メイサと7人の外国人たち

アラサー元お水とキャラの濃い外国人達の冒険記

なぜかランチデートした話①

2019-05-15 06:02:52 | アイアン
非通知……誰?



非通知の電話を出るのは気が乗らない方なのだけど、
時々客先とか何か予想外の大切なものからかかってくることがある。
というわけで、私はその電話に出た。



「もしもし?」

「Hello. Meisa?」

「(英語か!) yes...?」

「Me, Iron」

「お前かい!」



電話の主はアイアンだった。
俺だよ!なんで返事くれないの??とアイアンは続けた。
コイツはいつでも元気一杯だ。
私はシャウトした。



「マ、ジ、で!なんであたしがアンタなんかに返事しなきゃいけないのよ!!」

「俺は君と話したいんだよ!どうしてそんなに怒ってるの?」

「あんたが人のことバカにするからでしょ!」

「バカになんかしてないよ!それは全部誤解だよ。」

「そんなことで誤解するくらい英語できなくはないです。
あたしのこと低レベルな嘘で騙せると思わないで!」

「メイサ、本当にごめんよ。君はすごく素敵だよ。
俺は君と仲直りしたいんだ」




と、アイアンは一向に怯まない。
低姿勢だけど押せ押せの一方で、私もゲンナリする。
彼は続けた。




「ね、怒んないで。今どこにいるの?」

「道」

「俺、君にコーヒーをご馳走したいんだ」

「自分で買えます」

「お腹すいてない?一緒にランチなんかどう?いい店で食おうよ」






“お腹すいてない?”







グーキュルルル……





「……………ランチ?」

「うん!ランチ!もう食べた?」

「………まだだけど」

「じゃぁ一緒に食べない?今日お休みなんでしょ?」

「………………………………いいわ」





よかったー!じゃぁ場所とか時間とかメールするね!OK!?
…と、アイアンはテキパキるんるんと電話を切った。
私は、もーどうでもいいわ、とムスッとして歩き始めた。



ピロリロリーン


お、メール来た。



『メイサ、電話出てくれて本当にありがとう。
ランチだけどこっちの方に出てこれる?
某チェーンの店、行ったことある?』



えーなんであたしがわざわざそっちに行かなきゃなんないのよ。
しかもチェーン店って何。
なんでアンタなんかと何でもないチェーン店でランチしなきゃなんないのよ。



『そっち行くの嫌なんですけど』

『じゃぁ俺どこに出ればいい?君のいる方あまり知らないけど、
どこか行きたいところがあれば言って』

『(なんで私が提案しなきゃなんないのよ)
じゃーいいわ、ランチしないわ』

『思い出したー!!良いところがあるよ。
こっちに来てくれたらそこに連れて行くよ!!」



ふむ。



ポチポチポチ



『わかったわ。』




すぐにアイアンから、待ち合わせ場所のリンクが送られてきた。
この人は本当にとにかく仕事が早い。



ヒール音を響かせながら待ち合わせ場所にたどり着くと、アイアンはまだ来ていなかった。
待ち合わせ場所は本屋の前だった。
海外の本っていうのは、装丁が華やかだったり日本とテイストが違ったりして、
ショーウィンドウを見るだけでも案外楽しいと思う。
私はショーウィンドウに映る自分を眺めた。
今日は白シャツにカーキの短パン。
キーモチーフのロングネックレス。
デート仕様ではないけど、まぁどうでもいいか。
どこにいるの?俺はついたよ、とアイアンからメールが届いた。
見回してもそれらしい人はいない。



ポチポチポチ



『私もついたけど、あなたどこn……』

「Meisa!」



顔を上げると、2週間ぶりのアイアンが歩いて来るのが見えた。
長い手脚とでかい背が目立つ。
思わず身構えたが、とりあえず、Ha, hi... と答えた。
どうなる、私!?!?




続きます!









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