名盤まとめブログ

ジャンル問わず名盤をまとめていくブログです。私は音楽ゲーム愛好家でもあり、音ゲー曲もまとめるのでぜひ聴いてみて下さい♪

【音楽アルバム紹介】Folky Soul(2002) - wyolica

2024-03-12 23:25:39 | ・2000年代(邦楽)
azumiとso-toによる日本の音楽ユニット、wyolica(ワイヨリカ)のミニアルバム。

wyolicaはそれぞれ個別に活動していたazumiとso-toが、同時期に別々に応募したSonyMusic Auditionをきっかけに知り合い、意気投合して結成されたのが始まり。

UAやCharaを手掛けた大沢伸一をプロデューサーに迎えてデビュー。
R&Bをメインとしていましたが、本作は"アコースティックギター"と"歌"を押し出した温かみのある作品となっています。

全曲素晴らしいですが特に「春を待つ」、「きみのうた」、「悲しいわがまま」などが個人的によく聴きました。

総評として繰り返し聴きたくなる気持ちの良い名盤であると言えます。全6曲ですが一曲一曲が作り込まれており無駄な曲がないことも高評価です。

【トラックリスト】
1. 春を待つ
2. もしも
3. きみのうた
4. 悲しいわがまま
5. さあいこう
6. キスの温度


春を待つ




【音楽アルバム紹介】み空(1972) - 金延幸子

2024-03-10 18:32:47 | ・1970年代(邦楽)
日本のシンガーソングライター、金延幸子の1stアルバム。

金延幸子は元々フォークキャンプから生まれた音楽ユニット『フォークキャンパーズ』(中川五郎、藤村直樹、長野隆、西岡恭蔵ら)の一員として活動していました。

その後、中川イサト、瀬尾一三、松田幸一らとフォークグループ『愚』のメンバーとして活動するも、事務所の移転によりソロとしてデビュー。細野晴臣プロデュースのもと、『み空』をリリースします。

トラック5の「空はふきげん」のみ大瀧詠一作曲で、一部細野晴臣が編曲に携わっていますが、基本的に金延幸子がほとんど作詞・作曲をしています。ちなみに、曲中のアコースティックギターは全て彼女が演奏しています。

タイトル曲となった「み空」、パーカッションの音が心地よい「あなたから遠く」、神秘的な名曲「かげろう」と「はやぶさと私」、細野晴臣編曲の「時にまかせて」と「青い魚」、ラストを飾る名曲「春一番の風は激しく」など聴きどころ多数。

金延幸子の透き通った歌声と内省的な歌詞、奥深いフォーキーな楽曲により神秘的な美しさがあり、一切古臭さを感じさせないオーパーツとも呼べる名盤となっています。
当時の荒井由実などと並んで、日本の女性シンガーソングライターの草分け的存在と言えます。

【トラックリスト】
1. み空
2. あなたから遠くへ
3. かげろう
4. 時にまかせて
5. 空はふきげん
6. おまえのほしいのは何
7. 青い魚
8. 雪が降れば(ようこさんにささげる)
9. 道行き
10. はやぶさと私
11. 春一番の風は激しく


春一番の風は激しく



【音楽アルバム紹介】American Beauty(1970) - Grateful Dead

2024-03-09 12:53:25 | ・1970年代(洋楽)
ジェリー・ガルシアが率いていたアメリカのロックバンド、グレイトフル・デッドの5thスタジオアルバム。

前作『Workingman's Dead』でサイケデリックやインプロヴィゼーション的なジャムを一新して、フォーク/カントリーなどのルーツミュージックに立ち返ったグレイトフル・デッド。

ルーツミュージックに立ち返った原因に"サマー・オブ・ラブの終焉"や"殺人事件が起きたオルタモント・フリーコンサート(通称オルタモントの悲劇)"、そしてドラッグ問題やマネージャーによるギャラの持ち逃げによる疲弊などが重なったこと、アコースティック志向のクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングに触発されたという背景があります。

サウンドは柔らかなコーラスと美しいメロディーによるフォークロック/カントリーロックがアルバムを占めており、コンパクトながらも充実した作品。親しみやすいメロディーながらも味わい深くて奥深いアルバムとなっています。

オープニングを飾る「Box of Rain」、柔らかで美しい「Friend of the Devil」と「Sugar Magnolia」、ゆったりとした「Candyman」と「Brokedown Palace」、アコースティックな響きが心地よい「Ripple」、アルバムのラストを飾るスピーディーな「Truckin」など名曲多数。

総評として無駄な曲は一曲も無く非常に芸術性の高い傑作となっており、グレイトフル・デッドの最高傑作の一つとして扱われることも多い名盤です。

ライブバンドとして名を馳せていたグレイトフル・デッドですが『Workingman's Dead』と『American Beauty』によってアーティスティックな一面も確立させ、ますます評価を高めていくことになります。

【トラックリスト】
1. Box of Rain
2. Friend of the Devil
3. Sugar Magnolia
4. Operator
5. Candyman
6. Ripple
7. Brokedown Palace
8. Till the Morning Comes
9. Attics of My Life
10. Truckin'


Ripple



【和訳】
金色の陽の光を浴びて、僕の言葉が輝いたなら
僕の旋律は弦のないハープで演奏される
音楽を通して僕の声が聞こえるかい?
まるで君の歌のように、側に置いてくれるかい?

