(1989年)近鉄・加藤哲郎投手「巨人はロッテより……」
プロ野球日本シリーズ第3戦・巨人対近鉄は、近鉄が勝利。
戦前の巨人優勢の予想を覆しこれで3連勝、日本一に王手をかけた。
この第3戦後のヒーローインタビューで〈事件〉は起こった。
その日先発を務めた近鉄の加藤哲郎投手が「シーズンの方がしんどかった」等と発言、それを各マスコミは「巨人はロッテよりも弱い」と言ったと報じたのである。
シーズン最下位のロッテにも及ばない、と相手にコケにされたように受け取った巨人ナインがこれで発奮。
そこから怒濤の4連勝を飾り、逆転で日本シリーズを制することとなった。
加藤自身は「ロッテより……」とは言ってないと証言する。
確かに、お立ち台でそんな答え方はしてなかった、と僕も記憶する。
ただ、あの時の数々の余裕発言を意訳(超訳?)すれば、第三者にああいう解釈をされても無理はなく、決してマスコミの報じ方が悪意に満ちたものだったとは言えない。
要は「口は災いの元」。
言葉ひとつで人生は変わる、その現実を目にした〈事件〉だった。
スポニチ~日めくりプロ野球10月