嬉々是好日 L`Atelier de Megummy since2000

行く先々でMIX犬疑惑を掛けられているビーグルならぬ、ぴーくる姉妹との徒然や、常が旅の途中な日々を綴っている備忘録

いざ、鎌倉!

2010-09-11 | W.コーギー嬉々是好日







久方ぶりで鎌倉へ行ってきました!夏の終わりの鎌倉は、それでも観光客が多くて、でも、少し心寂しい感じが。わたしの思う、「あぁ~、鎌倉だ」って風景だったりして(笑)。

そしてまた、幼い頃の母と歩いた源氏山から長谷に抜ける山道や、小学生の頃の遠足を思い出してみたりと、薄れていく記憶の中でそれでも確かに守られていた頃の暖かな記憶が甦ってきたりしてね。鼻の奥がツンとするような、そんな自分のルーツの1つとも言える大好きな土地だったりするのですよねぇ…。






わたし、どうも鎌倉駅前のここ数年の喧騒が苦手でね。大学時代の恩師が住む極楽寺には江ノ電に乗り継がなきゃならないので、不承不承で鎌倉に降りても。小町通には昔の「おっとりさ」はないし、まぁ、とにかくいつ行ってもすごい人込みだし…。で。

本日は、一度行ってみたかった北鎌倉の「石かわ珈琲」に寄り道がてら、何年かぶりで北鎌倉に降り立ってみたのでした!


   






わたしはてっきり、明月院は行き止まりなのだとばっかり思っていたのですが、よくみるとその横にまだ道は続いていて(笑)。細い道を歩いていくこと300㍍くらいなんでしょうか…。高い階段を見上げた先に、そのお店はありました。

聞いた話によると「古民家を改修して」ということでしたが、民家なのかな…?それほど広くない店内は木彫で統一されていたけども、なんとなくストイックな印象があって。くつろぐ雰囲気というよりも、珈琲好きが集まっては、珈琲版の聞香をしてるような感じ?かな…。





それでも、出てきた「紫陽花ブレンド」は、この陶器の可愛らしさもさながらな良い香りと複雑ですっきりしたお味だったし、暑さの屋外と隔離された静けさの中で頂く珈琲は、やっぱり美味しかったです。





さて、鎌倉まで出て江ノ電にのろうかなぁ~なんて思案しながら川縁を歩き、思わぬところで日陰の涼しさに気を良くしたもので(笑)。長谷まで山を越えてみようかなぁ~と思い立った自分の行動力は相も変らずクスクスしちゃう面白さが隠されており。

北鎌倉駅を迂回し、一路、源氏山を目指して歩き出したはよいけれども。やっぱり、暑さの盛りというかねぇ…。アスファルトの照り返しに自分の思いつきを少々後悔しつつ(笑)。





それでも、見るからに暑そうな。この道を歩く酔狂な人間の姿は見られず(笑)。蝉の鳴き声と時々、通り抜ける風の音以外に何も聞こえない静けさの中に身を置くことが実に久しぶりだったもので。現実離れした現実に、例えばわたしはこんな風に時間を過ごすこともできるんだなぁ~と、当たり前のことを当たり前に考えてみて。だからこそ、しみじみと独りに浸りきることが出来たのかもしれませんね。











この山道を歩くのは…。多分、高校生の時以来なんじゃないかしら???山の中はびっくりするほどに涼しくて、通り過ぎる風が秋めいていたし、「木漏れ日」がね、到るところからそれこそ木漏れて(笑)キラキラしていたし、とにかく独りで歩くことに飽きないので…。何箇所か迂回コースが出てはくるのだけれども、「まだ、ここに居たい」って山から離れられずに結局は、長谷の大仏さんの裏側まで歩ききってしまったのでした。

正味、約3時間…。途中、先生ご夫妻に電話で連絡を入れ。「今、鎌倉山の中に居ます」とお伝えすると2人の笑い声とともに「君は昔から、そういう子だから」と、そんな肯定のされかたがとっても嬉しくて!足の裏から伝わる土の感触が心地良かったりね。こうして歩いていったらば先生のトコに着くんだって単純さに、じゃ歩こうっていうこれまた単純な自分の思考が面白かったりで…。そんな時の時間の流れはとってもゆっくりだからこそ、この場所で癒されたりもするのだろうなぁ~と思ったのでした。








そんなことを言いつつもね。やっぱり大汗をかいて。しかも、ワンピース姿で(笑)。そりゃぁ休憩もしたいけども、山の中でそんなトコ在るわけないじゃん…。と思う頃合を見計らったように???出てきた看板に、「こんな山の中にホントにカフェがあるのか???」ってくらいの山の濃さと、思わず宮沢賢治の注文の多い料理店を思い出し…。

平成のこの世で、山猫軒があったらば…。それは、100歳以上の高齢者が23万人なんてありえないニュースに匹敵するよなぁ~と、山道を「→」にそって降りていきますと。

まぁ、こんな感じのスペインっぽいヴィラ風の建物が見えてきまして(笑)。なんてことないここの所在地が鎌倉市役所のすぐそばで、ただ、わたしだけが山中に居るっていう、なんとも鎌倉らしい地形の面白さの中、オープンエアで頂くサンドイッチとペリエは最高でした!




長谷の大仏の雑踏と人込みに、先程まで自分が身を置いていた場所の現実味が薄れたりもしましたけども。久々にお会いする先生ご夫妻は、少し歳をとって、でも、変わらずに両手を広げて出迎えてくださる暖かさは学生時代から変わらず…。

「ここ数年、随分とゆっくりもしたんだし。与えてもらったものは、しっかり還していかないとね」って一言とともに、学会誌やら講座のパンフレットやらを用意してくださってたりね。わたしの大好きな鎌倉野菜で御持て成ししてくださるお心遣いに。

そうね、そろそろまた動き出す時期がきたのかもしれないなぁ~とか。自分の命を今生でしっかり使って生きたいもんだと…。新たなインスピレーションを頂いた鎌倉の休日でした。