日本共産党の志位和夫委員長は24日、衆院本会議で代表質問に立ちました。南スーダンPKO(国連平和維持活動)や貧困と格差の拡大が進む日本経済、米国追随が極まる日本外交など、国政の根本問題について安倍晋三首相の見解をただし、日本共産党の対案を示して安倍政治の転換を求めました。(質問全文)
南スーダンPKO
「安倍政権は南スーダンの深刻な現実に目をつぶり、覆い隠す、きわめて無責任な態度をとっている」―。志位氏は、内戦状態が続く南スーダンで、同国政府軍が国連PKOに敵対的行為を繰り返していると告発。日本政府が南スーダンへの武器輸出を禁止する国連の決議案に棄権して廃案にしたことを批判して、「決議案に賛成すれば、日本政府が現地の危機的な状況を自ら認めることになるからではないか」と追及しました。安倍首相はまともな理由も示さず「(決議は)生産的ではない」と強弁し、棄権を正当化しました。
格差と貧困ただす
日本経済について志位氏は、今日までの20年間の特徴的な変化として、富裕層への富の集中、中間層の疲弊、貧困層の拡大が進んだという事実を突きつけ、「格差と貧困をただす経済民主主義の四つの改革」を提案。税金の集め方の改革では、経済同友会が税制改革提言(2016年10月発表)で大株主優遇税制の是正を求めていることも示し、富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革が必要だと述べました。
外交政策について志位氏は、核兵器問題と米軍基地問題での安倍政権の「異常なアメリカ追随外交」を追及しました。
沖縄問題では、安倍政権が「日米同盟の強化」を前面に掲げて辺野古新基地建設を強行していることに対し、一連の選挙で繰り返し新基地反対の圧倒的審判が下されていると強調。さらに、昨年12月のオスプレイ墜落事故の後、飛行や空中給油の訓練の再開に安倍政権が「理解する」と表明し、県民や国民の安全より「日米同盟を優先」したことについて「主権国家の政府とは言えない恥ずべき態度だ」と指摘し、異常なアメリカ追随外交を根本から切り替えることを求めました。
憲法と共謀罪
安倍首相が施政方針演説で憲法改定に前のめりの姿勢をあからさまに示したことについて、志位氏は「現行憲法のどこが問題で、どう変えなければならないのか」とただしました。首相は全く答えられず、「国民的な議論の末に収れんしていく」と述べるだけでした。
志位氏は、政府が今国会で提出を狙う「共謀罪」(テロ等準備罪)法案について、犯罪の実際の行為のみを処罰する刑法の大原則に真っ向から反するだけでなく、憲法19条が保障する国民の思想や内心を処罰対象とする違憲立法だと指摘。政府が「テロ対策」を口実にしているが、すでに日本がテロ防止のためのすべての条約を締結し国内法も整備しているとして、「『テロ対策』の名で国民を欺き、国民の思想や内心まで取り締まろうという共謀罪は、モノ言えぬ監視社会をつくる“現代版の治安維持法”だ」と厳しく批判し、提出断念を迫りました。