キ上の空論

小説もどきや日常などの雑文・覚え書きです。

これから

2020年11月12日 | 二次創作・短文
 こんな風に何かを決めるには、ちょうど良いんじゃないかと思うんだ。
 今日は良い天気だった。風も冷たくなくて、着る服に迷わなかった。
 用事はあるんだけど、ないようなものだ。顔を見に来た。それから、話をしたくなったけど、特に話したいことはないんだ。
 暇がないって言うけど、お茶はおいしいよ。
 余裕ぶりたいなら、余裕があるみたいなことをしたらいいんじゃないか。だんだんそれが普通になって、だんだん色んなところにゆとりが出てくる。まとまりのない、つまらない話をしてもいいくらいには。
 必要なことばかりを身につけてきたから、そうでないかもしれないものを持て余すのは仕方ない。そう、上手く扱えないんだ。だからって触れずにいるのも惜しい気がして。これから先、何が自分を助けるものか、これと決めたものばかりに向かうわけではないからわからないだろう。
 口数が多いのは緊張しているからだ。自分でも意外だったけど、多分そうだと思う。まだおっかなびっくり自分を確かめているところがあって、自分の感情をつかめないこともある。それで、会いに来た。
 もちろん、その前に許可は取った。……君のじゃないな。でも、そういうことだから。見るからに甘そうだからって手もつけてないけど、この菓子の半分は賜り物だ。残りの半分は甘さを控えめにして作った。試しに、酸味のあるクリームをのせてみるといい。これとこれ。こっちが木イチゴで、こっちが緑スグリ。あ、やっぱり緑スグリの方か。保証するけど、木イチゴも甘い物好きをがっかりさせるくらいには甘くない。これは甘いから、試すなら少しずつ……やめるの、そう。グミがあったら、今度用意する。
 一度甘味好きを絶望させるベリータルトを作ってみようと思って。一緒に食べたい。駄目?
 紅茶は挨拶代わり。つまらないことも、そうでないことも含めて。
 少しずつで良い、お互いを知る毎日を始めていこう。
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