東電の場当たり対応続く
東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で5日、放射性物質を大量に含む汚染水がタンクから漏れました。4月に汚染水漏れを起こして使えなくなった地下貯水槽から移送していた汚染水が漏れたものです。
東電は、漏れはタンクの継ぎ目から起きたもので、継ぎ目の部分のボルトを強く締めなおせば止まると説明しています。ということは、汚染水を入れるためのタンクから漏れが起きないかどうかの事前の確認が甘かったことになります。
福島第1原発では、3月に2年近く野外に放置していた仮設の配電盤にネズミが入って回路がショートし、使用済み燃料プールの冷却が長時間止まる事故がありました。4月の汚染水漏れは、各地で環境汚染が問題になっている“ごみ処分場のような構造”の地下貯水槽に汚染水を入れて起きたものでした。
配電盤にネズミが入らないようにすることは、電気にたずさわるものなら“常識”となっていることです。福島第1原発の汚染水問題は危機的状況となっているにもかかわらず、今回の汚染水漏れは東電の場当たり的でいいかげんな対応がいまだにただされていないことを示すものです。