・筋トレはメンタルに効く
いま現場でバリバリ働いている第一線のビジネスパーソンには、体を鍛えている人が非常に多い。彼らは忙しい中でもきちんと時間をとって、定期的に体を動かしている。
トレーニングをすることによって、精神的にタフになる、思考がポジティブになる、直感力が高まる、クリエイティビティが磨かれるなど、メンタル面でのメリットもはかりしれない。
・自分本来の輪郭を保つ
「銭湯や温泉に行けば、偉い人もそうでない人も、みんな同じ。裸のつきあいができる。」それと同じで、ジムに行ったら金持ちだろうと貧乏だろうと、いまの自分のありのままの肉体をさらすしかない。「オレは金を持っているぞ」と言っても、「懸垂ひとつ、できないのか」と言われればそれまでである。人は体を鍛えている人を無条件で尊敬する。
体力がある人、体を鍛えている人、肉体的に自分を律している人に対して、人は自然と尊敬や信頼を寄せる。そのような尊敬や信頼に支えられて抱く自信は本物である。
言ってみれば、トレーニングとは、地位も肩書も抜きにした、素のままの自分を客観的に認識し、それを磨き上げる作業である。
・鍛えた肉体は金で買えない
筋肉は、洋服や靴を買うように、お金を出せばその場で手に入るというわけにはいかない。また、一度手に入れても、ずっと自分のものになるわけではない。年齢とともに筋肉は衰えていくし、脂肪はつきやすくなる。維持するためには、それまで以上のトレーニングを続けていく必要がある。
トレーニングは、短絡的なことばかりがもてはやされている現代において、数少ない、短絡的でないものである。本当にトレーニングの意味を理解したら、「すぐに成果が上がる」「すぐに儲かる」といったうさんくさい謳い文句に心惹かれたり、お金ですべて解決できるような思想に惑わされそうになったりしても、「いや、そうじゃないな」と気づくことができる。
・2、3カ月続けば気持ちが変わる
俗な目的で始める人の多くは、トレーニングを続けることができない。1カ月もしないうちに、どんどん消えて淘汰されていく。だが、中には2カ月、3カ月と続けられる人たちもいる。そういう人たちは、まず気持ちが徐々に変わってくる。
3カ月くらいでは筋肉はたいしてつかないが、顔やお腹は多少引き締まってくるから、体の変化が見た目で分かるようになる。それによって周囲からの評価が変わる。
自分から触れ回らなくても、仕事仲間に「トレーニングしているんだな」と伝わる。「お腹が凹んできたじゃないですか」「最近いきいきしてますね」などと言われるようになる。地位と肩書とも関係のない無条件の尊敬は、人間の健全な自尊感情を高めてくれる。
・メンタルタフネスが向上する
正直、トレーニングは苦しい。しかし、それへの耐性ができることで、仕事や日常生活のトラブルやアクシデントに対しても「自分はあの辛さに耐えられるんだから大丈夫」と思えるようになる。
・歯磨きするように体を鍛える
トレーニングも、歯磨きのように習慣化することによって、続けられるようになる。最初の動機は「もてたい」「はやっているから」「健康診断が近い」など、どんなことでもいい。習慣になると自信がつく。
自分で決めた行動を習慣化すると、メンタルタフネスは確実に向上する。
芸術家がすごい作品を作れるのは、もちろん才能の賜物である。しかし、才能だけでは作品は生まれない。人が遊んだりテレビを見たりしている間も、ずっと作品に向き合う。その粘り強さあってのものなのである。
・トレーニング習慣は成功者の条件
アメリカのエグゼクティブの間では、肥満は問題外、単に痩せているだけでなく、トレーニングによって体を鍛えるのがもはや常識になっている。太っているのは自分自身をコントロールできない証拠で、そんな人にリーダーとして他人を率いていけるわけがないとみなされる。逆に鍛え上げた体は、その人が精神的にタフで、自制心を備えていることの証になるのである。
・半年続けば半永久的に続けられる
トレーニングにチャレンジして、2、3カ月続けることができれば、自分や周囲に変化が表れる。2、3カ月続けば、半年まであと少しである。半年続けば、ほとんど半永久的に続けられる。
