彼、雅留に出会ったのはやはりアプリだった。
あまり頻繁ではなかったものの、チャットした時はいつも彼は私を助けてくれた。
言語習得の点で、と言うよりはこの街についてのアドバイスだったけれど。
彼は当時私が住んでいた街出身だったので、来たばかりの私はいろいろなことを彼に教えてもらった。
美味しいレストランやバー。
観光地の中のおすすめスポット。
色々なことを教えてくれた。
スマートで知識豊富な男の子だったので、すっかり心を許しそうになったが、
かくいう彼も男だった。
ちなみに9つ下の。
『ねぇ、どうしてあなたのアカウント写真、あなたの後ろ姿なの?』
私が訊ねると、彼はすぐに、俺の写真別に面白くないし、と返事した。
『でもこれじゃ、あなたの顔がわからないわ』
『見たいの?』
『そうね!あなたは私のプロフィール写真見てるわけだし』
『いいよ。ただし君が俺に君の写真を送ってくれたら、ね』
と生意気な顔文字付きで送って来た。
ほー言うじゃん。
別に写真の1枚くらい見せますけど?
ピロリン
『ど、う、ぞ』
ピロリン
『可愛い!!!!!』
あら、ありがとう。
雅留は、君をナンパした10個下の男の気持ちがわかるよ!と続けた。
ありがとう。
自尊心上がる。
すぐに彼が写真を送ってくれたけど、それは彼の顔がやっぱりわかりにくいものだった。
1つよくわかったのは、頭が小さくて四肢が長いということ。
あと、多分私のタイプっぽいということだった。
『あなた、背が高そうね』
『そうでもないよ。この国じゃ平均くらい』
『(それは日本人にとっては高いです)そう?ま、相変わらずあなたの顔はよくわからないけど』
『俺の顔なんか見ても面白くないよ。実際滅多に自分の写真なんか撮らないし。
君みたいな美人とは違うんだよ』
『あら、どーも。そんなに美人じゃないけどね』
『美人だよ。俺の賛辞を受け入れないつもり?』
『そんな言い方されたら困るけど(笑)光栄ですわ』
私が知的ねと褒めれば、雅留は、君ほど美形じゃないけど知的ではあるよと余裕たっぷりに答えた。
確かに彼は9つの年の差を感じさせるような子供っぽいところが全くなく、
賢くて、いや、とにかくスマートな印象だった。
聞けばよく年上の連中とつるんでいるという。
当然元カノも年上が多く、それが彼には合っている、というのが彼の意見だった。
とかなんとか色々話していたのだけど、どうやら彼は軽そうで。
例えばクラブによく出入りしていることや、それを私にも勧めてくること。
私は正直、日本ですらクラブに行ったことがない。
『君がクラブに行ったら、たくさんの男が寄ってくると思うよ』
『それは別に求めてないけど』
『なんで?君は男は1人いればいいってこと?』
『ま、そうね』
ピロリン
『じゃ、俺が君を口説くよ。どう?』
( ´_ゝ`)
いやいやいや坊ちゃん。
あんた9つ下ですやん。
『ははは、会ってみてもいいけど、私はあなたにとっておばあさんだからデートにはならないわよ』
『君はそんな年寄りじゃないよ』
『わかんないじゃない』
とかなんとか言ってるうちに、いつしか会ってみることに話は決まっていた。
まぁとにかくなんども言っている通り、彼はスマートだったし、
彼に知識でたくさん助けてもらった。
ちょうど時間もあった。
それに正直に言うと、その頃の私は英語習得にすごく強欲で、
とにかく直接会って会話の練習をさせてくれる子を探していた。
新しい国での新しい生活。
それこそ同僚には弱ってる姿を見せないようにしていたけれど、言葉がとにかくストレスで。
一刻も早く上手くなりたい、楽になりたい、なってみせるという気持ちで動いていた。
彼がどんだけ軽かろうが年下だろうが関係ない。
私に会ってもたいと思ってくれて英語が流暢(ていうか彼の場合はネイティブだし!)なら十分。
おまけに知的で背が高いのだ。←私のタイプ
会わないほうがバカだ。←そうか?
後日。
私は緊張した面持ちで某駅の周りをウロウロしていた。
会わなきゃバカだなんて言ったものの、実際会うとなると流石に緊張する。
だってだって、9つ下だよ!?
初対面の子と仲良く話すのは超得意だけど、まさかそんなにピチピチの子とデートしたことはない。
おまけに雅留は私に夢を抱いているわけで、それもかなりのプレッシャー。
とにかく万全を期して来たけれど、それでもガッカリされる可能性は大いにある。
加えてここは彼のウチから近いらしい。
あわよくばなんて思われてたら困るなぁ、とため息をついた。
あぁ、自分のこういう処女みたいなところがホント面倒くさい。
お水だったくせに!
ピロリン
不意に携帯が鳴り、恐る恐る画面を見た。
『改札の前にいるよ。◯◯人の男を見つけて(笑)』
き、
来たぁぁぁーーーーーー!!!
