それまで、うーうー、風邪をひいてうなりながら寝ている私。
お腹もすかないし、水分だけ一応は取っては
また眠る。そのくり返し。38度以上出るのは久しぶり。
ちょうど昼の11時ごろ。
急に、いつものような元気さが湧いてきたのです。
起きたくなりました。
あー、治った!風邪は3日と言うものね♪
などとうきうきしていました。
そうして、数時間たって、午後2時半ごろ。
あれ?
今頃、A男さんは火葬されている頃だ、と気づき
わ!11時には告別式が始まったんだ!
熱があって、行けないと伝えてあるんだった。
そのことに気がついたときに、ひえーー。と驚きました。
ほんの瞬間ね。
次の瞬間には、もうわかってました。
「A男さん、きっとこれまで働きづめだったから
私と一緒に旅行がしたかったんだね。
いっしょについてきてたんだね。
でも、もうさようなら、と帰っていったんだね、だから私も元気になったのかも」
元気なみどりのハートをかりて、あちこち楽しんだのかもしれないね。
その間、うんうんうなっていたけれどまあ、いいや。
そう思いました。
不思議でしょう。
なくなってすぐに病院へ行った時に、
しっかりと組まれた手をにぎると
あたたかくて、ぴゅん!と持ち上がった気がしたの。
義弟は、めをパチっとあけたよ!と
驚いていたの。
私たち二人に、なくなった後でも挨拶してくれたんだと
二人は言い合いました。
だれも、お礼を言ってくれなくても、
当のA男さんがちゃんとわかっててくれた。
それだけで、もう充分です。
義父は、ちょうど7年前の私の誕生日の二日後になくなりました。
私の誕生日には、ちょうど私だけが病室で付き添っていました。
義母はもう予感がして、家を片付けに帰っていたのです。
すると、とつぜん、(意識もなくなっていたのよ)
「おーい♪ 行くよ~♪」って歌い出したのです。
大きな声なので、向かいのナースセンターから看護士さんも覗きに見えるほど。
「おーい♪ 行くよ~♪」って、何回も歌いながら、ぴょん、ぴょんと
飛び跳ねるのです。もう、びっくり。
「お父さん、今日は本当にご機嫌が良いですね」って、私も嬉しかった。
あとから思うと、先に彼岸に行った兄たちに呼びかけていたのでしょう。
そのあと、意識ももどらず、二日後静かにねむりました。
誰も、聞くことが出来なかった楽しそうな歌声。
私だけの誕生日プレゼントになりました。
「得な性格だね」と、事情を知っている娘にいわれました。
A男さんにしろ、なくなった父にしろ、
ちゃんと挨拶してくださった。私だけの役得かな。
星占いや、血液型が好きなだけで、いたって、ちゃらんぽらんな私です。
宗教心も、道徳心も欠けている。霊も嫌い。
こんな話は、好き嫌いあって、バカじゃない!と思う方もいるとは思います。
みどり夫も占いや風水すらも好きでなくて、宗教や霊の話も苦手です。
が、ちょっと不思議な体験かなと思っています。
きっと偶然だと思うけど、それでもちょっと嬉しかったかな。