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木阿弥を経て知る、木阿弥の庭先

2018-02-09 21:33:57 | 詩のような・・



疲れ果てて


行く当てもなく


独り
ナメクジのように
いなくなりそうな
思いを抱えて

うずくまって
いた

誰か…



誰なの




優しく手を差し伸べて

導いて
くれました



静けさのなか


自然な

当たり前に
繰り返された
営みの
雑音に

何故か

心が
落ち着く


記憶の
錯覚も

その日ごとに
終始する
無機質な
感情も


はいり込んだ
だけで
連れ去ってくれる

欲もなく

捕らわれも
気にはしない

当たり前で

自然な

そよ風が
流れている





庭先には

見たことのない
綺麗な花が咲いて
おりました


その花に
心を惹かれる


どこか
懐かしい

邸宅




導いて
くれました




本当に
綺麗な花が
咲いておりました


やがて
その花にだけ

思いが
依りました




綺麗な花が

咲いておりました




この花は
なんだろう



調べ始め
ました


そのうち

調べること
だけに
没頭したせいか


何を持っても
替えがたき

失えないはずの
庭先の
花は


すべからく
枯れ果てて


雑草どもが
生い茂りました



安らぎを
感じさせて
くれた
世界が


気がつくと

消えていました



跡形もなく



私は

その
美しく
優しく

仄かに
遠慮がちな
香りを
漂わす


小さな

綺麗な花の


名前すら


いまだに
知ることか
できないで


おります














美味しいもの

2018-02-05 22:14:02 | 詩のような・・


美味しいものを
食べに行こう



誘った


焼肉が
食べたいと
君が
言うから


選りすぐりな
お店を

早ばやと
予約した


当日


その焼肉屋さんで
君にオーダーを
任せて

僕も
譲れない
肉は
頼んで



生ものが嫌いな
君は


半生くらいが
丁度いい
はずの
肉を


焦げる寸前まで
焼いて


僕の
たれの
小鉢に
盛り付けて


自分の
分も
取り分けて


焦げる寸前まで
焼いた
肉を

美味しそうに
食べて

『美味しいよ』


言って
僕の
顔を

嬉しそうに

見つめて


僕は

『うん、美味しくて良かったよ』


声に出して


小鉢に
盛り付けられた
焼きすぎな
肉を

頬張って
みる


硬くて
やや苦い

焼きすぎた
肉が


こんなに
美味しかった
事に


初めて

気付いた



美味しいものを
味わうのは

この舌の
味覚の感性と

提供された
料理の
完成度では
なくて


大切な人の
嬉しそうな
笑顔に
触れた

ひと時の

幸福感だと



君の
顔を見ていて



覚えたよ




美味しかったね

また

来ようね