日本側負担 米兵1人あたり約1300万円
在日米軍の活動経費総額のうち、2013年度の日本側負担分は6452億円(前年度比63億円減)であることが、外務省が日本共産党の赤嶺政賢衆院議員に提出した資料を基にした「赤旗」の計算で判明しました(表)。米兵1人あたり約1300万円に達します。
7000億円を突破して過去最高となった10年度からは減っていますが、1990年代後半以降、同水準で推移しています。
米側は「内規の変更」を理由に、11年度以降は負担額を公表していません。ただ、これまでの傾向から、活動経費総額の半分以上を日本側が負担しているのは確実です。米国防費削減が続くなかで日本側の経費負担は死活的といえます。
外務省資料によれば、日本が負担するのは(1)基地の維持費(2)基地の建設費(3)燃料・油脂費(4)演習費―と、米兵の給与や装備の調達以外の全般にわたります。
もともと、在日米軍の経費負担は基地の地代などに限られていましたが、78年度に始まった米軍「思いやり予算」が拡大。日本人従業員の給与や米兵住宅の建設費、水光熱費、海外基地の建設費まで負担するようになりました。これらの大半は政府の解釈でも、日米安保条約上の負担義務がないものです。
民主党政権時の11年度には、民主、自民、公明3党の賛成により、11年度から5年間、2000億円規模の「思いやり予算」を維持する特別協定が承認されました。
米基地移転要求受け 農水省予算からも
外務省資料によれば、米軍関係経費の支出元は防衛省、総務省、厚生労働省ですが、実はこれだけにとどまりません。
政府が農地かんがい事業の一環として、沖縄県伊江村で進めている地下ダム建設に伴い、在沖縄海兵隊は同村内の分遣基地移転を要求。政府はこれを受け入れ、村内で移転工事を始めました。内閣府沖縄総合事務局によれば総工費は約15億円で、全額、農水省予算です。
現在の基地は1960年代から使用されており、老朽化していました。海兵隊は結果的に、最新鋭の基地を手に入れたのです。
これ以外にも、長崎県佐世保市で国土交通省の「道路特定財源」で米海軍将校住宅が建設されています。