出会いは突然だった。
6月某日、いつものように出勤しようと車に乗ろうとしたところ、異様な光景が目の前にあった。
ヤギがおるやんけ!!
それは驚きだった。
田舎かといえばそこまでではないが、動物と触れ合う機会が滅多にない日常においては
突然現れたヤギのインパクトは大きかった。
近所というか、本当に家の目の前なのだ。
故に顔を合わせない日はない。
家の中にいても鳴き声が聞こえ、最早ご近所の一員と化していた。
気が付けば、ヤギの様子を確認するのが日課になっていた。
ん?
はみ出とるやないけ!!
ずいぶん後になってわかったのだが、地元の不動産屋が飼っているらしい。
ちなみにヤギを配置すると雑草を食べてくれるので、ヤギのレンタルがビジネスとして世間的にはあるようだ。
僕はヤギの名前を「キャメぇ」と名付け、
白ヤギを「白キャメ」黒ヤギを「黒キャメ」と呼ぶことにした。
ヤギを見守る日常。なかなか珍しい体験だ。
キャメぇたちはとにかくよく草を食べる。
草が伸び、荒れ地と化していた空き地からどんどん雑草が取り除かれていった。
草を食べつくしたキャメぇたちは・・・。
役目を終えて立ち去っていったのだった・・・。
わずか10日間程度の時間だったが、急に居なくなると寂しいものだ。
もっとも、草を食べつくしてしまった以上、いつまでもいるわけにはいかないのは
なんとなくわかっていたことでもあった。
そうして、キャメぇたちの記憶は思い出に変わろうとしていた。
キャメぇたちが居なくなって約1月半が経過した8月中旬・・・。
おキャメり!!
なんとキャメぇたちが戻ってきたのだ。
食べつくした雑草は、茎までは食べられず残っていたせいか、伸びてくるのもまた早い。
そのあたり除草ビジネスとしてどうなんだとツッコミをいれたいところだが、
とりあえずまたキャメぇたちとの日常が戻ってきたことは喜ばしいことだった。
しかし、今回は前回と違いなかなか触れ合う機会が取れなかった。
連日のように雨が降り、キャメぇたちはその場をなかなか動こうとしない。
以前のように道路側まで来てくれないのだ。
また、前回よりも日が落ちるのが早くなってしまい、仕事から帰ってきたときにはもう真っ暗で、
姿を確認できる機会も減ってしまっていた。
そんな日が1週間ほどした後、またしてもキャメぇたちはいなくなっていた。
きっと毎日のように雨が降っていたのだから、一時的に引き上げたのであろう。
雑草もたくさん残っている。
しばらくしたら、また戻ってくるだろう、何故か自分はこの時、楽観的に考えていた。
もっともその期待は大きく外れることになる・・。
2回目のキャメぇたちが引き上げ、5日が経過したある日・・。
・・・・。
中途半端に残った雑草はすっかり取り除かれ、工事が始まっていた。
もうキャメぇたちは戻ってこない。とても残念な気持ちが押し寄せてきた。
もっとも考えてみれば、最初にキャメぇたちが来た時から
こういう結果になることは想像できていたことなのかもしれない。
キャメぇたちが来ないにせよ、元の日常に戻るだけの話だ。
なのに、妙に強く印象に残っているのは、それだけ貴重な体験だったことにちがいない。
幸い、キャメぇたちの動向は不動産屋がSNSにアップしているので、様子を伺うことは可能だ。
これからも行く先々で人々を癒してくれることだろう。
そんなキャメぇに感謝の言葉を贈りたい。
キャメぇ、おつキャメさま!!
白きゃめ「きゃめぇ~」
6月某日、いつものように出勤しようと車に乗ろうとしたところ、異様な光景が目の前にあった。
ヤギがおるやんけ!!
それは驚きだった。
田舎かといえばそこまでではないが、動物と触れ合う機会が滅多にない日常においては
突然現れたヤギのインパクトは大きかった。
近所というか、本当に家の目の前なのだ。
故に顔を合わせない日はない。
家の中にいても鳴き声が聞こえ、最早ご近所の一員と化していた。
気が付けば、ヤギの様子を確認するのが日課になっていた。
ん?
はみ出とるやないけ!!
ずいぶん後になってわかったのだが、地元の不動産屋が飼っているらしい。
ちなみにヤギを配置すると雑草を食べてくれるので、ヤギのレンタルがビジネスとして世間的にはあるようだ。
僕はヤギの名前を「キャメぇ」と名付け、
白ヤギを「白キャメ」黒ヤギを「黒キャメ」と呼ぶことにした。
ヤギを見守る日常。なかなか珍しい体験だ。
キャメぇたちはとにかくよく草を食べる。
草が伸び、荒れ地と化していた空き地からどんどん雑草が取り除かれていった。
草を食べつくしたキャメぇたちは・・・。
役目を終えて立ち去っていったのだった・・・。
わずか10日間程度の時間だったが、急に居なくなると寂しいものだ。
もっとも、草を食べつくしてしまった以上、いつまでもいるわけにはいかないのは
なんとなくわかっていたことでもあった。
そうして、キャメぇたちの記憶は思い出に変わろうとしていた。
キャメぇたちが居なくなって約1月半が経過した8月中旬・・・。
おキャメり!!
なんとキャメぇたちが戻ってきたのだ。
食べつくした雑草は、茎までは食べられず残っていたせいか、伸びてくるのもまた早い。
そのあたり除草ビジネスとしてどうなんだとツッコミをいれたいところだが、
とりあえずまたキャメぇたちとの日常が戻ってきたことは喜ばしいことだった。
しかし、今回は前回と違いなかなか触れ合う機会が取れなかった。
連日のように雨が降り、キャメぇたちはその場をなかなか動こうとしない。
以前のように道路側まで来てくれないのだ。
また、前回よりも日が落ちるのが早くなってしまい、仕事から帰ってきたときにはもう真っ暗で、
姿を確認できる機会も減ってしまっていた。
そんな日が1週間ほどした後、またしてもキャメぇたちはいなくなっていた。
きっと毎日のように雨が降っていたのだから、一時的に引き上げたのであろう。
雑草もたくさん残っている。
しばらくしたら、また戻ってくるだろう、何故か自分はこの時、楽観的に考えていた。
もっともその期待は大きく外れることになる・・。
2回目のキャメぇたちが引き上げ、5日が経過したある日・・。
・・・・。
中途半端に残った雑草はすっかり取り除かれ、工事が始まっていた。
もうキャメぇたちは戻ってこない。とても残念な気持ちが押し寄せてきた。
もっとも考えてみれば、最初にキャメぇたちが来た時から
こういう結果になることは想像できていたことなのかもしれない。
キャメぇたちが来ないにせよ、元の日常に戻るだけの話だ。
なのに、妙に強く印象に残っているのは、それだけ貴重な体験だったことにちがいない。
幸い、キャメぇたちの動向は不動産屋がSNSにアップしているので、様子を伺うことは可能だ。
これからも行く先々で人々を癒してくれることだろう。
そんなキャメぇに感謝の言葉を贈りたい。
キャメぇ、おつキャメさま!!
白きゃめ「きゃめぇ~」