花の色は雪にまじりて見えずとも 香をだにほへ人の知るべく 小野篁
梅の花に雪のふれるをよめる
2月の厳冬期に中途半端に暖かくなるのは案外厄介である。
身体の方はまだ冬ごもりで固まっている。気持ちだけゆるんでもかえってリスクが多い。
世の中に絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし 在原業平
しかし今年はコロナ過で桜をめでるところまでいかないようだ。
花見も自粛とか。なんと風情の無いことよ!
千曲川旅情の歌 島崎藤村
あたたかき光はあれど
野に満つる香もしらず
浅くのみ春は霞みて
麦の色わづかに青し
旅人の群はいくつか
畠中の道を急ぎぬ
信州の春と北海道の春は少し似ている感じがする。
情景が素直に浮かんでくるからだ。
クルマバソウ
雪が融けると、この花が雑木林の中で一斉に可憐な花をつける。