めるつばうのおもうこと

めるつはミーム機械としてばうを目指します。

『サイゴン・タンゴ・カフェ』

2008-06-27 10:26:40 | book
中山可穂。気を取り直して書こう。
基本、恋愛小説家は嫌いだ。たぶん。
わたしにとって恋愛はわたし個人の問題で
他人の恋愛像をなぞってもちっとも楽しくない。

云わばどーでもいい話なのである。
だってそこにはわたしという場がなく位相もない。
仮託する必要など感じない。

しかしこと中山可穂は思考や感情を乗り越えて入ってくる。
わたしは中山節の恋愛なぞしたくない。苦しいもの。のはずなのだが
どうやらのめり込むタイプではあるようだ。
わたしとしては冷静かつ沈着な人間であると思っているのだが
周りの評価はけしてそうではない。つまるところ、わたしは
とても単純な人間のようだ。

さてこの作品集は”タンゴ”によって一本の筋を通している。
タンゴ・・。あまりに無縁な世界。それでもイメージをある程度
することができる。

今回の中山では、激しさは無いように思える。
心の奥に秘めた想い。というような。それがタンゴによって
鮮やかに現出するという様相だ。

数編は中山自身を投影しているかのように思える。
中山の未来といっても理想というかこうあったらいいなとゆような。
前世が猫だったというのもちょっと笑えた。猫好きなのかしらん?
激しいセックス描写が無い代わりにじんわりとボディに効くような
ものがおおい。
なんだかんだといいながらもまた作品を読んでいくことだろう。


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