東京外郭環状道路(練馬―世田谷区間約16キロ)のトンネル掘削工事が19日、世田谷区の東名高速道路ジャンクション(JCT)予定地で強行されました。
建設に反対する周辺住民らは掘削工事の「発進式」の会場前で、工事を強行した国と都、高速道路会社に抗議の声を上げました。
練馬区で、祖父の代から建設現場近くに住む男性(68)は「事業者は世界初の事業と胸を張るが、地下水や土地の変化は分からない。住宅地の真下を掘って、もし被害が出たらどう責任をとるのか」と憤ります。
地権者らでつくる野川べりの会の発起人でもある飯岡静子さん(74)は「地権者の家屋調査をしているが、被害が出る可能性があるということ。にもかかわらず危険性の説明は不十分で不安だけが増している」と指摘しました。
抗議行動には、日本共産党の宮本徹衆院議員(東京比例・東京20区重複予定候補)、里吉ゆみ都議、江口じゅん子世田谷区議、山田耕平、金子けんたろう両杉並区議、いび匡利都議予定候補(北多摩3区)、阿部真衆院東京22区予定候補が参加しました。
(写真)住民らとともに東京外環道のトンネル工事
開始に抗議する宮本議員(右から2人目)
=19日、東京都世田谷区
宮本氏らは集まった住民らとともに、プラカードや横断幕を掲げ、工事の中止をアピールしました。
東京外環道トンネル工事 40メートル以深の大深度地下に直径約16メートルの2本のトンネルを掘り進めるもの。“1メートル1億円”と、ばく大な費用がかかる上、地下水や地盤への影響などが懸念され、住民から不安の声が上がっています。