どうしてあんな戦争に無謀にも突入したのか?」
 『1941年夏、当時の南部仏印(フランス領インドシナ南部)に進駐した日本軍の行動に対し、石油の対日全面禁輸で米国が応じたことはよく知られた史実だった。この時、日本側の目の前にあった選択肢は二つ。①避戦に努めるが、2,3年後に石油の備蓄は確実に尽きる石油の備蓄は確実に尽きる、②開戦すれば極めて高い確率で日本は負けるが、極めて低い確率ではあるがドイツの英国本土上陸作戦が成功し、米国が日本との講和に応ずる可能性はある。当時の日本は、この②の方の選択肢に賭けた。起こる可能性が非常に低いとわかっていても、人は損失がゼロになる選択肢の方を選ぶ』(p335)
 この記述内容にちなんで、この本の全く別の所に、こんな解説になる物が記されていた。牧野邦昭著「経済学者達の日米開戦」の紹介として。
『1941年10月末から11月初めの大本営政府連絡会議において、物的国力判断がなされたのはご存じだろう。都合のよい数値を並べた企画院や軍部の主張が勝ち、開戦が決定された。この経緯を知る者は、石油1対777といった日米の格差を会議の席上で開陳し、数値を用いて無謀な開戦を阻止しようとした機関などなかったのか、と誰しも思うだろう。』
 と、こう書いた上で、陸軍省戦争経済研究班(秋丸機関)の報告内容をこのように紹介していく。
『だが、と著者は言う。報告書の結論、英米経済力の弱点を船舶輸送力と見、大西洋上のドイツによる船舶撃沈量を月50万トン維持できれば、枢軸国にも勝機はあるとの結論などは、当時の一般雑誌にも普通に掲載されていた常識的な議論に過ぎない、と断ずる。・・・・日本側は正確な情報を掴んでいた。そのうえで行動経済学の知見は次のように教えると著者は言う。現状維持の選択肢と、開戦の選択肢が並ぶ時、国際環境の変化などによるわずかばかりの可能性がある場合、人はリスク愛好的な方を選ぶという。開戦を選ぶのだ。』(P316)

 さて、この開戦決断について、天皇の関わりはどうなっていたか。その関連の記述を見てみよう。いわゆる御前会議においては天皇は発言しないと書いた上でこんな記述が続いている。
『一方、統帥用兵の意思決定の場である大本営会議の様子は異なっていた。陸海軍の将官と天皇が臨席する大本営会議では、天皇からの発言を歓迎する旨、軍部側が要請した事実が、(昭和天皇)実録の1937年11月27日の条で明らかにされている。政府の前では沈黙し、軍部の前では発言を許された、対照的な天皇像が鮮やかに浮かんでくる。』(P290)
 このことの結果なのだろうか、日米交渉が開戦ギリギリの時点において、陸海軍トップ二人の「交渉継続か開戦準備かいずれを優先しますか」との質問に対して「開戦準備優先」という方向を最終的に命じたのも天皇であった。この場面については、このブログでずっと昔から書いてきたところである。例えば2010年11月22日エントリーがその一例だ。
 ちなみに、投稿日が分かっているエントリーはこう出す。ブログ右欄外の今月分カレンダーの下に年月スクロール欄があり、そこの「2010年11月」をクリックする。すると、直上の今月カレンダーがその年月の物に変わるから、そのカレンダーの「22日」をクリックする。すると、エントリー本欄がその22日分だけに替わるから、お求めの物をお読み願える。



コメント (11)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「三苫がサウジ」? 僕は、一笑   文科系

2025年02月07日 17時54分50秒 | スポーツ
 ちょっと前にこんなニュースが出たが、僕はこれを一笑、「いくら大金積まれても、ありえない」と。
 長いサッカーの世界歴史には、いろんな伝統、そこから生まれた「格」と言うものがあって、その知識からのことだ。これは例えばここで僕が「ネイマールのプレミア行きはもうあり得ない」とバルセロナ時代から語ってきたのと同じ種類の知識からのこと。ネイマールの場合は、「ネイマール!」と名付けられたシミュレーション癖がイングランドでは徹底的に嫌われるからである。よって、あの大選手が「大金積まれてサウジへ」と言う結末。
 三苫の場合も、同じこと。日本人選手が皆「行く末プレミアに行きたい」というのも、野球選手が巨人に憧れるのと似た心よりも遙かに強い、世界的な心なのである。巨人とロッテから引きがあったら、金は多少安くとも巨人を選ぶというようなことよりもすっと強い心なのだ。
 プレミアへ行きたい日本人選手はすべからく、ちょっと当たっただけで痛そうな素振りをして倒れていると言った「プレー」はしないことである。これが嫌われることは、セルティックへ行った日本人達でも皆知っている。スコットランドにも、イングランド・サッカーの伝統が強く残っているのである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

