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【音楽アルバム紹介】John Wesley Harding(1967) - Bob Dylan

2024-08-10 20:38:37 | ・1960年代(洋楽)
アメリカのシンガーソングライター、ボブ・ディランの8枚目のオリジナルアルバム。

ジャンル:ロック/フォーク・ロック
オススメ度:★★★★★

ディランがモーターサイクル事故で重傷を負って以来、約1年半ぶりに発表したアルバム。
『Highway 61 Revisited』や『Blonde on Blonde』と比べると、ギターとハーモニカが主体の落ち着いた作風に仕上がっています。

歌詞には貧者、聖職者、道化師、浮浪者、移民など自由の効かない暮らしをしている者が頻繁に登場し、療養中のディランの心情が反映されていると思われる箇所が多数。

ハイライトはタイトル曲「John Wesley Harding」、明るい曲調とは裏腹に奴隷の女性が登場する「As I Went Out One Morning」、ハーモニカが悲しく鳴り響く「I Dreamed I Saw St. Augustine」、本作の最ハイライトとなる人気曲「All Along the Watchtower」、ストーリー調で進む「The Ballad of Frankie Lee and Judas Priest」、浮浪者と裁判官のやり取りが歌詞となっている「Drifter's Escape」、地主に懇願する民の訴えが題材の「Dear Landlord」など。
トラック11と12はそれまでと打って変わって個人的なラブソングであり、次作『Nashville Skyline』を予感させる曲となっています。

アルバムタイトルの『ジョン・ウェズリー・ハーディング』とは実在の凶悪殺人犯「J.W.ハーディン」から取ったとされています。また、アメリカ史上最低と評される第29代大統領「ウォーレン・G・ハーディング」から取ったという見方も存在し、殺人犯と大統領をごちゃ混ぜにして暗喩的に政府を批判しているという考察も存在します。
この考察に従うとタイトル曲の「John Wesley Harding」中の歌詞"ジョン・ウェズリー・ハーディングは貧しい物の友人"、"電報は彼の名前で響き渡ったが、彼は何の罪にも問われなかった"という歌詞も全く別の意味に見えてきます。

総評として穏やかな曲調とは裏腹に物騒なタイトル、弱者目線で描かれた不穏な歌詞などディランの作品の中でも意味深な作品の一つであり、死ぬ前には絶対に聴いておきたい名盤です。

【トラックリスト】
1. John Wesley Harding
2. As I Went Out One Morning
3. I Dreamed I Saw St. Augustine
4. All Along the Watchtower
5. The Ballad of Frankie Lee and Judas Priest
6. Drifter's Escape
7. Dear Landlord
8. I Am a Lonesome Hobo
9. I Pity the Poor Immigrant
10. The Wicked Messenger
11. Down Along the Cove
12. I'll Be Your Baby Tonight

All Along the Watchtower
邦題で「見張り塔からずっと」というタイトルが付いているディランの人気曲。


【和訳】
「ここから抜け出す方法があるはずだ」
道化師は盗人に言った
「ここはひどく混乱していて
休む暇もない
経営者はおれのワインを飲み
農民はおれの土地を耕す
その価値を知ってる奴なんていつだってひとりもいない」

「そんなに興奮しなくてもいいさ」
盗人は親切に言った
「ここにいる多くの奴らは
人生なんてジョークだと思っている
でもおれとお前はそんな考えは卒業したし
これはおれたちの運命じゃない
デタラメなことを話すのはよそう、夜も更けてきた」

見張り塔からずっと、王子たちは見ていた
女たちと裸足の召使い達が行ったり来たりしているところを

遠くのほうでヤマネコが唸り、
二人の馬乗りが近づいてきたとき、風が唸り声をあげ始めた


【余談】
「All Along the Watchtower」はジミ・ヘンドリックスによるカヴァーが有名であり、ライブではこれに近い形で演奏されることもあるほど。

"All Along the Watchtower"at the Concert for the Rock & Roll Hall of Fame in 1995




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