衆参両院の正副議長は19日、国会内で各党・各会派の幹事長・書記局長らを一堂に集め、天皇の退位をめぐる立法府の対応について意見を求めました。日本共産党からは小池晃書記局長、穀田恵二国対委員長、塩川鉄也衆院議員、仁比聡平参院議員が出席しました。
冒頭、大島理森衆院議長は、天皇退位問題について「国民を代表する国会において国民の総意を見つけ出すことを目的に意見聴取したい」と提起。その進め方として▽静かな環境のもとで進めるために、各党から個別に意見を聴取することを基本にする▽必要に応じ、節目、節目に全体会議を開く▽国会の審議権を制約するものではない―ことなどを提案しました。
小池氏は、天皇退位については政治の責任として 真剣な対応が必要だと強調しました。「どんなに高齢となっても仕事を続けなければならない今のあり方は、個人の尊厳に照らして見直す必要がある。高齢というのは誰にでも訪れるもので、現天皇だけの特別な事情ではないのだから皇室典範を改正するのが筋だ」と改めて党の立場を表明しました。
小池氏は、議論の進め方について、日本国憲法は天皇の地位について「主権の存する日本国民の総意に基く」ものとしており、国民的な議論が必要だと強調し、「全国民を代表する国会で各党・各会派の代表が参加する場を設け、国権の最高機関としての責任ある議論を行う必要がある」と述べました。
その上で小池氏は、国会が国民の期待に応える議論を行うために四つの点が必要だと述べ、▽「結論ありき」で批判をあびている「有識者会議」の議論を前提としない▽広く国民の意見を反映する、自由で冷静で落ち着いた議論をする▽議事録を作成し、国民のなかでの議論に資する ためにも公表する▽多数による結論を押しつけず法案審議をしばるものにはしない―ことを提起しました。
各党の意見聴取をめぐっては、安倍晋三首相が、両院の正副議長に「有識者会議」による「論点整理」を報告した上で各党からの意見聴取を要請し、これを受けて各党の意見を取りまとめて首相に回答するといった報道があり、国会が首相官邸の下請けになるのではないかという懸念が広がっていました。この点について民進党の野田佳彦幹事長がただすと、大島議長はそのようなやり方はしないと述べました。