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きょうの潮流

2017-08-01 | コラム

球場が優しい空間に変わる一夜です。ジョン・レノンの「イマジン」の音色に包まれ、スタンドが緑に染まる。原爆ドームと同じ25メートルの高さには「ピースライン」と呼ばれる赤い帯も浮かび上がります▼プロ野球・広島カープは、核兵器廃絶と平和を願う「ピースナイター」を8月に企画してきました。10周年の今年は2日、みんなの平和の思いで夜空を照らします▼戦後70年の一昨年、広島の全選手が胸に「PEACE」(平和)、背番号86のユニホームでたたかいました。当時、エースだった前田健太投手(ドジャース)は、「小さな“幸”の積み重ねが平和への道」とつづっていました。戦後の焼け野原からともに歩んできたカープ。野球、スポーツを愛する人々が一つの願いでつながる日でもあります▼7月下旬、サッカー日本代表本田圭佑選手が、メキシコの地から平和の思いを発しました。パチューカの入団会見で、みずから選んだ背番号2の理由を説きました。「世界平和への憧れをずっと抱いています。2はそのままピース(サイン)。意味をつなげました」。そのまっすぐな意志が伝わってきます▼スポーツは「平和でよりよい世界をつくる」(オリンピック憲章)力があります。それは自覚的な選手たちの言葉、たたかう相手と結ぶ絆の中にも見ることができます▼戦争の惨禍と平和への思いを刻む72回目の8月が巡ってきました。スポーツから発せられるメッセージを深く心に焼き付けながら、その誓いを新たにしたい。

 


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