詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

2016年04月12日 | 
一生懸命願ったわけでもないのに
ふたを開けた色えんぴつの箱の中のように
あちらこちら
とりどりの花が咲いている

大抵のことは上手に願うことさえ難しいのに
季節の花束は毎年必ず届けられる
わたしが忘れてしまっていても

道の先からやってきた
ぬくんだ風に包まれると
レンズの厚みのように
あたりが二重になる
ずれた縁に手をかけると
同じ驚きが見える

この風が来た道は過去の方角
一瞬の空気の中で
わたしふわっと浮きあがり
まとっていた形容詞
剥がれ落ちていく

想像の翼の広さ分の
大きさを思い描きながら
わたしのいる場所の小ささに安らって
路地やピンク象の公園で
夕焼けチャイムまで遊んでいた頃のように

雲の厚みをすり抜けて
鈍くふくらむ陽の光を横切って
薄く淡い花びらが踊っている
うれしそうに
さみしそうに

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雨が降っていて

2016年04月07日 | 
雨が降っていて
屋根や地面や葉や傘を
たたく音の下を歩いている
遮られていて
囲われているようで
守られている

足取りが雨と傘の形に沿えば
水たまりの中に
こちらの木々や空が浮かぶ
始まりもなければ終わりもなく
しあわせなんて過激な言葉でなく
ただそこに雰囲気が浮かんでいる
しずくや波紋に揺れてくずれて
見えなくなっても
まもなくもとに戻る
ただ浮かんでいるだけなのに
ゴムのように強く
再び
広がりと奥行があらわれる
色彩は乏しく
触れることはできない
思い出の中の街のように
浮かんでいる

喫茶店に入ってコーヒーを頼んだ
丸いテーブルを前にして
ふさがれている耳の奥で
ピアノの雨が降っている
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くたびれた夜に

2016年04月06日 | 雑記
仕事中にも「疲れた」とか思って、おせんべいを食べたり、カントリーマアムを食べたり、誰かが挨拶まわりでくれた桜の花の塩漬けをのせたおまんじゅうを食べたりしていたのだけれど、夕食後にもどうしてもお菓子が食べたくて、手塩屋を食べたあと、スーパーで買って冷蔵庫に入れてあったカップのティラミスを出してきた。

だんなさんに「お湯飲む?」と聞いて、だんなさんと自分のマグカップにそれぞれ水を入れて電子レンジでチンした。

テレビで又吉さんの出ているオイコノミアを見ながら、スプーンでティラミスを食べ、マグカップの飲み物を飲んだ。マグカップをテーブルに置いた。ああ~おいしいな~。うん?



ティラミスを食べながら飲むと、お湯をコーヒーみたいに感じるよ!

おどろいて、素敵な発見をしたと思って、だんなさんに言おうと思った、ら、ブラックの液体が見えた。コーヒーだった……。
そういえば電子レンジから出したマグカップのお湯にインスタントコーヒーを入れていたんだった。

ティラミスを食べたらお湯をコーヒーに感じるなんて、そんなわけないじゃん!
あとで考えればあたりまえなのに、一瞬でもそう思い込んでうれしがった自分におどろいた。

今日のオイコノミア(ことばの経済学)ふうに言えば、
あの人は、抜けてるけど、その抜け感がいい。(最初に落として、あとでほめる)

なんて。文の途中で話者が変わっちゃってるし。最初は客観で、あとのはハタ迷惑な主観?

でもフォローが大事ですからね、やっぱり。
自分もある意味、他者だし。
冴えない一日を過ごしたあとに、小さく灯りをともしてくれましたよ。

今日いちばんおもしろかったこと。


また土星ですか?
いいえ、今日はジャガーです。
いや、ヒョウかな?
(こないだはダーウィンを見てたもんで)
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