孫が僕の杖になる  文科系

2025年01月24日 06時17分59秒 | 文芸作品
 近頃、僕の老いが凄く進んでいる。
「ステージ2か3の膀胱癌、全摘出しないと、そのどちらかも分からない」
 そんな憂き目にあって以来2年4ヶ月。長年励んできて、術後の長い入院生活中からきちんと復活させてきたランニングも2年弱ほど前に禁じられてしまった。走ると、ストーマ・人工の尿袋に血が混じるようになったからだ。腎臓からストーマへ尿を導く尿管に入っているカテーテルがこすれて起こる出血と言われた。
 運動・筋肉と脳との良(悪)相互作用循環関係は今や周知の科学的事実と証明されているけど、頭脳の衰えにも悩まされて意気消沈の昨今だ。いわゆる物忘れとか、文章創作などに関わる創造力、集中力の枯渇とかの形で。そんな84歳になる今、4年生の男孫に救われることが次第に多くなっている。

 ある日、注文された即席ラーメンを作って、食卓へ持って行ってやると、こんな言葉を返された。
「ちゃんと火を消した?」
 これは、最近の僕と婆とのやり取り大騒ぎの一つをよ―く聞いていたものだなーと、驚いたこと! そんな失態場面から爺婆の間でいくつか繰り広げられたその一つに出くわして、彼が目を皿にしていたにちがいないのである。なんせ、その口調までが婆に似ていたのだから。早速ガスレンジにとって返したが、消えていると告げつつ、僕は彼の目を見直したものだった。

 さて、こんな孫に救われることも多いのである。たとえば、僕が最近買った自転車のワイアー錠を彼が弄っていて、こんなふうにつぶやいていた。
「これって確か、ジイの誕生日だったよね。5月24日だから、0524っと。ほら、開いた!」
 この様子を端から見ていて、僕はもう、大喜び。自分が設定した開け方の番号を忘れてしまって、大枚3000円で買った頑丈なこれを「もう捨てるしかない」とがっかりしていたその翌日の「0524」だったのだから。彼は例によって、この番号を決めたときに僕の独り言・言動をそばで聞いていて、覚えていたにちがいない。「なんたる記憶力! なんたる幸運!」。そういう素振りが間違いなく彼には伝わったろうが、その意味まで伝わったかどうかは、分からない。僕はさりげなくまた番号を合わせて、ワイアーをほどいてみたもの。今後に家族誰かの誕生日を忘れたときなどは、こっそりと彼に聞くことにしよう。 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「フジにもハゲタカ?」と疑心暗鬼  文科系

2025年01月21日 09時39分32秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 フジテレビ親会社の株が、急落から急騰。アメリカのファンドが、日本中の大会社広告が逃げる中で、爆買いに入っているのだそうだ。即座に疑心暗鬼、例の「ハゲタカ」? 「物言う株主」でも「アクティビスト」でもよいけれど、「人の命が懸かったような株の買い占め」など、もーご免だ、いい加減にしてくれ。短期資金ならぬ、長期展望に基づく買い占め説もここではおおいにありうるだけに、そうとしてさえ、もういいかげんにしてくれ! 経営者が一夜で替われば、そこに働く人々に良いわけがない。日本人は「フランスからゴーンが来日産に日産に何が起こったか、よーく知っている。世界には物言う株主で一時持ち直した例も多いのだろうが、「株主資本主義」こそ、今や、英米凋落の最大原因。この凋落の穴からこそ、トランプが生まれたことも知っている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「トリクルダウン」はどこ行った?  文科系

