バレンタインデーだ・・・。

「ママぁ～お口のまわりだいじょうぶ？」
牛乳ひげをつけたおちびくん、すごい勢いで私の前にやってきた。
・・うん。大丈夫。・・・
「ほんと～？」
・・なら、聞くな。・・・
洗面所へ・・・。シュ、シュと、何を始めたのかと覗くと、
「男の肌水」をつけている。
困った子だ。　　きのうのカツオくんみたいだ。
「どうかなぁ～、もらえるかなぁ～」
そんなこと気にしていたんだ。
ランドセルを背負って、「いってきまぁ～す！！」
釜爺ばりに
「ぐっど・らっく。」
と、送り出す。

さてさて、お仕事お仕事。
今日行くところは、若者がたくさんいるのでど～んと質より量のものを
事務所の机に広げた。みなさんでどーぞと。
こんなのうれしいわけがない事は、よく知ってる。
たまたま、今日は手ぶらで行くわけには行かないと思ってしまった。

さくっと仕事も終えて、家にもどるとおちびくん、
「ママ、ピンポ～ンってなってもでちゃだめだよ。」
・・居留守かい？人としてそれは基本的にだめです。・・・
「おれがでるから！」

ふ～～～ん。
誰かくるんだ。チョコ渡しに。
ふふふふふ・・・。
何故か、にやけてしまう母親９年目。

「まだかな、まだかな、急いで行くねって言ってたんだ。」
・・夜まで来なかったりしてね。・・
・・配り歩いてて遅いんじゃないの？・・
ちょっと、いじわる言いたくなる母親９年目。

「ピンポ～～ン」
・・お～っ！きたよ、きたよ・・
玄関のようすを、壁にへばりつきうかがう。
よく、きこえない・・。
「こっちが私の手づくりで・・・」とか、なんとか。
はっ！！！と我にかえる。
なにやってんだぁ～私。

・・こんにちわ～。ありがとうね。・・
にっこりとコレだけ述べて、ひっこむ。母親９年目。

おちびより明らかにでかい。
女の子は大きいけど、それにしてもでかい。
それに、この前泣かされた～とかいってた子だ。
あいつ、つよいんだぁ～とか言ってた。
やだ！好きな子を泣かしたりするのって、男の子じゃないの？
つよいんだぁ～って、好きになるのって女の子じゃないの？

たいへんだぁ～、たいへんだぁ～！！！