半年続けることができれば、トレーニングはその人にとって、間違いなく習慣になる。人はもともと安定したい生き物だから、半年続けたことがあると、その人のライフスタイルの一部になる。
・「画期的で斬新な方法」などそうそうない
同じことをシンプルに続けていけば、そのトレーニング法に効果があったのかなかったのかの検証がしやすい。逆に、やたらにいくつものトレーニング法を試すと、一つひとつの方法の効果が検証できない。
・筋肉を成長させる3条件
第1の条件は「機械的破壊」である。簡単に言えば筋肉を壊すこと。
筋肉繊維は傷つき、破壊されることによって再生が始まる。そして破壊の度合いが適度に大きいと、破壊前の状態に戻る以上に再生が進んで、「筋肉が太くなる」現象として表れる。これがいわゆる「超回復」と呼ばれる現象である。
トレーニング翌日の筋肉痛は、まさに筋肉が破壊された証拠である。逆に言えば、痛みが残らないようなトレーニングでは、筋肉の成長を最大限に促すことはできない。
第2の条件は「成長ホルモンの分泌」である。
成長ホルモンの分泌を促す体内環境は、ある程度人為的につくりだすことが可能である。
方法としては、筋肉を短時間のうちに疲労させ、酸素の供給を減らし、代謝産物である乳酸を多量に分泌させる。具体的にはインターバルの短いセットを組んだり、加圧トレーニングなどを行うとよい。
また、トレーニング後や睡眠時は、成長ホルモンの分泌レベルが高くなるので、そのタイミングでアミノ酸やプロテインパウダーを摂取することも効果的である。
第3の条件は「適切な負荷」である。負荷とは、重さ・回数・休憩時間・動作の難易度などのレベルを指す。筋肉によい変化を起こすためには、トレーニングをする毎に、少しずつ負荷を大きくしていくことが必要である。
同じ内容のトレーニングメニューを淡々とこなすのでも、やらないのに比べれば、はるかにメリットが大きい。しかし、筋肉を成長させるには、やはり継続的に負荷を大きくしていく必要がある。
・原則をマスターすれば成果が上がる → 5つの原則
・結果を意識して行動する-意識性
・バランスをとりながら鍛える-全面性
筋トレばかりやっていたら、筋肉が硬くなってしまい故障しやすくなる。だから、ストレッチなどの運動も必要である。
・常に新しい刺激を与える-漸進性
漸進とは少しずつ進むという意味である。「過負荷」の原則ともいう。
トレーニングを続けるにあたっては、運動メニューを少しずつ変化させ、負荷を大きくしていく必要がある。同じ運動を続けていくと体が負荷に慣れ、楽にこなせるようになってしまい、トレーニング効果が頭打ちになってしまう。
勉強や仕事においても、人は少し背伸びしたとき、少し無理を感じるときに、最も成長すると言われている。少しずつでいいから、常に新しい刺激を与えていかなければならないのは、肉体も同じである。
・個性に合った方法を考える-個別性
体は一人ひとり違うから、同じトレーニングをしても効果が異なる。「このトレーニング法だったら誰でもOK」というような方法は絶対に存在しない。効果を上げるには、個人の個性に合わせたトレーニングをするのが鉄則である。
・やらなければ結果は出ない-SAIDの原則
「SAID」とは「Specific Adaptation to Imposed Demand(人体は与えられた負荷に見合った適応現象を起こす)」という意味である。「特異性の原則」とも言われている。
ようするに、やればやっただけの結果が出るし、やらなければ結果は出ない。
逆に言えば、「こうありたい」という目標があったら、そういう変化が起こるような負荷をかけてやればいいということである。
・変化が定着するまで続ける-継続性
たとえ1カ所の筋肉を鍛えるだけでも、だいたい6週間くらいは同じ方法を続けてやらなければ結果は見えてこない。
・筋トレすると体が重くなる?
筋肉をつけるとは、その分、体が重くなることである。減量目的で筋トレをする場合は、そのことをきちんと認識する必要がある。
・筋肉をつけると痩せやすくなる?