2025年01月20日 10時45分30秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
「イーロン・マスクやビル・ゲイツ、ジョフ・ペゾスなど、大金持ちが出れば、そこから下層へ滴り落ちる金もあるから」と擁護論付きで暴走されたのが、株価・株主資本主義経済。ところが、このやり方でもアメリカは今や、中国にケチョンケチョン。物作りも労働者に与える職場も、予想外にどんどん奪われてしまった。「こんなに早く物作り、労働者の職場が中国に奪われるなんて、驚きの予想外」と口をあんぐり! 米識者は反省しているが、怒ったのが米の白人失業者、低所得労働者達。これが今、トランプの最大支持基盤になっている。かくしてますます、米既成支配層は憎まれっ子で、民主党は凋落。トリクルダウンなどいまや、誰も信じてはいない。要は、学問的空約束、学問的詐欺だったのである。トランプは、関税など保護主義でもってアメリカに職を作ろうと、自由主義経済など放り出してしまった。それで、円安日本ははて、どうするのか?

 ならどうする? ケインズのような需要サイド経済学を取り入れるしかないのだろう。この間、供給サイド経済が世界を荒らし回ったのだから。日本住宅バブル、リーマンショック、イラク戦争だけではなく、ウクライナ戦争、イスラエル戦争にも、これの影がちらついている。このこともまた、ますます明白になっている。新自由主義経済を先行率先したイギリスが、ガタガタになって、イスラエル、ウクライナに命運をかけているやの姿も、なにか象徴的ではないか。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

近況報告に換えて、読書ノート   文科系

2025年01月19日 13時45分39秒 | 日記
 こういう年賀状を書いた。
「お元気でしょうか。今年もお互い元気でと願っています。
 22年9月に癌で膀胱摘出、23年5月に復活成功のランナーを断念、以来、ギターと同人誌、孫の世話という生活。ギター教室通いは20年を超えますが、去年の発表会で初めて普通に弾けました。今は何度目かの『アルハンブラ』に苦闘中です」

 ランナーについては、9時間に及ぶ大手術の後色々あって、感染症もおこった半年に及ぶ入院生活中からリハビリ運動を頑張って、23年5月には以前と同様に10㎞ほど走れるようになったけど、走ると人工の膀胱袋、ストーマに血が混じるから医者に止められたのである。以降は、ギター練習の比重がどんどん上がってきたと書いたわけだ。ちなみに、ブログと同人誌の文章書きがちっとも進ま なかったのは、その「力」がでなくなったというか、無くなったような感じ。「そういう能動性、探求力」が無くなったようなのだ。まるで自分の性格か能力が全く変わってしまったように。ランが自分の能力、性格などに与える好影響は知り抜いていた積もりだが、これがなくなったことから以来その悪影響の大きさに打ちのめされているという感じなのである。
 なお、孫の世話というのは、我が家では連れ合いではなく僕の分担になっているのである。いつの間にかというか、自然にそうなっていた。

 ただこの間に読書はしていて、最近はこんな本を読んだ。
 「スパルタ 古代ギリシャの神話と実像」(長谷川岳男著、文春新書)
 「一外交官の見た明治維新」(アーネスト・メイスン・サトウ著、講談社学術文庫)
 「イスラエル軍元兵士が語る非戦論」(ダニー・ネフセタイ著 集英社新書)
 「スティグリッツ教授の これから始まる『新しい世界経済』の教科書」(徳間書店)
 ここブログの日を設けてそれぞれの書評、いつもの内容紹介を書きたいところだが、ごく簡単に今ここにも書いておく。

・「スパルタ」は、とても面白い本だ。アメリカ映画にもなった「テルモピレイの闘い」を象徴的中心において、この国の特徴を歴史的に描き出している。この闘いとは、レオニダス王と300人のスパルタ兵がアケメネス朝ペルシャの大軍相手に健闘・全滅したものだが、同じギリシャ対ペルシャの闘いとして有名なマラトンの闘い(マラソン発祥の由来故事)の10年後のことである。「スパルタ教育」の元祖が展開、解説されている本である。

・イングランド外交官が書いた「明治維新」は、知る人ぞ知る有名な明治維新第一次資料のようだ。なんせ「サトウ」と引くだけで旺文社「日本史事典」にこの人物と著作が載っているのだから。とはいってもこのサトウは日英混血なのではなく、そういう英人の名があるということだ。650ページという文庫本ながら、英国が絡んだ生麦事件、薩英戦争、薩長戦争、そして大政奉還など、日本が激動した1860年代の諸事件が体験談として詳しく展開されているし(ちなみに、現在日本学会の明治維新論記述は1853年の「ペリー来航」から始まる)、坂本龍馬を除いて薩長土肥の有名人物が、面談した人々として全部登場しているのである。

