NHKのブラタモリで「田園調布」が紹介されました。
いつものように、地形・地理・地勢によって、
どのように利用され、発展していったかを探る訳ですが、
田園調布が一躍高級住宅街の顔を持つに至った経緯の中で、
次のことが気になりました。
関東大震災で家が倒壊する地域が多かったのに、
田園調布は比較的倒壊家屋が少なかったため、
震災後、
緊急時に指揮をとらなければならない立場の軍人が多く住み始めたこと。
気になったのは、軍人が住んだことなのではなく、
なぜ、倒壊する家屋が少なかったのか?
それは台地の岩盤をそのまま利用して造成されたことにあるようです。
実際、そのことは以前から建築関係の人から聞いていました。
「盛土よりも切土に家を建てた方が地震に強い」
宅地造成すると、掘った土の処分に困ります。
処分料が高いからです。
そのために、大規模造成地では、
開発区域内で凸を削って出た土を凹に埋めて、
プラスマイナスがゼロになるよう、開発設計します。
凸を削ってできた造成地が「切土」、
凸を埋めてできた造成地が「盛土」です。
「切盛図」という開発図面があります。
千葉で土地探しをしたときに、
切盛図を見たいと条件をつける客は滅多にいないといわれ、
ミレーニアでも、現地にはなく、
ただ他社とは違って、本社から図面を取り寄せてくれました。
それでも、購入予定の土地の部分しか見せてもらえませんでしたが、
それほど、ある意味、盛土部分はナイーブな面を持っています。
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見出し写真のようなパンフレットが最近発行されました。
本白根山の水蒸気爆発は、記憶に新しい災害です。
火山列島の噴火は、常時噴火を繰り返しているところ以外は、
予知が難しいそうです。
一方、地震は、防災から減災へと考え方が変わりました。
関東大震災級の地震が起こる可能性もかなり高まっている中、
「大規模盛土造成地」
のパンフを発行し、減災を呼びかけています。
状況調査図ホームページ(ここをクリック)で、
自分の住んでいる、勤めている土地が「盛土」なのか確かめましょう。
ただし、大規模造成地に限られるので、
網かけがないからといって安心せず、
過去の地形図と現在の土地の形状を見比べてみることも大切です。
ちなみに、勝浦の家では、
震度4の地震があったとき、揺れを感じませんでした。
東日本大震災のときも、
揺れたのを知らず、ニュースで見て知ったと、
隣接のホテルブルーベリーヒルのスタッフがいっていたぐらいです。
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