解釈改憲を容認しつつ、明文改憲を進める
― 危険度さらに増す!
改憲派が集団的自衛権行使のための解釈改憲を容認しつつ、明文改憲を進めるという、憲法の全面破壊の動きを強めています。
「一昨年の安倍内閣の誕生以来、憲法問題は大きく動きだした」。改憲派議員でつくる新憲法制定議員同盟は、1日の大会決議で、安倍政権下ですすむ改憲の動きを高く評価しました。
集団的自衛権行使の問題では、「憲法改正に要する時間の問題からやむを得ない」と解釈改憲による容認姿勢を明記。同時に、「憲法改正にブレーキがかかってはならないことは強調する」としました。
「神棚から出せ」
大会の政党代表あいさつで自民党の船田元・憲法改正推進本部長は、「憲法は神棚にしまっておくものではない。ちゃぶ台に引っ張り出して、おかしい部分はどんどん変えていく」と明文改憲推進の立場を表明。自民、公明、民主、維新、みんな、結い、生活、改革の8党で改憲のための国民投票法改定を進めているとし、「8党の枠組みを使って憲法改正原案をつくっていきたい」と前のめりの姿勢を示しました。
国民投票法(改憲手続き法)の改定案を共同提出している各党からも改憲論議推進への大合唱が起こりました。
二大政党制が崩壊を深め、「第三極」勢力も破綻と混迷を深めつつ、自民党主導の改憲政治に各党が大合流する危険な流れが強まっている―。それをまざまざと示したのが今回の改憲議連の大会でした。
世論は反対多数
本来、衆参両院での3分の2以上の賛成による改憲発議と、国民投票の過半数の賛成で決まる憲法改定を、それが難しいからといって「解釈改憲」を容認するというのは、「憲法を無視する」ものにほかならず、近代的な立憲政治を否定することになります。
自民党は、国民投票法改定の見通しがついたとして改憲スケジュールの具体化に乗り出し、最短で2年後の2016年に初の国民投票実施を見据え、「環境権」創設など公明党や野党が同調しやすいテーマに絞り進める方針です。
国民世論は解釈改憲でも明文改憲でも反対が多数で、警戒を強めています。安倍政権の歴史逆流の中で、アジア各国が厳しい批判を強める中、“歴史修正”と“憲法修正”を同時に進める動きに対しアメリカからも批判が強まっています。