基礎代謝量とは、生体の生命維持のために最小限必要な代謝量のことで、要は1日寝ていて全く体を動かさなくても消費されるエネルギーのことである。日本人成人男子の場合平均で1日1400キロカロリーくらいである。
筋肉が1キロ増えると、だいたい1時間あたり15キロカロリー基礎代謝量がアップする。すなわち1日の消費カロリーが360キロカロリー増えるということである。1カ月に換算すれば、1万キロカロリー以上。脂肪1キロを燃焼するのに必要なエネルギーは約7000キロカロリーであるから、1カ月で1キロ以上の減量ができそうに思える。しかし、これはあくまで理論上の話である。そもそも筋肉をつけるのには長い時間がかかる。筋肉1キロを純粋に増やそうと思ったら、約1年間が必要だと言われている。
普通の人が、筋肉をつけて基礎代謝を上げることで痩せようとするのは、はっきり言って非現実的である。よく雑誌の特集にある「2週間で筋肉をつけて痩せよう」というような幻想は、もう捨てるべきである。
・有酸素運動をすれば痩せられる?
どんなにわずかな運動であっても、人が体を動かすとカロリーを消費する。
主なエネルギー源になるのは、体内にあるグリコーゲン、アミノ酸、脂肪酸である。
脂肪酸はエネルギーに変換されるまでに時間がかかるから、短距離走や重量挙げのような短時間に瞬発的なエネルギーを必要とする無酸素運動の時には使えない。無酸素運動の時には、主にグリコーゲンやアミノ酸が使われる。筋肉をつけることを目的にした筋トレも無酸素運動だから、残念ながら筋トレで直接的に脂肪酸が使われることはない。すなわち、脂肪はほとんど減らない。
時間でいうと20分以上、ある程度持続的な運動をする時は、脂肪酸がエネルギー源として使われるようになる。その際、エネルギーを生み出すのに酸素が必要なので、このような運動は有酸素運動を呼ばれる。
体重を減らすという点だけから見れば、有酸素運動には投資した時間ほどの見返りはない。
・有酸素運動をするとシワが増える?
有酸素運動にはデメリットもある。激しい運動によって体内に発生した活性酸素は、老化の速度を加速させると言われている。
・筋肉はなぜ暴走するのか?
「筋肉は暴走する」というのは、体を鍛えることにはある種の中毒性があることを意味する。
筋肉をつけるには時間がかかるが、努力の結果はそのまま素直に出る。だからいったん筋肉がつきだすと、トレーニングがどんどんおもしろくなってくる。更に漸進性の原則から、常に負荷を重くしていかないと筋肉は成長しないので、トレーニングは益々ハードになり、エスカレートする。
筋トレしかしなかったら、柔軟性はどんどん失われるので、筋力は強いのに、すぐに肉離れするようになってしまう。
暴走に歯止めをかけるものは、やはり客観的な意見である。依存状態に陥ると、必ず周りの人は「そんなにトレーニングして何が楽しいの?」と尋ねるから、その時には我に返ることである。
どんな運動にもメリット、デメリットがある。「運動のための運動」になって、運動が自己目的化してしまうと、往々にしてデメリットの方が大きくなってしまう。
・筋肉は何歳まで鍛えられるのか?
高齢になってもトレーニングをして刺激を与えれば、筋量は維持され、場合によっては肥大する。既に筋の委縮が深刻な状態まで進んでしまっても、適切なトレーニングを行うことによって、回復させることも可能である。
年をとっても運動ができるのは、昔からやっている部分が大きい。
・中学生が筋トレをしても効果がない?
中学生後半くらいになると、男性ホルモンの分泌が盛んになって、顔つきや体つきが「男らしい」感じになってくる。この時期が筋トレを始めるのに最適な時期である。
高校生くらいでトレーニングを始めると、本当に劇的に変わる。何を食べても脂肪はつかないし、何を食べても筋肉がつく。また、この時期にきちんと筋肉を鍛えておくと、その後、運動をする機会がなく、40歳になってトレーニングを再開したという場合でも、全くやっていなかった人に比べると効果が出るのが早い。
トレーニングをしていた経験がある人の方が、そうでない人に比べてトレーニングに対しての反応性が高いと言われている。
・トレーニング効果と生活リズムの密接な関係
トレーニングによって筋肉は一時的に破壊される。それが破壊された分を上回って回復することで、筋肉がついてくる。破壊された筋細胞がうまく回復するかどうかを大きく左右するのが、睡眠と栄養である。
だから、筋肉を鍛えるためには、適切なトレーニングプログラムを組むだけではだめで、睡眠と栄養も計画的に取り入れないと効果が得られない。
・時間帯によって効果が異なる
1日24時間の中で、いつトレーニングするのが最も効果的なのか?
