安倍政権が教授会の権限を剥奪し、「大学の自治」を揺るがす学校教育法改定案の今国会での提出をねらうなか、シンポジウム「いま、大学の自治を問う」が20日、京都大学(京都市左京区)で行われました。京都大学職員組合などが主催しました。
京大職組の山佳奈子副委員長が開会あいさつし、京都大学での総長選挙廃止の動きについて述べました。
(写真)「いま、大学の自治を問う」と題して
開かれたシンポジウム=20日、京都大学
西牟田祐二・京大職組委員長が、文科省の諮問機関である中央教育審議会大学分科会が2月に示したガバナンス改革案(審議まとめ)と学校教育法改定案について報告。西牟田氏は、学長の「リーダーシップ」確立を口実に、教授会の権限を奪い、外部から大学を統制するねらいを告発。報道で明らかになった改定案では教授会を学長の「助言機関」に位置づけていることを指摘し「これでは学長独裁の大学になる。大学の自治は、憲法が定める民主主義の基本的な制度であり、それを自覚して運動しなければいけない」と力を込めました。
鈴木眞澄・日本私大教連副委員長は、大学を企業と同列に扱う経済同友会の大学改革の提言を批判し、経済的利益を追求する企業と違い、大学は学問・研究のための組織であり、社会に還元する役割を持っていることを指摘。
中嶋哲彦・全国大学高専教職員組合委員長は、学外から学長を送り込めるように学長選挙を廃止し、教授会の権限を剥奪するというのは、教育研究の現場では何も決めさせず、大学を政府のコントロール下に置くことだと批判しました。
集会では、「学校教育法改正」に反対する緊急アピール・賛同署名が呼びかけられました。