詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

心音に灯る火

2016年12月23日 | 
からだの形に寄り添う
掛布団に波を送って横向きになる
薄荷のようなカフェインが
布団に包まれたからだの外周を明らかにする
まだ氷の手袋と靴下をはいている
じっと待っていると
心音に火が灯る

近すぎて
聴いているのか
感じているのか
わからない

赤く熱く
たぎったマグマが噴き出している
どんなに微細な管の先へも
滞りなく温かさを伝えるため
命をおくりこむために

わたしがみじめでさみしく
あらゆることへ
思いが散らばり
蒸発してしまっても

目をつむって
どこまでも続く薄闇

精神の地平は果てしなく広い
遠くを見遣って
祈っている

再びしずけさにもどるなら
もう手も足もあたたかく
青白い光の膜に包まれたからだは
みずからのぬくもりに安らっている

やがて
夜が明ける
うっすらと

コメント
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