寝る直前がベストである。仮に12時に寝るとすれば、11時頃から始める。
また、トレーニングする時間は、毎回同じ方がいい。
・痩せたかったら朝食前に運動する
もともと朝は、血糖値が低く、エネルギー源として血液中の遊離脂肪酸が消費されやすい。この状態で、更にまた脂肪酸を消費する有酸素運動をすると、体はエネルギー源として蓄えられた体脂肪を積極的に使い始める。これにより体脂肪率が減少する。
朝、軽くアミノ酸と水を飲んでジョギングするのがいい。
・筋トレ前には必ず炭水化物を
筋肉をつくる目的でトレーニングする場合、トレーニング前にはごはんやパンなどの炭水化物を食べて、エネルギー源を補給しておくことである。空腹でトレーニングをすると集中力が低下し、場合によっては筋肉の分解がかえって早まってしまう。
トレーニング前にアミノ酸を摂るとよいと言われるが、それだけでは筋肉の分解を抑えられない。
理想的にはトレーニングの1時間前まで、遅くとも30分くらい前までに、平均的な体格の男性なら、おにぎり1個くらいは食べた方がいい。
そして、トレーニング時間を通して、500ml以上は水分を摂るべきである。できればプロテインも摂った方がいい。
トレーニング後には、やはりアミノ酸を摂る必要がある。これは総合アミノ酸がいい。
また、筋トレをしている人は、通常よりも多くのたんぱく質が必要であり、それに伴ってビタミンやミネラルなども多めに摂らなければならない。
・有酸素運動の前後は「食べない」が基本
有酸素運動の場合、脂肪酸が血液中に少ない時をねらって行うと効果的で、始める前には食べない方がいい。
トレーニング前にアミノ酸と水分だけは摂っておくべきである。アミノ酸は脂肪になりにくいため、多少多めに摂ってもそれほど太らず、筋肉の分解を最小限に抑えることができる。
また、運動を終えた後は、すぐには食べず、ストレッチングなどをしながら、食事までに最低30分くらいは空けた方がいい。
運動直後はエネルギーが枯渇した状態なので、そこで食事をすると、必要以上に吸収が高まってしまう。
・痩せたかったら4時間おきに食べる
一回に食べる量を少なくすると、多量に食べる場合に比べてインスリンの分泌量が減る。
インスリンは、脂肪を体内に蓄える働きに関与する物質である。インスリンの分泌を抑えると、糖質の吸収が穏やかになり、脂肪として蓄積されにくい。だから、全体では同じ量でも、回数を分けて食べる方が太りにくい。
・しっかり寝ないと筋肉はつかない
トレーニングによって傷ついた筋肉は、本来ならば睡眠中に修復されるべきところ、それが十分にできないのであれば、翌日はすっかり疲労困憊してしまう。
仕事がハードで睡眠時間があまりとれそうにない場合であれば、トレーニングはソフトにやるべきである。とれる睡眠時間に応じて、その中で回復できるくらいのトレーニングをする方がいい。
・睡眠にはゴールデンタイムがある
睡眠は時間量だけでなく時間帯も重要である。
一般的に日本人は、夜11時~12時と深夜2時~3時に成長ホルモンが最も多く分泌されると言われている。成長ホルモンは、傷ついた筋肉を修復し、疲労を回復させるのに使われる。
寝る前3時間以内の炭水化物の摂取は成長ホルモンの分泌を妨げると言われているので注意が必要である。
・スタイリッシュで機能的なウェアとは?
