『器官切除』

マイケル・ブラムライン。
初めて読む作家。
タイトルの作品は手技の連続だ。
どこをどう切除しそのときに血管はどう処理するか。

主人公？はあえてアメリカ主義をつらぬいて麻酔を拒否する。
切り開かれていくにしたがって痛みは最大限となるだろう。
しかし、脳はそこまで耐え得ないと聞いたことがある。
どこかで回路を閉鎖するか脳内麻薬物質で痛みを緩和するか。
といってもそれでは話が成り立たないので生きたまま分解していく。
最後に使用品目一覧がでてきて、なんのことはないただの日用品
だったりするのがご愛嬌。わたしは移植に使うものかとおもっていた。

身体は物質である。脳も然り。と言うことと、それをそうだと感じる
ことは別次元だと思う。この描写にたいしては違和感は無いけれど
さりとて痛みを感じ続けていたいわけでもない。
身体に対する幻想はどこまでもっているのか自分自身に対して
とても興味深い。

バラードに近いといわれるこの作家。
バラードが『クラッシュ』の原作と知ったのはすこし前。
映画を見て（くろーねんばーぐ）とても気に入ったのだけれど
やはり読んでみたくなった。