政府が安保法制=戦争法の一部・改定PKO(国連平和維持活動)法の「駆け付け警護」の対象として、他国軍隊が含まれるとの認識を示していることが分かりました。赤旗紙が情報公開請求で入手した国家安全保障局資料「平和安全法制 論点集」で明らかになりました。
資料には、「駆け付け警護」の対象者について、PKOに従事する国際機関の職員や要員などのほかに「当該活動に参加する他国の軍隊等の要員」と明記されています。
昨年11月、南スーダンPKOに派遣される陸上自衛隊に「駆け付け警護」が付与された際、政府が閣議決定した「新任務付与に関する基本的な考え方」では、「駆け付け警護」に対する反対世論を受けて、他国の軍人の警護については「想定されない」としていました。しかし、法文上は「駆け付け警護」の対象を「活動関係者」としており、他国軍隊も排除していません。閣議決定は南スーダンへの派遣にのみ適用されたものです。
さらに、「論点集」では、PKOに加え、国連が統括しない「国際連携平和安全活動」に従事する者も「駆け付け警護」の対象者として規定しています。政府はこれに関して、陸上自衛隊のイラク派兵(2004~06年)のような活動も改定PKO法で可能との見解も示しています。
今後、新たに海外で自衛隊が任務を遂行する場合は、他国の軍隊に対しても「駆け付け警護」が行われる可能性があります。