トレーニング界で大流行しているのは「アンダーアーマー」というメーカーのウェアである。体の動きを全く邪魔しない。裸でいるのと同じような感覚で、一瞬、着ているのを忘れるくらいである。
いま現場でバリバリ働いている第一線のビジネスパーソンには、体を鍛えている人が非常に多い。彼らは忙しい中でもきちんと時間をとって、定期的に体を動かしている。
トレーニングをすることによって、精神的にタフになる、思考がポジティブになる、直感力が高まる、クリエイティビティが磨かれるなど、メンタル面でのメリットもはかりしれない。
・自分本来の輪郭を保つ
「銭湯や温泉に行けば、偉い人もそうでない人も、みんな同じ。裸のつきあいができる。」それと同じで、ジムに行ったら金持ちだろうと貧乏だろうと、いまの自分のありのままの肉体をさらすしかない。「オレは金を持っているぞ」と言っても、「懸垂ひとつ、できないのか」と言われればそれまでである。人は体を鍛えている人を無条件で尊敬する。
体力がある人、体を鍛えている人、肉体的に自分を律している人に対して、人は自然と尊敬や信頼を寄せる。そのような尊敬や信頼に支えられて抱く自信は本物である。
言ってみれば、トレーニングとは、地位も肩書も抜きにした、素のままの自分を客観的に認識し、それを磨き上げる作業である。
・鍛えた肉体は金で買えない
筋肉は、洋服や靴を買うように、お金を出せばその場で手に入るというわけにはいかない。また、一度手に入れても、ずっと自分のものになるわけではない。年齢とともに筋肉は衰えていくし、脂肪はつきやすくなる。維持するためには、それまで以上のトレーニングを続けていく必要がある。
トレーニングは、短絡的なことばかりがもてはやされている現代において、数少ない、短絡的でないものである。本当にトレーニングの意味を理解したら、「すぐに成果が上がる」「すぐに儲かる」といったうさんくさい謳い文句に心惹かれたり、お金ですべて解決できるような思想に惑わされそうになったりしても、「いや、そうじゃないな」と気づくことができる。
・2、3カ月続けば気持ちが変わる
俗な目的で始める人の多くは、トレーニングを続けることができない。1カ月もしないうちに、どんどん消えて淘汰されていく。だが、中には2カ月、3カ月と続けられる人たちもいる。そういう人たちは、まず気持ちが徐々に変わってくる。
3カ月くらいでは筋肉はたいしてつかないが、顔やお腹は多少引き締まってくるから、体の変化が見た目で分かるようになる。それによって周囲からの評価が変わる。
自分から触れ回らなくても、仕事仲間に「トレーニングしているんだな」と伝わる。「お腹が凹んできたじゃないですか」「最近いきいきしてますね」などと言われるようになる。地位と肩書とも関係のない無条件の尊敬は、人間の健全な自尊感情を高めてくれる。
・メンタルタフネスが向上する
正直、トレーニングは苦しい。しかし、それへの耐性ができることで、仕事や日常生活のトラブルやアクシデントに対しても「自分はあの辛さに耐えられるんだから大丈夫」と思えるようになる。
・歯磨きするように体を鍛える
トレーニングも、歯磨きのように習慣化することによって、続けられるようになる。最初の動機は「もてたい」「はやっているから」「健康診断が近い」など、どんなことでもいい。習慣になると自信がつく。
自分で決めた行動を習慣化すると、メンタルタフネスは確実に向上する。
芸術家がすごい作品を作れるのは、もちろん才能の賜物である。しかし、才能だけでは作品は生まれない。人が遊んだりテレビを見たりしている間も、ずっと作品に向き合う。その粘り強さあってのものなのである。
・トレーニング習慣は成功者の条件
アメリカのエグゼクティブの間では、肥満は問題外、単に痩せているだけでなく、トレーニングによって体を鍛えるのがもはや常識になっている。太っているのは自分自身をコントロールできない証拠で、そんな人にリーダーとして他人を率いていけるわけがないとみなされる。逆に鍛え上げた体は、その人が精神的にタフで、自制心を備えていることの証になるのである。
・半年続けば半永久的に続けられる
