今日は久しぶりのお天気!TVの天気予報でも「このお天気を有効に使ってくださいね!」なぁんて言っていたくらいだから、私は家中の布団カバーを引っ剥がし、今年最後の大物洗い!とばかりに洗濯機に放り込んだ。そして、出来上がった沢山の洗濯物を青空の下に干し、とてもせいせいした気分でいた。
ウチのバーさん猫のももちゃんは、そんな私の足元について来て、スレート屋根の暖まったあたりで寝転がり、ごろんごろんと仰向けに背中を屋根に擦り付ける。
これを我が家では「ももちゃん、いーないーな」という。何故かというと、そんな様子のももちゃんに「あら、ももちゃんいーなー!いーなー!」と羨ましそうに声をかけたところ、得意になって余計にごろんごろんするので、これ以降、ももちゃんがベランダ下の屋根に降りた時「いーないーな」というとすぐやるので、この仕草を「ももちゃんいーなーいーな」と名付けたのだった。
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そんな呑気な昼下がり、私が布団カバーなどを取り込んでいると、何を考えたのか突然ももちゃんはその屋根のすぐ横の物置の屋根に飛び降りた、婆さん猫は降り方が下手になったせいで、スチールの物置の屋根はすごい音をたてた。それに自分でも驚いたのか興奮した様子で、そのままブロック塀を伝って走り、姿が見えなくなってしまった。
「ももちゃーん!ももー!閉めるよー!早く帰って来なー」
繰り返すこと数分。
戻って来ない。
ま、そのうち帰って来るだろう…と、少しまどを開けて、私は仕事に戻った。
夜。
まだ帰って来ない。
どうしたんだろう。
ウチの家族は皆心配して、周り中呼んで歩いた。息子は塀を伝って隣近所の庭を見て回った(ちょっと泥棒みたいだからやめて)。
お隣さんは、「何?」と思っただろうが、
心配でそうも言っていられない。
18歳を過ぎてから、ももちゃんは少し変な事がある。元々人見知りで、家族以外はダメ。猫見知りで、友達も居ない変わり者だが、このところの変なのは加齢によるものだと思う。何か思い立ったように興奮して、ガリガリと床を蹴って走り周り、勢いで掛けてある服などを伝って押し入れの戸袋の中などに入り込んでしまい、数時間降りて来ない…など。
正気に戻ると降りれないものだから上から情けない声を出しておろしてもらう…なんてことがたまにあったのだ。
夜、そろそろ寝なきゃという時間。
私はももちゃんが降りて行ったベランダの下の塀を見に階段を降りた。
下の窓を開けてもう一度「ももちゃん、ももちゃん」と呼んでみる。ダメか…。ん?なにか遠くで声がする!「ももちゃん!おいでおいでっ!」すると、暗闇から黒猫のももちゃんの白い足先が現れた。「にゃー」すすけた感じでかすれた声で現れた。
私は驚かすとまた逃げると思い、静かに優しく「早く入りなさい、ほら、寒いんだから」
と声をかける。しかし知らんぷりしてすぐ脇のゴミ箱なんかに鼻をすりよせてる。
バケツに溜まった雨水なんかをちょっと舐めたりしている。
私はスルメかなにかを探しに二階へ上がって、テレビを見ていた夫に、ももちゃん戻って来た来た!と言うと、夫も一緒に降りた。
するとももちゃんは思わせぶりに「にゃー」と言いながら裏庭の奥に行ってしまおうとする。
夫も慌てて「もも!早く入りなさい!」と呼ぶが、ちょっと振り向いてまた、さっ!と、暗闇に消えてしまった。
「あらー!行っちゃった!」
「仕方ない、明日は帰ってくるよ」
「寒くないのかしら…」
「近くに居るのは間違いないんだ」
朝早い私達は仕方なく寝ることにした。
ももちゃん…。大丈夫かな。
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