沖縄防衛局は28日、名護市辺野古への米軍新基地建設のボーリング調査のため、コンクリート・ブロックを海に沈める作業を強行しました。県の許可のないままの違法工事。この暴挙を聞きつけ、辺野古の米海兵隊基地ゲート前には平日にもかかわらず200人以上の人が結集しました。「サンゴを破壊する。作業中止を」と、怒りと抗議のデモ行進をしました。
肉眼でも、ビニールシートのかかった台船や作業するタグボート、2隻の大型クレーン船が見えます。海上監視の報告を受けた沖縄平和運動センターの山城博治議長は、フロート(浮具)を固定する数十トンもあるコンクリート・ブロック(トンブロック)を海底に落とす作業だとのべました。ビニールのかかった台船は、前日に海底に落としたトンブロックの台座として使われていると話します。
抗議行動に日本共産党から西銘純恵県議、玉城ノブ子県議とともに参加した嘉陽宗儀県議団長は、「希少なサンゴの群落がある、あの海に、トンブロックを落とすことはむちゃで許せない行為です。しかも、県の許可もなく工事ありきの違法なものです」と厳しく批判します。
嘉陽団長は、埋め立て計画の中の、基地内を流れる美謝川の水路変更や、埋め立てる土砂を辺野古ダム周辺から運搬する問題などを挙げ、「安倍政権は途方に暮れた状態なのです。市長権限を行使して建設を止めようとしている稲嶺進市長を激励し、翁長知事に埋め立て承認の撤回を促す現場のたたかいを、今後も続けましょう」と話しました。
大型船による作業を強行したことに、県内首長の中にも「どこまで民意を無視するのか」と強い怒りがわき上がっています。
那覇市の城間幹子市長は「民意に選ばれた知事が国に作業中止を申し上げていることに、一切配慮がされていない。政府の言っている『日本国民』に沖縄は入っているのだろうか。民意を踏みにじるという意味で、『粛々』という言葉が使われている」と厳しく批判しています。