トレーニングにチャレンジして、2、3カ月続けることができれば、自分や周囲に変化が表れる。2、3カ月続けば、半年まであと少しである。半年続けば、ほとんど半永久的に続けられる。
半年続けることができれば、トレーニングはその人にとって、間違いなく習慣になる。人はもともと安定したい生き物だから、半年続けたことがあると、その人のライフスタイルの一部になる。
・「画期的で斬新な方法」などそうそうない
同じことをシンプルに続けていけば、そのトレーニング法に効果があったのかなかったのかの検証がしやすい。逆に、やたらにいくつものトレーニング法を試すと、一つひとつの方法の効果が検証できない。
・筋肉を成長させる3条件
第1の条件は「機械的破壊」である。簡単に言えば筋肉を壊すこと。
筋肉繊維は傷つき、破壊されることによって再生が始まる。そして破壊の度合いが適度に大きいと、破壊前の状態に戻る以上に再生が進んで、「筋肉が太くなる」現象として表れる。これがいわゆる「超回復」と呼ばれる現象である。
トレーニング翌日の筋肉痛は、まさに筋肉が破壊された証拠である。逆に言えば、痛みが残らないようなトレーニングでは、筋肉の成長を最大限に促すことはできない。
第2の条件は「成長ホルモンの分泌」である。
成長ホルモンの分泌を促す体内環境は、ある程度人為的につくりだすことが可能である。
方法としては、筋肉を短時間のうちに疲労させ、酸素の供給を減らし、代謝産物である乳酸を多量に分泌させる。具体的にはインターバルの短いセットを組んだり、加圧トレーニングなどを行うとよい。
また、トレーニング後や睡眠時は、成長ホルモンの分泌レベルが高くなるので、そのタイミングでアミノ酸やプロテインパウダーを摂取することも効果的である。
第3の条件は「適切な負荷」である。負荷とは、重さ・回数・休憩時間・動作の難易度などのレベルを指す。筋肉によい変化を起こすためには、トレーニングをする毎に、少しずつ負荷を大きくしていくことが必要である。
同じ内容のトレーニングメニューを淡々とこなすのでも、やらないのに比べれば、はるかにメリットが大きい。しかし、筋肉を成長させるには、やはり継続的に負荷を大きくしていく必要がある。
・原則をマスターすれば成果が上がる → 5つの原則
・結果を意識して行動する-意識性
・バランスをとりながら鍛える-全面性
筋トレばかりやっていたら、筋肉が硬くなってしまい故障しやすくなる。だから、ストレッチなどの運動も必要である。
・常に新しい刺激を与える-漸進性
漸進とは少しずつ進むという意味である。「過負荷」の原則ともいう。
トレーニングを続けるにあたっては、運動メニューを少しずつ変化させ、負荷を大きくしていく必要がある。同じ運動を続けていくと体が負荷に慣れ、楽にこなせるようになってしまい、トレーニング効果が頭打ちになってしまう。
勉強や仕事においても、人は少し背伸びしたとき、少し無理を感じるときに、最も成長すると言われている。少しずつでいいから、常に新しい刺激を与えていかなければならないのは、肉体も同じである。
・個性に合った方法を考える-個別性
体は一人ひとり違うから、同じトレーニングをしても効果が異なる。「このトレーニング法だったら誰でもOK」というような方法は絶対に存在しない。効果を上げるには、個人の個性に合わせたトレーニングをするのが鉄則である。
・やらなければ結果は出ない-SAIDの原則
「SAID」とは「Specific Adaptation to Imposed Demand(人体は与えられた負荷に見合った適応現象を起こす)」という意味である。「特異性の原則」とも言われている。
ようするに、やればやっただけの結果が出るし、やらなければ結果は出ない。
逆に言えば、「こうありたい」という目標があったら、そういう変化が起こるような負荷をかけてやればいいということである。
・変化が定着するまで続ける-継続性
たとえ1カ所の筋肉を鍛えるだけでも、だいたい6週間くらいは同じ方法を続けてやらなければ結果は見えてこない。
・筋トレすると体が重くなる?
筋肉をつけるとは、その分、体が重くなることである。減量目的で筋トレをする場合は、そのことをきちんと認識する必要がある。
・筋肉をつけると痩せやすくなる?