それは使い古しの破れた想い
たぶん、歌わないほうがいいんだろう
僕にはわからないが、気にしない
空気を歌で満たそう

水面に波紋が広がる
小石を投げ入れたのでも
風が吹いたわけでもないのに

コップが空なら手を伸ばせばいい
コップがいっぱいならまたそうなるように
湧き出し続ける泉があることを教えてあげるんだ
それは人の手で作られたものじゃないんだ

一本の道があるがそれは単純なハイウェイじゃない
それは夜明けと夜の闇の間にある
君がそこを進むとしても、誰もついてこないかもしれない
その道は君だけが進む道

水面に波紋が広がる
小石を投げ入れたのでも
風が吹いたわけでもないのに

導くことを選んだなら従わないといけない
落ちるときは一人で落ちる
君が立たなければ、誰が君を案内するんだい
もし僕がその道を知っていたら君を家まで送るよ




【ザ・バンド傑作のデビュー作】Music from Big Pink(1968) - The Band

2024-03-07 08:58:24 | ・1960年代(洋楽)
アメリカを拠点とするカナダのロックバンド、ザ・バンドの記念すべきデビューアルバム。

ザ・バンドの前身はホークスと名乗るロニー・ホーキンスが率いるバンドであり、1965年からボブ・ディランのバッグバンドとしてツアーに参加することになります。

このツアー終了後の1966年ディランはバイクの転倒事故で負傷し、ホークスはディランの元を離れることになります。その後ホークスは"ビッグ・ピンク"と呼ばれる借家に移り住み、慌ただしいツアーから開放された田舎暮らしが復活。そんな彼らのもとにディランが訪れたことにより、このビッグ・ピンクの地下室で連日ジャムセッションが行われるようになります。

このディランとのセッションを通じて演奏技術を高めただけではなく、ロビー・ロバートソンやリチャード・マニュエルがソングライティング能力を開花させることになります。その後『ザ・バンド』としてデビューし、1968年にビッグ・ピンクで生まれた音楽『Music from Big Pink』をリリースします。ちなみに勘違いされやすいですが、本作はビッグ・ピンクではなくニューヨークのA&Rスタジオで録音されたものとなっています。

サウンドはカントリー、ブルース、R&Bといったルーツミュージックが色濃く反映されたアーシーな楽曲が特徴。高い演奏技術による質の高い楽曲と3名ボーカルが生み出す独特の空気感により一度聴いたら忘れることの出来ない作風となっています。

父と娘の断絶を歌う重苦しい楽曲「Tears of Rage」、ロバートソンがリードヴォーカルをとる「To Kingdom Come」、アーシーな良曲「In a Station」と「Caledonia Mission」、重厚なオルガンのイントロで始まる「Chest Fever」、ディラン作曲による「I Shall be Released」など聴きどころ多数。
特にトラック5の「The Weight」は特筆すべき楽曲であり、聖書からの引用が多用され、暗示的なメッセージが込められた名曲。この楽曲の存在が本作を真の名盤足らしめていると言っても過言ではありません。

【トラックリスト】
1. Tears of Rage
2. To Kingdom Come
3. In a Station
4. Caledonia Mission
5. The Weight
6. We Can Talk
7. Long Black Veil
8. Chest Fever
9. Lonesome Suzie
10. This Wheel's on Fire
11. I Shall be Released


The Weight



【和訳】
俺はナザレの街にたどりついたが
半分死んだような気分だった
ただ横になれる場所が欲しかった
「なあ旦那、教えてくれ
どこに宿屋はあるんだ?」
奴はニヤニヤと笑いながら俺と握手し
「ねえよ」とだけ言った

重荷をおろせよ、ファニー
重荷を下ろし楽になりな
重荷をおろせよ、ファニー
その荷物は俺が引き受けるよ

俺はカバンを拾い上げ
身を隠す場所を探しに行った
そのときカルメンと悪魔が
横になって歩いているのを見た
俺は言った
「やあカルメン、ダウンタウンに行かないか」
彼女は言った
「行きたいのだけど、この友人が付きまとってくるの」

