『新☆再生縁-明王朝宮廷物語-』は9年間の連載を経て昨年12月に最終巻が出て完結した男装少女マンガですが、史実に少々の脚色を加え、架空の人物は4人しか居ないというほど歴史的骨格がしっかりしており、1巻で無実の罪で投獄された父の敵の手に落ちそうになった孟麗君が追っ手を逃れて川に飛び込み、溺れ死にそうになったところをたまたまお忍びで舟遊びをしていた皇太子に助けられるという運命の出会い(その時は互いに名乗らず別れる)を果たしたのち、父を救うため、男装し酈君玉(り くんぎょく)として科挙を受けて状元及第して宮廷に飛び込み、っそこで皇太子に再会し、臣下として彼に仕えることになってしまい正体がばれないか冷や冷やする一方、皇太子が生まれた時から萬(ばん)貴妃という皇后でもないのに後宮の実権を握り、皇帝を言いなりにさせている女から命を狙われ、近頃は皇帝からも冷遇されているということを知り、また彼の賢君ぶりや優しい人柄に惹かれて心から忠誠を誓い、皇太子を工程の座に着けるために臣下として並々ならぬ努力をする物語です。
麗君(君玉)と皇太子の間の恋愛関係、麗君の親同士が決めた許嫁・蝗埔小華(こうほ しょうか)との関係、君玉の同期で榜眼及第した劉奎璧(りゅう けいへき)との緊張関係など緊迫した人間関係が盛りだくさんでかなりハラハラさせるストーリー展開。1巻を読むともう先が気になって止まらなくなるほど魅力のあるマンガです。