小川洋子。この長編を読んでいなかったのが自分でも少し不思議。
前提となる”なにかを失う"ことに対する不条理はそのままなんら
説明を加えることなく、歴然とそこにある。
それは死と同じことなのかなと考えていた。生きることと同じく。
意味も説明も解釈も要らない。
物語は淡々と進んでいく。ときたま主人公の書く"小説”が混じっ
てくるけれど、それもやはり失う話。
おそらくレーゾン・デートルである小説を失うと言う設定は予定
していたとは思うけれどやはり大胆な。
様々な小物が失われ、それでも異能者は失うことがない。
R氏のように。
いろんなイメージが錯綜する。
ここは冥界なんではないか。失うことが正しいこと?
失っていくことで現世に戻れるのかな。
仮想空間ではないだろうか?メモリが失われていく姿。
たぶんそいうったわたしが思うことはどれもあたってはいない。
季節感が止まり、やがて身体まで失う。
身体を失う感覚。幻肢なんかも当然思い浮かべるが、わたしは
自分の腕の感覚を失うことがるのでそのイメージがリアルに蘇る。
太さも重さもその皮膚感覚も乖離するその感じ。
説明が難しい。
そしてまた、無機物などに身体の感覚が延長または移行したことを
思った。わたしは満たされる水差し。とか。水の快感を得られると思う。
全てが消滅するがそれは自意識によって消滅したのであって
物理的になくなったわけではない。となると。人は物を見るときに
間接的にしか見ることができないと言うまたまた”あれ”が出てきてしまう。
そこの仄暗い部分がとても惹き寄せられる。
小川洋子のお話にはなんというか滲むような、色を重ね塗りする
ような感じがある。陰のなかに影をつくりだすような。
この感覚はとても楽しい。
前提となる”なにかを失う"ことに対する不条理はそのままなんら
説明を加えることなく、歴然とそこにある。
それは死と同じことなのかなと考えていた。生きることと同じく。
意味も説明も解釈も要らない。
物語は淡々と進んでいく。ときたま主人公の書く"小説”が混じっ
てくるけれど、それもやはり失う話。
おそらくレーゾン・デートルである小説を失うと言う設定は予定
していたとは思うけれどやはり大胆な。
様々な小物が失われ、それでも異能者は失うことがない。
R氏のように。
いろんなイメージが錯綜する。
ここは冥界なんではないか。失うことが正しいこと?
失っていくことで現世に戻れるのかな。
仮想空間ではないだろうか?メモリが失われていく姿。
たぶんそいうったわたしが思うことはどれもあたってはいない。
季節感が止まり、やがて身体まで失う。
身体を失う感覚。幻肢なんかも当然思い浮かべるが、わたしは
自分の腕の感覚を失うことがるのでそのイメージがリアルに蘇る。
太さも重さもその皮膚感覚も乖離するその感じ。
説明が難しい。
そしてまた、無機物などに身体の感覚が延長または移行したことを
思った。わたしは満たされる水差し。とか。水の快感を得られると思う。
全てが消滅するがそれは自意識によって消滅したのであって
物理的になくなったわけではない。となると。人は物を見るときに
間接的にしか見ることができないと言うまたまた”あれ”が出てきてしまう。
そこの仄暗い部分がとても惹き寄せられる。
小川洋子のお話にはなんというか滲むような、色を重ね塗りする
ような感じがある。陰のなかに影をつくりだすような。
この感覚はとても楽しい。