詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

短歌4 秋

2014年09月11日 | 短歌
腹を見せコンクリートを褥とす
蝉は帰らず夏を過ぎても

聞こえるは雷と雨 笑い声
夕闇のように暗き部屋にて

濡れそぼち毛乱れた猫
紫の星散る小花今日はさびしき

ホーム下 繁茂している葛の葉は
突風に耐えうなずき続ける

終点の高架で切れる駅なれば
その先の空いと遥かなり

静寂はしんしんと音のするという
こんな音かと秋の虫の音(ね)

我知らず頬杖ついて川渡る
電車の灯りコオロギの声

本の中 額で支えた手の影に
文字は離れて空(くう)へ漂う

炉の色のランプの線が瞬いて
魔法のように幻影揺らす

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 青いコップ | トップ | 詩 *ある夕暮れ* »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

短歌」カテゴリの最新記事