・「イスラエル軍兵士」は、希有かつ貴重な本である。現在日本女性と結婚して3子をもうけて日本に住んでいる元イスラエル空軍一兵士のイスラエル国解説、反戦の書である。イスラエルという国が戦前日本に見えてくるのも、著者が日本に接近した理由の一つではないかと思えたものである。

・ノーベル経済学賞受賞者スティグリッツのこの「教科書」本は概要をすでにここで紹介していて2度目の読書になるのだが、是非詳しい紹介を書きたいと思って再読し始めたものだ。株価・株主経済批判の書と言って良く、度々起こるバブル弾けのときの「大きくて潰せない」批判の書と言っても良い。日米ともに給料が安くなって深刻な需要不足が起こっているからこそ供給サイド経済はもうダメだと述べている。

 長くここにご無沙汰していて、申し訳なかったが、上に述べた理由によりご勘弁を。そして、今後もここをご愛顧をと、お願いする。身体の急な衰えは、頭脳にどれだけ影響するかということで、ご容赦願いたい。書くテーマを思いつかず、思いついて準備に入っても焦点がはっきり出来ずもやーっとしたままなのである。もっとも、今年84歳になる老人としては、自然の成り行きで、ランニング力含めて今までが異常だったのかも知れぬ。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「USスチール」、日鉄頑張れ!    文科系

2025年01月07日 09時42分11秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 日鉄のUSスチール買収問題にアメリカ政府が反対を決めた。「アメリカの安全保障問題として、不承認である」と。ことは、アメリカの鉄鋼別企業と日鉄とが買収合戦をして日鉄が勝ち、USスチール自身もこれに乗っていると言う問題なのだ。自由主義経済の自由競争商談結果に対して、政府が制止に動く。アメリカ自身が世界に対して散々やってきたことを、他国がアメリカに仕掛けたら、これを妨害するというのである。それも、経済法律自身では止められないから、別趣旨の法を持ち出してきた。トランプ流の不当関税政策と同じやり方だ。これに対してカナダの首相は、その首をかけて抵抗しているというのに、その上を行くバイデン政権の所業である。

 この問題はアメリカ政府の最新世界政策が絡むから、大変難しい。21世紀のアメリカは、自由競争で中国に負け、「その負け方が予想外に急激であって、アメリカ労働者の職場がどんどん無くなった」と言う事実に衝撃を受けている真っ最中だから。こんな反省があるから、USスチール問題は大変難しい世界最先端難問なのだ。そうであっても、現在の法は法。日鉄が、US買収競合会社と全米鉄鋼労働組合とを訴えたのは、当然のことだった。

 とはいえ、この課題は、トランプ政権に移ればさらに限りない難問に移行するだろう。「MAGA」を豪語する彼は、彼のディールで慣れ親しんで来た強迫というやり方に打って出るにちがいないから。ただし、その強迫が安全保障問題に発展していけば、日本だって強みはある。在日米軍思いやり予算がその一つだ。日本政府も頑張れ!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

人類痛切の歴史的教訓、「戦争への一里塚」  文科系

2025年01月05日 10時07分50秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
 日鉄のUSスチール買収阻止にアメリカ政府が乗り出してきた。トランプ政権になればこの姿勢はさらに強硬になっていくだろう。トランプはさらに、アメリカ高関税設定に関わって諸国を脅しているのだから。ここまで他国に迫り続けてきた「自由主義経済の旗手」が聞いて呆れる所業の数々だ。
 さらには、14年にウクライナ問題によってG8から追い出されたロシアがBRICS強化に励み、そのG7はウクライナ、イスラエルを熱烈擁護している。この二つの戦争では、諸国に憎しみ合い・分断の連鎖がどんどん増幅されていく真っ最中だ。
 こうして、世界諸国の経済分断、友好分断、ブロック化が異様に進んでいるが、「世界の経済分断は、戦争前夜、戦争の前提」ではなかったのか? この命題は、二つの世界大戦などから人類が痛切に学んだ遺訓だったはずだ。世界一致の場・国連は、あからさまに無視され始めている。ちなみに、イスラエルが国連職員を何百人も殺しているというのは、世界周知の事実である。国連のような組織が強化されねば、地上から戦争はなくならず、核兵器使用の恐怖も増すばかりというのも、人類が20世紀に学んだ教訓だった。