基礎代謝量とは、生体の生命維持のために最小限必要な代謝量のことで、要は1日寝ていて全く体を動かさなくても消費されるエネルギーのことである。日本人成人男子の場合平均で1日1400キロカロリーくらいである。
筋肉が1キロ増えると、だいたい1時間あたり15キロカロリー基礎代謝量がアップする。すなわち1日の消費カロリーが360キロカロリー増えるということである。1カ月に換算すれば、1万キロカロリー以上。脂肪1キロを燃焼するのに必要なエネルギーは約7000キロカロリーであるから、1カ月で1キロ以上の減量ができそうに思える。しかし、これはあくまで理論上の話である。そもそも筋肉をつけるのには長い時間がかかる。筋肉1キロを純粋に増やそうと思ったら、約1年間が必要だと言われている。
普通の人が、筋肉をつけて基礎代謝を上げることで痩せようとするのは、はっきり言って非現実的である。よく雑誌の特集にある「2週間で筋肉をつけて痩せよう」というような幻想は、もう捨てるべきである。
・有酸素運動をすれば痩せられる?
どんなにわずかな運動であっても、人が体を動かすとカロリーを消費する。
主なエネルギー源になるのは、体内にあるグリコーゲン、アミノ酸、脂肪酸である。
脂肪酸はエネルギーに変換されるまでに時間がかかるから、短距離走や重量挙げのような短時間に瞬発的なエネルギーを必要とする無酸素運動の時には使えない。無酸素運動の時には、主にグリコーゲンやアミノ酸が使われる。筋肉をつけることを目的にした筋トレも無酸素運動だから、残念ながら筋トレで直接的に脂肪酸が使われることはない。すなわち、脂肪はほとんど減らない。
時間でいうと20分以上、ある程度持続的な運動をする時は、脂肪酸がエネルギー源として使われるようになる。その際、エネルギーを生み出すのに酸素が必要なので、このような運動は有酸素運動を呼ばれる。
体重を減らすという点だけから見れば、有酸素運動には投資した時間ほどの見返りはない。
・有酸素運動をするとシワが増える?
有酸素運動にはデメリットもある。激しい運動によって体内に発生した活性酸素は、老化の速度を加速させると言われている。
・筋肉はなぜ暴走するのか?
「筋肉は暴走する」というのは、体を鍛えることにはある種の中毒性があることを意味する。
筋肉をつけるには時間がかかるが、努力の結果はそのまま素直に出る。だからいったん筋肉がつきだすと、トレーニングがどんどんおもしろくなってくる。更に漸進性の原則から、常に負荷を重くしていかないと筋肉は成長しないので、トレーニングは益々ハードになり、エスカレートする。
筋トレしかしなかったら、柔軟性はどんどん失われるので、筋力は強いのに、すぐに肉離れするようになってしまう。
暴走に歯止めをかけるものは、やはり客観的な意見である。依存状態に陥ると、必ず周りの人は「そんなにトレーニングして何が楽しいの?」と尋ねるから、その時には我に返ることである。
どんな運動にもメリット、デメリットがある。「運動のための運動」になって、運動が自己目的化してしまうと、往々にしてデメリットの方が大きくなってしまう。
・筋肉は何歳まで鍛えられるのか?
高齢になってもトレーニングをして刺激を与えれば、筋量は維持され、場合によっては肥大する。既に筋の委縮が深刻な状態まで進んでしまっても、適切なトレーニングを行うことによって、回復させることも可能である。
年をとっても運動ができるのは、昔からやっている部分が大きい。
・中学生が筋トレをしても効果がない?
中学生後半くらいになると、男性ホルモンの分泌が盛んになって、顔つきや体つきが「男らしい」感じになってくる。この時期が筋トレを始めるのに最適な時期である。
高校生くらいでトレーニングを始めると、本当に劇的に変わる。何を食べても脂肪はつかないし、何を食べても筋肉がつく。また、この時期にきちんと筋肉を鍛えておくと、その後、運動をする機会がなく、40歳になってトレーニングを再開したという場合でも、全くやっていなかった人に比べると効果が出るのが早い。
トレーニングをしていた経験がある人の方が、そうでない人に比べてトレーニングに対しての反応性が高いと言われている。
・トレーニング効果と生活リズムの密接な関係
トレーニングによって筋肉は一時的に破壊される。それが破壊された分を上回って回復することで、筋肉がついてくる。破壊された筋細胞がうまく回復するかどうかを大きく左右するのが、睡眠と栄養である。
だから、筋肉を鍛えるためには、適切なトレーニングプログラムを組むだけではだめで、睡眠と栄養も計画的に取り入れないと効果が得られない。
・時間帯によって効果が異なる
1日24時間の中で、いつトレーニングするのが最も効果的なのか?
