風水術と気功との関係

気・と言う言葉があります。　これは中国に古来から伝わる、宇宙、自然、生命の活動を成りた立たせている根元的生命力という、概念を言葉に表したもの。つまり、目にも見えず、手にも触れることは出来ないが、確かにそこに存在している根元的生命エネルギーのことを、気・と言う言葉で表現しているわけです。

こうした気・の考え方を基本にして、占術で用いられる陰、陽の考え方が生じ、天地、万物の生成を理論的に体系づけていきました。この、気・と言うエネルギーの流れを人間の体内でうまくコントロールする技術が、現在中国で朝の公園には何組かの人達が必ず行っていると言われる気功と言う技術です。

日本でも昔からある太極拳や按摩、鍼、灸などの　いわゆる東洋式健康術は、この気功の考え方とほとんど同じものといってよいものです。気功では人間の体内には、内臓と身体の表面を結ぶエネルギーの通り道、すなわち、気・の道が１２本あるとされ、それを経絡と呼びます。

そして経絡上にある　気エネルギーの出入り口を経穴と呼ぶのですが、この経穴は一般に　ツボ　と呼んでいて、指圧や鍼、灸、での刺激点と呼ぶところです。　このような気功における人体の経絡、経穴、気・の流れと言う考え方を、人間の体内ではなく自然環境に置き換えたものが風水なのです。

風水の風は天の　気・水は地の　気・の象徴とされ(蔵風得水)と言う言葉のように、山によって天の　気・をたたえており、水によって地の　気・をたたえている場所が良いとされ、大地の経絡、経穴、として理解し、深求することが風水術のもっとも基本となる考え方です。