詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

朝、一杯のコーヒー

2018年02月26日 | 
体がまだ追いつかない
つま先からカフェに入り
先に会計を済ませてきた
コーヒーをテーブルに置く

テーブルにひしめく雑多な煩いをかきあつめ
宇宙のように強い引力で呑み込んでしまう
黒い飲み物
赤も青も白も緑も
光の小さな粒となって
カップの縁にお行儀良く並んでいる

暮らしのすき間に落とす一滴のほんとう
揺れていない振り子がまんなかにあるように
わたしの揺れがとまったとき
留まっている位置

時間や不安や無力感にさえ
ぐいぐい押されていた自分に追いつく
わずかなひととき
そこから思い考える
感じる

時の流れに櫛を入れて
不安に手を触れず独立する
両手を広げて背伸びする
一日に一回
主に朝
一日がこれから始まろうというとき

その静けさは
街を呑み込むノワールの闇のよう
光のこぼれる朝
テーブルの小さなカップの中で

さいしょはきづかない
その力の沸いてくるところ
でもふいにわたしは
わたしをつかんで立ち上がる
これからに強く踏み出す

カフェインのブラックで回っている
わたしの地球
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