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きょうの潮流

2017-10-15 | コラム

「プレバト」というテレビのバラエティー番組があります。俳句や生け花、水彩画などに芸能人が挑戦。作品を専門家が判定し、ランク付けしていきます▼とくに人気なのが俳句コーナー。辛口でおなじみの先生、夏井いつきさんは長年、俳句の普及活動にとりくんでいる俳人です。俳句は生活のすべてとつながっている、身の回りのどんなことも詠むことができると、幅広い楽しみ方を説いています▼〈梅雨空に「九条守れ」の女性デモ〉。さいたま市の女性が詠んだ俳句を「公民館だより」に掲載することを拒否した問題で一昨日、判決がありました。さいたま地裁は「公民館職員らが思想や信条を理由に不公正な取り扱いをした」として、違法を認め、市に賠償を命じました▼女性が所属する俳句サークルが選んだ作品は、これまで毎月、公民館だよりに掲載されてきました。しかし、選出された先の句は公民館の中立公平にそぐわないと。判決は一種の「憲法アレルギー」のような状態に陥っていたのではないか、と指摘します▼米国の戦争に日本を巻き込む違憲の集団的自衛権の行使容認。そこに安倍政権が突き進んでいた14年6月、銀座で反対デモに出合いつくったという句は、重く暗い動きを「梅雨空」に込めているよう▼俳句は世の中の動きを敏感に反映すると夏井先生。強権政治のもとで思想信条や表現の自由が脅かされているいま、行政に下した今回の判決は重い。朗報を聞いて同僚が詠んだ一句です。〈判決は自由守れと心秋晴れ〉

 

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