 と、こんな歴史知識はとうにご存じのはずのマスコミも、世界の感情的分断をどんどん増幅させているやの昨今である。世界史的知識など端から期待できぬ最近の貧素な政治家らはいざ知らず、昨今のマスコミは「世界分断・憎しみ合いの連鎖」を無自覚に報道、増幅するばかりしていてよいのであるか?

 ここでもう一つ、気になる世界分断をあげたい。宗教分断もどんどん強化されているのではないか? トランプの支持者最大勢力の一つがキリスト教・福音派だということは、今や世界の知る人ぞ知っている。福音派もユダヤ教徒も信じている旧約聖書とイスラム教徒との分断が「影で進められている」のではないか。それも意外に深く深く。トランプの最大助言者・娘婿クシュナーは、イスラエルの熱烈支持者だとも聞いているし。宗教者こそ、世界分断に抵抗すべき存在だと思うのだが。人間を神の似姿と見るならば。なおさらのことではないか。

 今人類は、20世紀二つの世界総力戦と、国連創出とから生み出された歴史的教訓を改めて思い出すべき時である。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

イランなどアラブの命運に関わって   文科系

2025年01月04日 13時50分56秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
 新年おめでとうございます。長いエントリーなしへのお詫びとともに、そう申し上げます。

 探していた内容の記事が見つかった。パレスチナ関連のシリアに関わる記事だ。以下の記事は、イランを含んだアラブの命運などがうかがわれるものだ。
「マスコミに載らない海外記事」のニュースを見ていると、シリア崩壊の状況がやっとよく分かった気がする。アサドらの「裏切り」というその背景に始まる、シリア一司令官の「シリア崩壊とこれから」についての談話は、現在深刻すぎるパレスチナがらみでもあって、世界が知るべきことと思った。この司令官の名前は伏せられて、ラムと言う偽名が使われているが、その一部を抜粋しよう。西側の記事では、パレスチナ、ウクライナの情勢は全く何も分からないと教えてくれたものである。


『 ソレイマニ、ライシ、ナスララ。誰かが裏切ったのだ

 「2020年に、私が若い兵士として知っていたソレイマニ将軍(イランの革命防衛隊司令官だったが、イラク政府に招待されたバクダッド空港でドローンで爆破暗殺された)がアメリカの悪魔に殺された時、何かがおかしくなり始めているとすぐに感じた。彼は単なる将軍以上の存在だった。彼は真の人間で、指導者で、生きた模範だった。残念ながら、彼の後、抵抗枢軸には、様々な国や宗教や民族の何千人もの兵士を同じように調整できる兵士がいなかった。これは非常に大きな戦略的不利だった。」我々は抵抗枢軸の歴史を簡単に振り返り、中東全体への地政学的影響について一緒に考えた。

 「ライシ(去年5月になくなったイラン大統領)の死を聞いた時、信じたくなかった。あり得ないことのように思えた。その瞬間から、全てが悪化していった。私は毎日、更に恐ろしいことが起こるかもしれないという恐怖を抱きながらニュースを見ていた。そして実際に起きた。ヒズボラとハマスの指導者全員が次々と殺害されたのだ。」それは悲劇的真実で、私にはそれを確認することしかできなかった。

 敵がレバノン抵抗軍の軍事指導者を次々抹殺した速度は信じられないほどで、CIA、MI6、モサドなどの機関が素晴らしい仕事をしたことを証明している。これは議論の余地のない事実だ。数か月間に、中東の政治地理全体が、何年も試みても成功しなかった変化を経験したのだ。

