『伊勢物語』や『土佐日記』等の様々な作品に引用される『古今和歌集』の和歌。ではその引用元の勅撰和歌集とはどんな感じなのか読んでみたくて手に取ったのが本書。
古今和歌集は、醍醐天皇の勅によって、紀友則・紀貫之・凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)・壬生忠岑(みぶのただみね)の四人が選した和歌集で、延喜5年(西暦905年)に奏上されました。約1100首の和歌が20巻に収められています。
前半の10巻は、四季歌の春上下・夏・秋上下・冬の6巻から始まり、その後に賀歌・離別歌・羇旅歌・物名が各1巻ずつ続きます。
後半の10巻は、恋歌5巻、哀傷歌1巻、雑歌上下巻、雑躰(長唄や旋頭歌のように31文字でないものや俳諧歌のように主題が特殊なもの)1巻、大歌所御歌(神事とかかわりの深い歌)1巻となっています。
本書にはもちろんこれらすべての和歌が収録されているわけではなく、およそ70首くらいの和歌を各巻から抜粋して紹介・解説されています。解説の中で別の関連する和歌が紹介されていることもあり、和歌同士の繋がりも分かるようになっています。
歌の並べ方にも撰者の意図あるいは解釈が反映されているようなので、連続する和歌が醸し出す世界観のようなものを味わうには全首収録されている古今和歌集を読む必要があるとか。
味わい深いとは思いますが、今は古典本を連続して読んだせいで、少々食傷気味です( ´∀` )
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