うたたねこと

ちょっぴり皮肉、かつ、お気楽
うたた寝ネコが薄目で見た日常と社会

祝 富士山 世界文化遺産登録決定

2013-06-23 21:57:56 | うたたねこと~日々雑感
 まずは明るいニュースということで、登録決定おめでとうございます。

 除外が勧告されていた三保の松原が逆転承認されたのもよかった。 地元の方々には、それぞれの土地からの富士山のイメージがあるでしょうが、多くの日本人には三保の松原からの富士山のイメージが強いのも事実。
 最後まで粘り強く交渉を続けた成果でしょう。日本外交の他の分野でもこれくらいやってくれれば…。 お金もだいぶ使ったのかな? まあ、それは観光で取り返せば―なんてダメダメ! 富士吉田市長のおっしゃるように、商業主義に走らず、環境保全に努めなければ。 世界遺産がゴミだらけなんて恥ずかしいことです。

 実は関西人の私、直に富士山を見たことがないのです。
 何度か東京に行くことはありましたが、季節のせいか車窓から富士山が見えたことがありません。
一度曇りの夕方、影のようなシルエットが見えたことがあったけれど、それは美しいというより、正直不気味に感じました。

 関西人の富士山観は関東・東海の人とは少し違っているかも。

 万葉集の山部赤人が富士を詠んだ歌にこういう言葉があります。
   
      渡る日の影も隠ろひ  照る月の光も見えず
      白雲もい行きはばかり 時じくぞ雪は降りける

孤高というか他を寄せ付けない峻厳なイメージです。 名前の連想から、時の権力者・藤原不比等が天皇・皇族(日月)をしのぐ勢いであることを暗示しているという説もあります。

 また風土記に、山の神が姿を変えて各地の山々を訪ねた時、富士山は冷たくあしらって泊めてあげなかったので人の近寄れない荒涼とした山にされ、温かくもてなした筑波山は人々が楽しく集う山となったという話があります。

 古代、中世には富士山は噴火を繰り返す荒ぶる山であり、関西人は富士山が畏れられた古代の記憶をいまだに引き継いでいるのかもしれません。
 それが収まって富士登山などで親しまれるようになった歴史は江戸中期ごろからで、まだ浅いといえます。

 富士山に代表される自然との付き合いの文化・ルール作りは、まだまだこれからの課題のようです。
 
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