「ナスララ(レバノンのシーア派組織、ヒズボラの書記長。去年9月イスラエルの空爆で死亡と、発表された)のバンカーの座標を知っているのは誰だ? おそらく世界で3人、ハメネイ、ソレイマニ、アサド。ハメネイは裏切るくらいならライフルを手に死を覚悟しているはずだ。ソレイマニは既に排除されている。残るのは一人だけだ…」。この言葉を聞いて私は口をあんぐり開けた。この司令官は大統領の悪口を言ったことはなかったが、政治的に全てを支持しているわけではないことは知っていたが、国全体の利益のために常に指導者の戦いを支持していた。怒り、失望、痛みが真実の言葉を引き出した。賭けではあったが、真実だった。

 なぜなら、未解決の大きな疑問の一つは一体「誰が」ナスララの正確な居場所を明かしたのかということだ。諜報員? スパイ? 金で手に入れた情報? それとも裏切り者? 事実ナスララはもういない。そしてラムの言葉によれば、これは次に陥落するのはレバノンで、その結果、パレスチナは世界中に散らばった最後のアラブ人の記憶の中にしか存在しなくなることを意味する。

 「数日のうちにシリアは陥落した。なぜならシリアは既に国を裏切った支配者連中の意のままに陥落していたからだ。7万人の兵士が数時間で移動し、軍用車両ではなくタクシー(高額な費用がかかる)に乗ってイラク国境に向かった。全て計画通りだった。この侵攻で銃弾は一発も撃たれなかった。これは私が知るシリア軍ではない。この『もの』は品位のない倒錯だ」

 彼は後ろの写真を指差した。軍服を着た兵士がちらり見えた。兵役に就いた際に両親に送ったはがき写真の一枚だ。「あそこの22歳の青年を見てくれ。喉を切り裂いたんだ」。彼は数分間固まり目には涙が浮かんでいた。それは彼の親しい友人の息子だった。
  
これから何が起きるのだろう?

 ラムは、これからの数日、数週間、数か月について話す気はない。アラブと世俗シリアは、もはや存在しない。敗者の言葉にはほとんど価値がない。

 「最近、考えられないようなことが起きている。とても生々しいことなので、このことについてメディアは何も報道していない。70年間の民族的、文化的、宗教的憎悪を想像願いたい。彼らは報復しているのだ。この言葉を発するのは、ほとんど恐怖だ。彼にはイスラム教聖職者の兄弟や甥や姪が何人かいるのを思い出し、少し心配しながら、彼らはどうなのかと尋ねると、彼はこう答えた。「親族をシリアから連れ出そうとしているが、12月8日以来、連絡すら取れない。あの土地の何千人もの人々が受けている悲劇だ。」

 約一時間続いた会話の締めくくりに、ラムはあえて、ほぼ「予言的」予想をした。「私はこう言いたい。昨日はパレスチナ、今日はシリア。明日はレバノンが永久に陥落する。そしてイエメン。イエメンとレバノンが陥落したら次はイランだ。その間には何も残らない。イラクはアメリカ武装集団に包囲されたガソリンスタンドで、簡単に陥落する。トランプ大統領はイランを破壊する準備ができている。既に諜報機関はこれを知っている。ハメネイが死ねば、イランは崩壊する。」数秒の沈黙。ハメネイは、最後に残った「世界的」イスラムの権威で、抵抗枢軸最後の後援者だ。

  「次はロシアの番だ。過激主義の匂いを漂わせた何百万人ものスンニ派イスラム移民が既にロシア都市の街頭にいる。無差別に入国させた国は、その悪影響を味わうことになるだろう。次はローマの番だ。その次は北京の番だ。『長ひげ』連中が赤の広場やサン・ピエトロ広場に行進してくる日を私は待っている。その恐ろしい日が来る前に死にたい」』
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

論争における「義」とプライド  文科系

2024年12月25日 09時31分52秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 同人誌の編集長を長くやっていて、文章編集に携わっていると、いろんな「修正すべき」「難点」に出くわす。これが、細かい字面の問題というだけなら良いのだが、作品全体のテーマそのものに関わる「焦点箇所」の表現において、不十分を通り越して、「誤解される」とか「意味が伝わらず、作品がおおぼけ」とかの言葉選びがあったら、本当に当惑する。そんな場合は作者自身も作品テーマである問題の性格を正しく把握していない場合も多いのだし。「修正など一切無用で、プライドが強い?」と分かっている筆者には、当惑など捨て去って手直しなんか端から放棄しているが、それこそ「義」を受け入れうると分かっている人の文章は、時間が無かったりする時無断で変更することがある。この場合の相手のプライドという表現が良いかどうかは分からぬが、これはとにかく大変厄介な場面になっていく。これに対する言葉も色々探してみたが、義という用語が最も相応しいから使おうと思い立ったのである。