寝る直前がベストである。仮に12時に寝るとすれば、11時頃から始める。
また、トレーニングする時間は、毎回同じ方がいい。
・痩せたかったら朝食前に運動する
もともと朝は、血糖値が低く、エネルギー源として血液中の遊離脂肪酸が消費されやすい。この状態で、更にまた脂肪酸を消費する有酸素運動をすると、体はエネルギー源として蓄えられた体脂肪を積極的に使い始める。これにより体脂肪率が減少する。
朝、軽くアミノ酸と水を飲んでジョギングするのがいい。
・筋トレ前には必ず炭水化物を
筋肉をつくる目的でトレーニングする場合、トレーニング前にはごはんやパンなどの炭水化物を食べて、エネルギー源を補給しておくことである。空腹でトレーニングをすると集中力が低下し、場合によっては筋肉の分解がかえって早まってしまう。
トレーニング前にアミノ酸を摂るとよいと言われるが、それだけでは筋肉の分解を抑えられない。
理想的にはトレーニングの1時間前まで、遅くとも30分くらい前までに、平均的な体格の男性なら、おにぎり1個くらいは食べた方がいい。
そして、トレーニング時間を通して、500ml以上は水分を摂るべきである。できればプロテインも摂った方がいい。
トレーニング後には、やはりアミノ酸を摂る必要がある。これは総合アミノ酸がいい。
また、筋トレをしている人は、通常よりも多くのたんぱく質が必要であり、それに伴ってビタミンやミネラルなども多めに摂らなければならない。
・有酸素運動の前後は「食べない」が基本
有酸素運動の場合、脂肪酸が血液中に少ない時をねらって行うと効果的で、始める前には食べない方がいい。
トレーニング前にアミノ酸と水分だけは摂っておくべきである。アミノ酸は脂肪になりにくいため、多少多めに摂ってもそれほど太らず、筋肉の分解を最小限に抑えることができる。
また、運動を終えた後は、すぐには食べず、ストレッチングなどをしながら、食事までに最低30分くらいは空けた方がいい。
運動直後はエネルギーが枯渇した状態なので、そこで食事をすると、必要以上に吸収が高まってしまう。
・痩せたかったら4時間おきに食べる
一回に食べる量を少なくすると、多量に食べる場合に比べてインスリンの分泌量が減る。
インスリンは、脂肪を体内に蓄える働きに関与する物質である。インスリンの分泌を抑えると、糖質の吸収が穏やかになり、脂肪として蓄積されにくい。だから、全体では同じ量でも、回数を分けて食べる方が太りにくい。
・しっかり寝ないと筋肉はつかない
トレーニングによって傷ついた筋肉は、本来ならば睡眠中に修復されるべきところ、それが十分にできないのであれば、翌日はすっかり疲労困憊してしまう。
仕事がハードで睡眠時間があまりとれそうにない場合であれば、トレーニングはソフトにやるべきである。とれる睡眠時間に応じて、その中で回復できるくらいのトレーニングをする方がいい。
・睡眠にはゴールデンタイムがある
睡眠は時間量だけでなく時間帯も重要である。
一般的に日本人は、夜11時~12時と深夜2時~3時に成長ホルモンが最も多く分泌されると言われている。成長ホルモンは、傷ついた筋肉を修復し、疲労を回復させるのに使われる。
寝る前3時間以内の炭水化物の摂取は成長ホルモンの分泌を妨げると言われているので注意が必要である。
・スタイリッシュで機能的なウェアとは?
トレーニング界で大流行しているのは「アンダーアーマー」というメーカーのウェアである。体の動きを全く邪魔しない。裸でいるのと同じような感覚で、一瞬、着ているのを忘れるくらいである。