うたたねこと

ちょっぴり皮肉、かつ、お気楽
うたた寝ネコが薄目で見た日常と社会

脱「『捨てる!』技術」宣言

2008-08-07 21:48:29 | うたたねこと~日々雑感
グウタラ主婦を標榜する私は、とにかく片付け・整理ベタ。
それでも数年前までは、何とかしたいと整理本・掃除本を愛読、努力していました。
そういう努力を放棄しだしたのは、例の「『捨てる!』技術」を読んでからだった気がします。

これが私には、すっかり逆効果だったんですね。
もちろん、それまでの本も不要物を捨てることは勧めていた。 でも、ここまで過激ではなかった。
発売当時も様々な議論があったけれど、私も、何故そこまで捨てることにこだわるかと思ったクチ。
これはライフスタイルによると思いますが、著者は流行を追う仕事なので、古い情報は役に立たないかも知れない。 でも、情報の蓄積が役に立つ人もいるのです。 それが物に対する姿勢にも反映されてくるのでしょう。

「捨てる」といっても、即ゴミにすることを意味していないし、何でもかんでも捨てろと言っているのではないと分かっていますが、それでも、反発と戸惑いを感じました。
この本で最も印象的(衝撃的)なのは、「あなたにとって大事な物でも、あなたが死んだらただのゴミ」(この通りの文ではなかったかも知れないけれど、こういう意味だったと思う)というくだりでしょう。
それは客観的事実かも知れないけど、「それを言っちゃあ、お終い」という感じだった。 結局、「あなたの生は他人にとって何の意味もない」と言ってるのと同じですから。
「いま使っていない物は捨てても後悔しない」というのは他の本でも言ってることですが、私は経験から「捨てた後で必要になる」というマーフィーの法則の方を信じます。
「後悔することを恐れるな」(「『しまった!』を恐れるな」という言い方だったかな?)とも著者は言っているけど、それこそ無理というもの。 ていうか、そこまで他人の心の問題に指図するな!
とにかく捨てさせて新しい物を買わせよう、という商業戦略が透けて見える感もありました。

というわけで、あまりに繰り返し「捨てろ!捨てろ!」というのに返って反発を感じ、片づけ・整理が益々嫌いになってしまったのです。 その後で出てくる家事・整理本も柳の下のドジョウを狙ったように、「捨てろ! 捨てろ!」の大合唱だし。
グウタラ主婦を名乗るのは、なぜ捨てなきゃいけない? そんなに整理整頓が大事か?という開き直りもあってです。
とは言え、片付かなさは益々ひどくなり、内心忸怩(じくじ)たるものがありました。

けれど、最近「もったいない」という言葉が復活して、ちょっぴり肩身が広くなった気もします。
反発して逆を行くのも、結局は囚われているから。
片付けるのは悪いことじゃないし、時には捨てることが必要な場合もあるでしょう。
もう少し自由になって考え直してみたいと思っています。

コメント
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