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きょうの潮流

2017-10-08 | コラム

「私たち生き残った被爆者ががんばらなければいけない」。今夏亡くなった谷口稜曄(すみてる)さんの“ラストメッセージ”。英訳付きの動画がユーチューブに投稿され、話題になっていると本紙が伝えていました▼一日でも早く核兵器をなくす努力をしてもらいたい―。病床から世界に向けた最後の呼びかけ。赤くただれた背中に地獄を背負い、命尽きるまで核廃絶を訴えた谷口さん。長きにわたって原爆の実相を伝えてきた被爆者たちの活動が世界を大きく動かしています▼今年のノーベル平和賞を受けた核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン))。多くの国の団体を結びつける非政府組織の連合体は、悪魔の兵器のむごたらしさをひろめ、核兵器禁止条約の成立に貢献しました▼ICANの事務局長は「ヒバクシャ全員への平和賞」でもあると強調。ノーベル委員会も授賞理由のなかで「核軍縮にとりくむすべての人びとにささげるものだ」と語っています▼高まる非核の機運。しかし日本政府は条約に背を向け、安倍首相は北朝鮮の核・ミサイル問題にも圧力を口にするばかりです。条約に賛同しながら、米国の核の脅威を理由に参加を拒否する北の姿は、国際社会が一致して核ノーに踏み出す重要性を示しています▼ひとたび軍事衝突が起きれば、どれほどの破壊が現実に。それを回避するため、あらゆる努力を尽くせるか。被爆国日本が核のない世界をめざす先頭に立ち、平和を願う人びとの思いが結実した政府をつくるたたかいでもある選挙です。

 

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