続きます。
あまり頻繁ではなかったものの、チャットした時はいつも彼は私を助けてくれた。
言語習得の点で、と言うよりはこの街についてのアドバイスだったけれど。
彼は当時私が住んでいた街出身だったので、来たばかりの私はいろいろなことを彼に教えてもらった。
美味しいレストランやバー。
観光地の中のおすすめスポット。
色々なことを教えてくれた。
スマートで知識豊富な男の子だったので、すっかり心を許しそうになったが、
かくいう彼も男だった。
ちなみに9つ下の。
『ねぇ、どうしてあなたのアカウント写真、あなたの後ろ姿なの?』
私が訊ねると、彼はすぐに、俺の写真別に面白くないし、と返事した。
『でもこれじゃ、あなたの顔がわからないわ』
『見たいの?』
『そうね!あなたは私のプロフィール写真見てるわけだし』
『いいよ。ただし君が俺に君の写真を送ってくれたら、ね』
と生意気な顔文字付きで送って来た。
ほー言うじゃん。
別に写真の1枚くらい見せますけど?
ピロリン
『ど、う、ぞ』
ピロリン
『可愛い!!!!!』
あら、ありがとう。
雅留は、君をナンパした10個下の男の気持ちがわかるよ!と続けた。
ありがとう。
自尊心上がる。
すぐに彼が写真を送ってくれたけど、それは彼の顔がやっぱりわかりにくいものだった。
1つよくわかったのは、頭が小さくて四肢が長いということ。
あと、多分私のタイプっぽいということだった。
『あなた、背が高そうね』
『そうでもないよ。この国じゃ平均くらい』
『(それは日本人にとっては高いです)そう?ま、相変わらずあなたの顔はよくわからないけど』
『俺の顔なんか見ても面白くないよ。実際滅多に自分の写真なんか撮らないし。
君みたいな美人とは違うんだよ』
『あら、どーも。そんなに美人じゃないけどね』
『美人だよ。俺の賛辞を受け入れないつもり?』
『そんな言い方されたら困るけど(笑)光栄ですわ』
私が知的ねと褒めれば、雅留は、君ほど美形じゃないけど知的ではあるよと余裕たっぷりに答えた。
確かに彼は9つの年の差を感じさせるような子供っぽいところが全くなく、
賢くて、いや、とにかくスマートな印象だった。
聞けばよく年上の連中とつるんでいるという。
当然元カノも年上が多く、それが彼には合っている、というのが彼の意見だった。
とかなんとか色々話していたのだけど、どうやら彼は軽そうで。
例えばクラブによく出入りしていることや、それを私にも勧めてくること。
私は正直、日本ですらクラブに行ったことがない。
『君がクラブに行ったら、たくさんの男が寄ってくると思うよ』
『それは別に求めてないけど』
『なんで?君は男は1人いればいいってこと?』
『ま、そうね』
ピロリン
『じゃ、俺が君を口説くよ。どう?』
( ´_ゝ`)
いやいやいや坊ちゃん。
あんた9つ下ですやん。
『ははは、会ってみてもいいけど、私はあなたにとっておばあさんだからデートにはならないわよ』
『君はそんな年寄りじゃないよ』
『わかんないじゃない』
とかなんとか言ってるうちに、いつしか会ってみることに話は決まっていた。
まぁとにかくなんども言っている通り、彼はスマートだったし、
彼に知識でたくさん助けてもらった。
ちょうど時間もあった。
それに正直に言うと、その頃の私は英語習得にすごく強欲で、
とにかく直接会って会話の練習をさせてくれる子を探していた。
新しい国での新しい生活。
それこそ同僚には弱ってる姿を見せないようにしていたけれど、言葉がとにかくストレスで。
一刻も早く上手くなりたい、楽になりたい、なってみせるという気持ちで動いていた。
彼がどんだけ軽かろうが年下だろうが関係ない。
私に会ってもたいと思ってくれて英語が流暢(ていうか彼の場合はネイティブだし!)なら十分。
おまけに知的で背が高いのだ。←私のタイプ
会わないほうがバカだ。←そうか?
後日。
私は緊張した面持ちで某駅の周りをウロウロしていた。
会わなきゃバカだなんて言ったものの、実際会うとなると流石に緊張する。
だってだって、9つ下だよ!?
初対面の子と仲良く話すのは超得意だけど、まさかそんなにピチピチの子とデートしたことはない。
おまけに雅留は私に夢を抱いているわけで、それもかなりのプレッシャー。
とにかく万全を期して来たけれど、それでもガッカリされる可能性は大いにある。
加えてここは彼のウチから近いらしい。
あわよくばなんて思われてたら困るなぁ、とため息をついた。
あぁ、自分のこういう処女みたいなところがホント面倒くさい。
お水だったくせに!
ピロリン
不意に携帯が鳴り、恐る恐る画面を見た。
『改札の前にいるよ。◯◯人の男を見つけて(笑)』
き、
来たぁぁぁーーーーーー!!!
続きます。
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