重荷をおろせよ、ファニー
重荷を下ろし楽になりな
重荷をおろせよ、ファニー
その荷物は俺が引き受けるよ

降りてこいミス・モーセ、その場所では何も言えないだろ
ルカは最後の審判を待っている
「なあルカ、俺の友人よ
若いアンナ・リーはどうするんだ」
彼は言った
「友よ頼みがあるんだが、アンナ・リーと一緒にいてくれないか」

重荷をおろせよ、ファニー
重荷を下ろし楽になりな
重荷をおろせよ、ファニー
その荷物は俺が引き受けるよ

狂ったチェスターは俺の跡をつけ、霧の中で俺を捕まえた
奴は言った
「お前の寝台を直してやる、俺の愛犬ジャックを預かってくれたらな」
俺は言った
「ちょっと待てチェスター、知っての通り俺は平和主義者なんだ」
奴は言った
「分かったよ、出来るときに餌でも与えてくれ」

重荷をおろせよ、ファニー
重荷を下ろし楽になりな
重荷をおろせよ、ファニー
その荷物は俺が引き受けるよ

特急列車をつかまえて
俺を連れて行ってくれ
カバンも重さでずっしりしてきた
その時がきたのだと俺は思う
ミス・ファニーのもとへ帰るのさ
君も知っている通り、彼女だけだったんだ
彼女の愛が俺をここに送り出してくれた
皆のために

重荷をおろせよ、ファニー
重荷を下ろし楽になりな
重荷をおろせよ、ファニー
その荷物は俺が引き受けるよ



【音楽アルバム紹介】Moondance(1970) - Van Morrison

2024-03-05 22:40:04 | ・1970年代(洋楽)
北アイルランド出身のシンガーソングライター、ヴァン・モリソンの3rdアルバム。

音楽好きの両親の一人息子として生まれたヴァン・モリソンは音楽的にも早熟であり、若くしてThemというバンドを結成。
ヴァン・モリソンは1966年にThemを脱退しソロに転向。本作は『Astral Weeks』と並び、ヴァン・モリソンの最高傑作として扱われる作品となっています。

前作『Astral Weeks』はフォーク/ジャズ要素が強い芸術的な作風でしたが、本作はR&B/カントリーに接近した温かみのある親しみしやすい作品に仕上がっています。

一曲一曲が丁寧に作り込まれており、無駄な曲は一切なし。ヴァン・モリソンのパワフルで伸びやかな歌声も素晴しく、彼のシンガーソングライターとしての魅力がギュッと詰まった名盤です。

寓話的な歌詞の「And It Stoned Me」、ジャズ要素の強いタイトル曲「Moondance」、ヴァンがささやくように歌い上げる甘美な「Crazy Love」、陽気で力強い「Caravan」、アイリッシュ要素を感じる名曲「Into the Mystic」、軽快な「Come Running」など名曲多数。

【トラックリスト】
1. And It Stoned Me
2. Moondance
3. Crazy Love
4. Caravan
5. Into the Mystic
6. Come Running
7. These Dreams of You
8. Brand New Day
9. Everyone
10. Glad Tidings

Moondance



【和訳】
ムーンダンスにはうってつけの素晴らしい夜
君の瞳の上には星が煌めく
恋をするには最高の夜だ
10月の空の下で
木の葉は全て落ちてゆく
風の吹く音と共に
君の呼ぶ声に応えて僕は君を喜ばせたい
柔らかく低く奏でられる君の心の琴線
夜の魔法が静かに囁いているよう
柔らかな月の光が君の紅潮した顔を照らしてる

もう一度僕とムーンダンスを踊ってくれないか?
愛する人
もう少しだけ僕とロマンスを
愛する人

今夜は君を愛したい
朝が来るまで待ってられない
きっと今がその時だ
僕の腕の中に君はまっすぐ飛び込んでくるだろう
君が来る時、僕の心は待っている
君は決して一人ではないことを確かめるために
その瞬間、僕の全ての夢は叶うだろう
その瞬間、僕は君のものになっているだろう
僕が君に触れるたび、君の心はただ震えている
君が僕をどれだけ求めているか、そしてその想いは隠しきれない

もう一度僕とムーンダンスを踊ってくれないか?
愛する人
もう少しだけ僕とロマンスを
愛する人

ムーンダンスにはうってつけの素晴らしい夜
君の瞳の上には星が煌めく
恋をするには最高の夜だ
10月の空の下で
木の葉は全て落ちてゆく
風の吹く音と共に
君の呼ぶ声に応えて僕は君を喜ばせたい
柔らかく低く奏でられる君の心の琴線
夜の魔法が静かに囁いているよう
柔らかな月の光が君の紅潮した顔を照らしてる

もう一度僕とムーンダンスを踊ってくれないか?
愛する人
もう少しだけ僕とロマンスを
愛する人

君ともう一度ムーンダンスを
月あかりの中で
魔法の夜に
何度でも僕とムーンダンスを踊ってくれないか?
愛する人