イワシ29・9%、キュウリ27・6%、豚肉11・0%、エアコン12・5%上昇…。総務省「消費者物価指数」によると、8月の物価は前年同月比で軒並み上がりました。消費税率が8%に引き上げられて半年。円安による原材料費高騰も加わり、食品などが続々値上げされ、家計に打撃を与えています。
新日本婦人の会の家計簿モニターには、「節約にも限界があり、消費税率10%となると、どうなるのかと思う」(北海道、53歳)、「衣類や帽子もほしかったが、結局は我慢。消費税率10%が恐ろしい」(東京、69歳)との声が寄せられています。
大手広告代理店、博報堂の生活総合研究所が1日に発表したリポートは、消費をけん引してきた20代女性の消費意欲指数の低下が最も大きかったことに注目。「消費税増税の影響を受けて、意欲を制限している」とのべています。
民間信用調査会社、東京商工リサーチによると、円安に起因する倒産は1~9月で累計214件。前年同期の2・4倍に急増しました。
内閣府の景気ウオッチャー調査(9月)には次のような声が寄せられています。
「円安や燃料費の高騰が続き、工事価格も大幅に上げなければ採算がとれない」(土石製品製造販売の従業員)
「消費税増税による商品の実質的な値上がりと円安による物価高は、実質賃金を押し下げているので、客は消費に対してますます慎重にならざるを得ない」(衣料品専門店の経営者)
安倍晋三政権が来年10月に税率10%への消費税増税を狙っていることに、小売り大手のトップからも懸念の声が出始めました。
セブン&アイ・ホールディングスの村田紀敏社長は2日の決算記者会見で、実収入が減っていることで消費者の購買が慎重になっているとのべ、「足元の状況で判断すると、(消費税再増税は)もう少し先に延ばした方がいい」との考えを示しました。
ユニーグループ・ホールディングスの前村哲路会長は3日の決算発表後の記者会見で、「消費税増税の影響が想定より大きかった」と発言しました。