 さて、形式論なら「無断修正」が誤りとは、誰にも分かる。が、内容上どうしてもたまりかねてとか、毎月の編集となると断りの時間も無かったりするので、そこに「義」の登場である。ちなみに、付き合い六四年になる僕の連れ合いが「途方もないプライドの人」なので、色々苦労して見つけた関係の言葉だ。義とは、しっかりした美しい正しさというような意味である。
 近頃は、安倍晋三のような馬鹿な政治家よろしく理屈で負けかけることが多いかして、「上から目線」とかの遠吠え「批判」に逃げこむ「プライドだけの人」も多く、「『上から目線』大大流行時代」とさえ言える。が、義のある正論を通さねば、安倍の周囲のように馬鹿を放置することになってしまう。上からでも下からでも義のある正論は正論だろう。逆の「村社会における中身なしの上から押しつけとその受け入れ」を素直・美徳という風潮が強い日本だからこそ、対話における「義」は大切にしたい。「社畜全盛」日本は、義が吹っ飛んでいる習慣も多いのである。「上意下達と忖度」の日本・・・。



コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サッカー談義、鄭大世の誤り  文科系

2024年12月19日 09時21分25秒 | スポーツ
 今年のJリーグは、リーグ新参・町田の大健闘に町田ファンでなくても熱狂。他方、町田へのやっかみか、わざとのような非難も多く出た。合法なロングスローへのわざとらしいそれ。その際の「ボールへ水かけ」は文字通り非難された。また、世界的に強烈プレス時代というのに、町田のプレスはことさらに非難された。そんな今、表記の通りに町田にも在籍した鄭大世(チョンテセ)がこう町田を擁護していることに対して、僕は批判してみたい。

「 元北朝鮮代表FWはさらに「サッカーしている人は『普通だよね』『激しくて当たり前じゃん』。でも、サッカーを知らない人が『激しすぎるだろう』『ロングスロー』みたいに言うんですよ。海外のサッカーを見たら、むしろ優しい」と指摘。こう本音を打ち明けた。 「引退したから言えるんですけど、ノーファウルでルール内であれば、相手を壊すことも考えますから。どんな汚いことをしても勝つのがプロだし、勝たなきゃいけない。(日本では)どうしてもマナーだったりルールだったりの意識が強い」  同氏は、日本代表が世界一になるためには、そういった意識や文化を変える必要性があると主張。「町田がこれだけ批判をされたのを見ながら、日本のサポーターはもっと考え方がアップデートされないといけないと思いました」と私見を締め括った。」

 ところで、この鄭大世の町田擁護論は、失礼ながら行き過ぎである。「ノーファウルでルール内であれば、相手を壊すことも考えますから。どんな汚いことをしても勝つのがプロだし、勝たなきゃいけない」
 チョンテセは一体、イングランドやスコットランドを知っていないのだろうか? 前田や古橋がちょっと長く痛そうに転んでいると、たちまち激しいブーイングが起こる国である。シミュレーションなどは、論外という国なのだ。だからこそ、バルサ時代からこのネイマールについて、僕はここでもこう予言してきた。
『ネイマールがいくら望んでも、イングランドには一生行けないだろう。あれだけ世界でシミュレーション・「ネイマール」が有名になってしまっては、ブリテン島には徹底的に嫌われる』
 ブラジル代表のエースといってよいあれだけのネイマールなのに、パリ・サンジェルマ長く長く在籍させた後は、アラブの高額オファーに選手晩年を費やすしかなくなったのだった。ネイマールがブラジルの習慣を出していただけであるのに対して、「どんな汚いことをしても勝つのがプロだし、勝たなきゃいけない」は通用しなかったのである。少なくとも、サッカー発祥の地、ブリテン島には。

 イングランドに行きたければ、日本選手もプレープレーマナーを振り返ることだ。「すぐ倒れる」のが習慣になっていれば、プレミアには行けない。このことを最もきつく知っている人物こそ、岡崎慎司である。彼の敢闘精神をこそ、チョンテセももっと注目すべきである。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする