古寺を巡る 岩松院
葛飾北斎の天井絵のある信州・小布施の古寺
軽井沢に泊まりそこを起点に信州の街歩きを楽しむ、そんなことを年に一度は行っている。なかでも小布施まで足を延ばし、櫻井甘精堂の栗おこわを食べに行くことは例年の行事としている。その小布施には、葛飾北斎の天井絵で有名な古寺の岩松院があり、参拝をすることにした。文化財として価値のある建築物ではないが、戦国の武将福島正則や葛飾北斎、俳人小林一茶ゆかりの寺として名が知れた寺である。 境内には一茶の「やせ蛙まけるな一茶これにあり」という名句を詠んだ蛙合戦の池がある。
寺伝では永享2年(1430)に浄土教の千僧林念仏寺として創建され、文明4年(1472)、小布施の雁田城主・荻野備後守常倫の開基で、不琢玄珪禅師が開山となった。
参拝日 平成30年(2018)10月18日(木) 天候曇り
所在地 長野県上高井郡小布施町615 山 号 梅洞山 宗 派 曹洞宗 本 尊 釈迦如来の書 開 山 文明4年(1472) 開 基 荻野備後守常倫 文化財 天井図「大鳳凰図」 高井鴻山の書
参道の風景。
参道から山門へ。
拝観の案内。
山門。
山門。
仁王像は阿形像と吽形像と思われるが、寺を守る力強さや怖さがなくどこかユーモラスな像。
山門に掲げられた扁額「金剛屈」。
総欅造り。千社札がびっしり。
山門を潜った先の参道を見る。
階段を上がると正面に本堂が建つ。
本堂の全景。
本堂正面。
その通りだ!!。
香炉。香炉の下で香炉を支えている者は、何者だろうか?
この寺の目的はこれだ。
本堂を横から見る。写真の正面に庫裡。
本堂の軒下。
本堂の前から見た境内の全景。
本堂の正面に掲げられた山号の扁額。
本堂の入り口。
堂内に掲げられた寺名の扁額。
大鳳凰図【小布施町宝指定】 この寺の最大の関心ごとは、本堂の天井に葛飾北斎の晩年の大作「大鳳凰図」である。嘉永元年(1848)に北斎89歳の作の絵で21畳敷と言われる大きな絵が描かれている。図は、天井で実際に舞っているかのような迫力があり、その鳳凰は八方睨みをしていて、鋭い目はどこからみてもこちらを見据えている。(写真は岩松院HPより)
160年以上を経過したが鮮やかな色彩を保っている。図は、間口6.3m、奥行5.5mの大画面を12分割し、床に並べて彩絵した後、天井に取り付けられた。朱・鉛丹・石黄・岩緑青・花紺青・べろ藍・藍などの顔料を膠水で溶いた絵具で彩色され、周囲は胡粉、下地に白土を塗り重ね緊迫の砂子が蒔かれている。図にはかくし絵として富士山が描かれている。(写真は岩松院HPより)
本堂の脇に建つ庫裡。
福島正則の霊廟への石段。
元和5年(1619)、福島正則の居城・広島城を無断で改築したとして、当時の二代将軍徳川秀忠の徳川幕府により、城は元より統治していた安芸・備後50万ともに没収。信濃国の高井郡と越後国魚沼郡4万5千石を治めている高井野藩に改易された。岩松院はその福島正則の菩提寺である。
福島正則の霊廟。 寛永元年(1624)に建立。間口5.4m 奥行き6.3m。
小林一茶句碑『やせ蛙負けるな一茶是にあり』。
鐘楼。
帰りの本堂から山門へ。
寺院の全景。雁田山の裾に広がるのどかな寺の風景。
案内図
御朱印
岩松院 終了